夢幻∞大のドリーミングメディア

素人だから言えることもある

映画

「楽観バイアス」と黒澤明「生きものの記録」

ためしてガッテン!の「楽観バイアス」年末から新年にわたってWOWOWで黒澤明の全作品30本が放送される。夏にも放送されて何本か録画した。その中で12月30日に放送される「生きものの記録」をとりあげてみたい。この作品は、黒澤作品でも無名に近くほとんど知…

ラビットフット化するマニフェスト

政治のマクガフィンミッション・インポッシブル「ラビットフット」の謎のアクセス数が増えている。これは、昨日、「ミッション・インポッシブル?(M:I:?)」が放送されたためだ。そこでも触れたのだが、ヒッチコックが言い出した「マクガフィン」が政治におい…

踊る大捜査線ファイナルの2つの言葉(ネタバレあり)

踊る大捜査線ファイナルを見てきた。室井、青島の2人の言葉が記憶に残る。 一つは、柳葉敏郎演じる室井慎次の言った「組織の中にいる人間こそ信念が必要」であり、織田裕二演じる青島俊作の言った「正義を守るには胸に秘めておくくらいがちょうどいい」とい…

大切な人を亡くすということ

死んで初めてその大切さを知る こんなブログを読んだ。末期がんの彼と結婚した女性の話。ブログの作者は、最後にこんな文章を書く。「愛する人の死を具体的に想像することはとても大事なのではないか」ということです。 これはとても難しい事だし、すごい想…

シャーロックとダークナイト・ライジングの奇妙な共通点(ネタバレあり)

ラストの墓石8月5日、BBCのドラマ「SHERLOCK」の第2シリーズの最終回「ライヘンバッハ・ヒーロー」を見た。ストーリーの元は、コナン・ドイルの「最後の事件」。原作のストーリーの結末は、その後の調査で、ホームズと教授は格闘の末に滝壷へ転落したのだろ…

大いなる力には大いなる責任が伴う

映画「アメイジング・スパイダーマン」から映画「アメイジング・スパイダーマン」を見てきた。スパイダーマンシリーズを監督・キャストを変えて再起動(リプート)したものだという。映画上では表現されてはいないが、原作のアメコミ「スパイダーマン」と同じ…

キャパシティの広い人を作る(日本人のキャパシティが落ちている・2)

最近、放送されているミステリー作品、NHK BSの「SHERLOCK 」や、映画「アンフェア」の雪平夏見、テレビ朝日「相棒」の杉下右京などを見ていると、彼らはチームワークなどよりも単独で行動する。雪平などは、仲間を信じていない。杉下は、警察仲間から、遠ざ…

ネットの処刑人

マンハッタンの処刑人と正義の女神BSのD-lifeで、「クリミナル・マインド」の第一シリーズ放送されている。昨日、放送されたのは「マンハッタンの処刑人」。EP17 マンハッタンの処刑人マンハッタンで猟奇連続殺人事件が発生。犠牲者はいずれも目隠しをされ、…

進化に翻弄される人たち~「ヒューゴの不思議な発明」と「アーティスト」(ネタバレあり)

ヒューゴは発明などしなかったのに「不思議な発明」とは?映画「ヒューゴの不思議な発明」と「アーティスト」を最近見た。どちらも、サイレント時代の映画へのオマージュがあふれている。僕は、この「ヒューゴの不思議な発明」を公開終了ぎりぎりに見ている。…

「成功とは、意欲を失わずに失敗に次ぐ失敗を繰り返すことである」

チャーチルの言葉映画「おかえり、はやぶさ」を見てきた。一本目の「はやぶさ/HAYABUSA」について書いた映画「はやぶさ」の「失敗は成果だ」という話、二本目の「はやぶさ 遥かなる帰還」について書いた「ボロをまとったマリリン・モンロー」に続く最後の三…

映画から何を学ぶか

今年のアカデミー賞が決定した。83年ぶりのサイレント映画「アーティスト」だという。4月の日本公開前なので、評価はしにくい。最近、僕のエントリーランキングを見て、いわゆる映画感想文と違ったいくつかの特徴が表れているので、今回はそれについてまとめ…

問題はツールではない、学ぶ意欲だ

CGと想像力前項抜き書き「スピルバーグ創造の秘密」で、国谷氏の質問にスピルバーグ氏はこう答えている。国谷 映画の製作方法は、急速に変化しています。デジタル時代が到来し、監督は「ジュラシック・パーク」で、真っ先にデジタル時代の扉を開きました。今…

抜き書き「スピルバーグ創造の秘密」

NHKクローズアップ現代で、「永遠の映画少年 スピルバーグ 〜創造の秘密を語る〜」という番組が22日に放送された。この番組には、未知へのあこがれを隠さない監督の純粋な姿があった。 解説には、総興行収入世界一、各国の監督賞、作品賞に輝き、40年に渡…

ボロをまとったマリリン・モンロー

映画「はやぶさ 遥かなる帰還」より 映画「はやぶさ 遥かなる帰還」を見てきた。はやぶさの映画は3本作られている。去年10月に公開されたFOX版「はやぶさ/HAYABUSA」、今回は東映版「はやぶさ 遥かなる帰還」、来月上映される松竹版「おかえり、はやぶさ」で…

「三丁目の夕日’64」と「麒麟の翼」をつなぐテーマ「コミュニケーションのない家族」(ネタバレあり)

不器用な父子映画「ALWAYS三丁目の夕日’64 」と「麒麟の翼」を続けて見た。コメディとミステリー、形式は違うが、メインテーマが似ていると思う。家族の中で、子供が何を考えているかわからない、親が何を考えているかわからない。三丁目の夕日では、その食…

〔お題〕教育におけるICT〜子供たちに学びの楽しさを教えているか

インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国から昨日、フジテレビ「土曜プレミアム」で、インディ・ジョーンズシリーズ4作目、クリスタル・スカルの王国が放送された。僕は、上映されたころに書いた「宝物とは知識」インディ・ジョーンズを見て考えるを…

なぜ、日本人は寅さんにあこがれたか(「見えないから安心」と「見えたから不安」・5)

やくざと寅さん前項「なぜ日本人は説明がヘタか(「見えないから安心」と「見えたから不安」・4)」で、「やくざ型コミットメント」という言葉が登場している。社会心理学者の山岸俊男氏の言葉である。信頼の意味と構造―― 信頼とコミットメント関係に関する理…

抜き書き「想像力が未来を拓(ひら)く 〜小松左京からのメッセージ〜」

クローズアップ現代で、11月24日に「想像力が未来を拓(ひら)く 〜小松左京からのメッセージ〜」が放送された。解説によると、「日本沈没」で知られるSF作家小松左京さんが7月に亡くなった。星新一や筒井康隆とともにSF御三家といわれ、膨大な知識と教養か…

クラウドとは記憶の銀行のことである

ウィリアム・ギブスンの小説に「記憶屋ジョニイ」というものがある。ビートたけしが出演した「JM」というものを覚えているかもしれない。あらすじは、ジョニーは通常のネットワークに晒すことのできない機密情報を脳に埋め込まれた記憶装置に記録して運ぶ不…

映画「はやぶさ」の「失敗は成果だ」という話

映画「はやぶさ HAYABUSA」映画の話が続く。映画「はやぶさ」を見てきた。そのなかで気になった言葉がある。宇宙研を作った糸川英夫氏が、初期のロケット打ち上げの失敗の連続で、マスコミに「またも失敗」とあまりにも書かれるので、「失敗ではなく成果と言…

「猿の惑星」のもう一つの解(ネタバレあり)

「猿の惑星」の大いなる疑問映画「猿の惑星・創世記(ジェネシス) 」を見てきた。「猿の惑星」シリーズはすでに6作も作られている。このうち5作はストーリーがつながっている。そのストーリーをキネマ旬報10月号の作品評でわかりやすくかいつまんでいたので、…

個性が消えつつある日本

全員集合を再び作る人間はいない前項「もともとテレビとは」でテーマにしたのは、現在、日本ではタブーとされている「いかがわしく、危ない」部分が消えつつあるということだ。他の番組と差別化するためには、これこそが、その番組の個性なのだ。 例えば、「…

ヴォルデモート=ダース・ベイダー論(ネタバレあり)

ヴォルデモートとダース・ベイダーの名前の意味ハリーポッターシリーズ最終作「ハリー・ポッターと死の秘宝PART2 」を見てきた。この「死の秘宝」では、主人公ハリー・ポッターは宿敵ヴォルデモートとの最終決戦となる。僕は、かつて「セフィロス=ダース・ベ…

非現実が現実になる時(現実がひっくり返る年・4)(ネタバレ注意)

ここは現実じゃないWOWOWで「インセプション」が放送された。この映画については、夢の中のミッション「インセプション」考(ネタバレあり) で書いたが、その中で、自殺したモルの話が出てくる。人間には、しばしば夢の世界に行ったきり、戻ってこれない人が…

サイバーストーカー

サイバーレブリティー今日、テレビ東京で「CSI:マイアミ6」のシリーズで「サイバーストーカー」なる海外ドラマがあった。ホームページの解説によれば高校の水泳部員キャンダスは、ネットに投稿された一枚の写真によって一夜にしてセレブになる。以来二週間、…

アカデミー賞は、なぜ「アバター」と「インセプション」を嫌うのか

アカデミー賞が予想通り、「英国王のスピーチ」に輝いたが今年のアカデミー賞が決定した。かねてからの予想通り、「英国王のスピーチ」だった。僕は、現在、公開中の「英国王のスピーチ」はおろか、「ソーシャル・ネットワーク」も見ていない。作品賞ノミネ…

タブレットの次の世界を考える

ハリー・ポッターの魔法新聞フレキシブルディスプレイという技術を知っているだろうか。これは、フィルム状で、タブレットの表面なんかに貼るものだが、これが単体で画面が映るようになれば、映画「ハリー・ポッター」に登場する魔法界の新聞に似てくる。つ…

重要なのは成功したことじゃない、やろうとしたことなんだ

映画「ペイ・フォワード 可能の王国」トルネに録りためていた中から、映画「ペイ・フォワード 可能の王国」を見た。ストーリーは、ラスベガスに住むアルコール依存症の母と家を出て行ったDVの夫との間に生まれ、中学1年生になった主人公トレバーの担任の先生…

「バカ」について考える

「バカ」とは何かインターネットでバカになる人、リコウになる人が意外に好評なので、そもそも「バカ」とは何かを考えてみる。単純に「バカ」といっても意味合いが広い。「馬鹿」のWikipediaにこんな用例が載っていた。馬鹿のもつ意味合いと使用される状況の…

夢の中のミッション「インセプション」考(ネタバレあり)

ミッション・インポッシブル・イン・ドリーム? 映画「インセプション」(クリストファー・ノーラン監督)を見てきた。ホームページのイントロダクションにこうある。コブ(レオナルド・ディカプリオ)は、人が一番無防備になる状態。つまり眠っている時に夢を通…