夢幻∞大のドリーミングメディア

素人だから言えることもある

あるある大事典

「USTREAMがメディアを変える」から読み解くテレビ局の変質

AVライターの小寺信良氏の「USTREAMがメディアを変える」(ちくま新書)を読んだ。 小寺氏は1980年代から10年以上テレビ局の編集マンをしていたそうだ。その頃と現代のテレビ局を比べて興味深い話があった。その中でいくつか取り上げてみる。(1) 制作セットが…

地方民放抵抗の理由(ホームサーバの戦い・第72章)

なぜ、地方民放はネット配信を恐れるのか 前項「新apple TVとtorneに見る日米録画事情(ホームサーバの戦い・第71章) 」の中で、ただし、ネットで広く全国に配信すると、それまで全国放送を担ってきた各地の系列地方局が反発することから、人気の高い番組はな…

捏造はなぜ止まらない?

テレビの演出が捏造に変わるとき 「ねつ造の心理?退屈が怖い」でぼくは、今野勉氏の書いた「テレビの嘘を見破る」(新潮選書) を引用した。ある釣り好きな作家が、某国の幻の魚に挑むつり紀行番組です。幻の魚といわれるだけであって、なかなか釣れません。滞…

毎日新聞の「WaiWai」騒動は、新聞の「あるある大事典」2(佐々木氏のエントリーを分析する)

CNET Japanのαブロガー、元毎日新聞記者の佐々木俊尚氏のエントリー「毎日新聞社内で何が起きているのか(上)」が載っていた。そこで、毎日新聞の「WaiWai」騒動は、新聞の「あるある大事典」に続いて、再び「あるある大事典Ⅱ調査報告書」と比較してみた。…

「WaiWai」「あるある」から見るメディア論

メディアは過去を隠したがる。 「WaiWai」は既に閉鎖しておりますが、過去の記事を転載しているサイトなどが判明すれば、事情を説明し、訂正や削除の要請を続けていきたいと思います。(再発防止へ体制強化 深刻な失態 教訓にします) 再発防止へ体制強…

毎日新聞の「WaiWai」騒動は、新聞の「あるある大事典」

「WaiWai」問題 今日7月20日の毎日新聞にこんな記事が掲載されていた。英文サイト出直します 経緯を報告しおわびします 毎日新聞社は英文サイト「毎日デイリーニューズ」上のコラム「WaiWai」に、極めて不適切な記事を掲載し続けていました。内部調査の結果…

「おバカ」の時代

(1)クイズと「おバカ」今年のバラエティー番組、なぜかクイズ番組が花盛りだ。週刊プレイボーイ4/7号の記事にタレント争奪戦は? 珍回答の“仕込み”は? ブームはいつまで?… 4月から週28本!! テレビ業界「クイズ番組バブル」の“おバカ”な裏側という記事…

テレビの犯人探しと現実の犯人探し

あるあるの検証番組で苦情のメールが殺到しているらしい。 「関テレの検証番組に苦情電話345件」(読売新聞)「なぜ、出演した制作スタッフの顔を隠すのか」などと検証番組の制作手法を批判する意見が多く、「社長が取締役にとどまるのはおかしい」という声…

テレビが作った「考えない人」

前項「テレビ局は永遠に間違え続けるのか」のテレビマンって、実は私たち、視聴者自身に重なっていないだろうか。テレビに真実を求める一方、本当に真実かどうか確かめもしない。(事実・真実・知識への安易な取り組み ) テレビに出た科学者を簡単に信じてし…

テレビ局は永遠に間違え続けるのか

『私たちは何を間違えたのか 検証・発掘!あるある大事典』を見た。確かに、ここではこのようにして番組は捏造されてきたという話は出た。だが、現場のディレクターの証言は「面白くするため」であり、上の担当プロデューサーの証言にはチェックしようという…

モノ作りの喜びを失ったテレビ局

関西テレビに総務大臣から警告を出した。 総務相は同日の閣議後の記者会見で「公共の電波を使用する放送で、長期間にわたり事実と異なる放送が行われたことは極めて遺憾」と述べた。 同省は、同社が捏造番組を繰り返し放送し、放送メディアに対する視聴者の…

テレビ局の感覚、視聴者の感覚

関西テレビが民放連から活動停止処分にされた。 さらに、読売新聞によると外部調査報告書が23日に発表されたがそれに対し、関西テレビが反論したとも言う。 外部調査委が指摘した16件の「捏造」「不適切」番組の中で、10件について「放送法の目的に照ら…

ウソの限界

物語が一番面白いものは、ウソと事実が適度にかき混ぜられ、一見事実であるかのようなものである。かつては、オーソンウェルズの「火星人大襲来」、最近では「ダヴィンチコード」。後で客は「やられた!」と思い、拍手喝采を送るのだ。 しかし、やってはいけ…

テレビ局解体論

TBSの「人間!これでいいのだ」の打ち切りにつづいて、テレビ東京の番組「今年こそキレイになってやる!正月太り解消大作戦」の捏造が発覚した。 これは健康情報番組の捏造が日常的に行われている結果である。そこで総務省が放送法の改正を検討していると…

守るべきなのは自分の地位ではない

最近の事件や事故、たとえば、古くは福知山の脱線転覆事故、耐震偽装問題、多発するいじめ自殺に対する校長や教師の対応、不二家の不祥事に対する社長の認識、「あるある大事典」打ち切りと関西テレビ社長の対応など、業界はさまざまだが、実は同じ構造を持…

腐った饅頭は捨てるだけでよいのか?

「あるある」を打ち切ることは、テレビ局が「あるある大事典」を腐った饅頭だと思って捨てる行為に似ている。確かに、「あるある大事典」は香りもよく好評だったけど、中身は腐っていた。腐った「あるある」は捨てるべきである。そうすれば、他の饅頭は安全…

テレビ局の構造・触れてはいけない部分

「あるある」事件について2月5日、近畿の民放労連がこんな声明を出した。「準キイ局」と呼ばれる在阪局は、少数ながらもゴールデン・プライム帯で全国ネット番組を放送しているが、その大半は、出演者確保などの観点から東京で制作せざるを得ない状況にある…

「回転寿司番組」だらけのテレビ

「あるある打ち切りとその後」に書いたように、これからの健康情報番組は、今の製作体制では大変作りにくくなっていくことが考えられる。 その番組の検証が必要とされるならば、そんな手間のかかる番組など誰も作ろうとしないからだ。そうなると、どうなるか…

テレビは視聴者を信じない

関西テレビの千草社長が、「あるある大事典」について総務省に報告書を持って行った行動に失望したことがある。おそらくメディアに弱みを握られまいとしたのだろう。顔面蒼白のままその内容については一切語らなかった。僕は「この社長もか」と思ったのだ。 …

問題は「あるある」だけなのか。

関西テレビの千草社長が「あるある大事典」の捏造事件の報告書を総務省に提出したという。しかし、報道によれば、総務省はその内容に不満であるようだ。一方、一部の週刊誌(週刊新潮)がTBSの『人間、これでいいのだ』をTBSにも「捏造番組」!として…

だます側の論理、だまされる側の論理

前項「メディアは信じるものではない」で「あるある」騒動でだまされた方は、「あるある」教の信者と考えることもできると書いた。一方、だます方の論理は何か。それは、放送作家の高瀬某氏のブログが炎上したという記事がある。そこで、その内容から見てみ…

メディアは信じるものではない

以前書いていた 「メディアの法則」でこんなことを書いた。メディアは信じるものではなく比較するためにある。良書だけ読めばよい大人になるわけではないように、良質といわれるメディアでも比較するものがなければどこが良いのかわからない。さまざまなジャ…

「健康」病の人々

「あるある大事典」のねつ造報道、「納豆ダイエット」に続き、レタス、味噌汁、小豆…、いくらでもありそうだ。まさに「発掘!あるある大事件」の様相を呈してきたようだ。 人間、健康に生きたいと思うのは当たり前である。でも、病気なら医者にかかったり、…

あるある打ち切りとその後

「あるある大事典」の打ち切りが決定された。気になるのは、同じようにセンセーショナルなタイトルで視聴者をあおる他の番組だ。これは健康番組に限らない。報道番組もバラエティー化している。これらの番組が萎縮し、しっかりしたデータがなければ、番組を…

すいません。見ていませんでした。

すいません。「あるある大事典」見たことありませんでした。話を聞いていただけです。だから、つい、「あるある大辞典」と書いてしまったんです。今、直しました。今、そこらじゅうで「あるある大辞典」と書いているあなた、やっぱり見ていなかったんでしょ…

第2の波では組織、第3の波では個人が主体に

「あるある大事典」が唯一のスポンサー「花王」の降板の決定により10年間の歴史に幕を閉じることになりそうだ。そこには、テレビに対する視聴者の冷静な目がある。今まで、スポンサーの顔をうかがっていたテレビ局もさすがに視聴者の批判には耐え切れなか…

嘘つきテレビとモラルの崩壊

フジ系の高視聴率番組「あるある大事典」のねつ造が発覚した。 「番組ねつ造:「あるある」に消費者から怒り」(毎日新聞1/21)それはうそだった。フジテレビ系列で7日放映の「発掘!あるある大事典2」が紹介した「納豆ダイエット」。番組を制作した関西…