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素人だから言えることもある

アップルとマイクロソフト、家電への擦り寄り方

 マイクロソフトは1月9日、XboxとPCを使ったホームサーバーを提案した。

マイクロソフト、「Windows Home Server」を発表--ゲイツ氏基調講演

 一方、アップルは同じ1月9日、iPhoneApple TVなど家電製品を発表した。
ついに発表--アップルの携帯端末「iPhone」とは

 アップルコンピュータの社名をアップルに変えてまでして家電産業に進出したのだ。この両社がそれほど書斎からリビング進出したかったのはなぜだろうか。ほとんど衰退してしまったアメリカ家電をコンピュータ会社が肩代わりしようとでも言うのだろうか。

 僕は「地デジが生まれた本当の理由」で紹介した「デジタルテレビ日米戦争―国家と業界のエゴが『世界標準』を生む構図」からこんな言葉を見つけ出した。

 インターネットや関連サービスにアクセスするには、これから先もテレビではなくコンピュータがその第一の手段だと、コンピュータ企業は主張している。数百万の米国民にとってそれは本当のことだろうが、パーソナルコンピュータが登場して15年(2001年当時)、米国の半数近い家庭にパソコンが普及した現在でも、それらすべての家庭において、コンピュータが快適に使いこなされているわけではない。使いやすいように次々と改善されてきてはいても、相変わらずパソコンは難しい機械のままだ。

同時に、米国の家庭の99パーセント以上はテレビを持ち、その使い方を知らない人はほとんどいない。したがって多くの人にとって、デジタルテレビは「情報スーパーハイウェイ」、すなわちWWW、電子メール、その他すべてのものへの簡単で自然な入り口となることが予想できる。

これらのすべては、もう一つのあまり好ましくない変化とともにやってくる。間もなくテレビとコンピュータの明確な区別はぼやけてくるだろう。それに伴って、コンピュータ世界の病気がテレビ産業にも押し寄せてくるだろう。今までのテレビは、8年から10年、あるいはもっと使うつもりで買われている。そして実際にそのくらい使えた。なんといってもテレビ自体は、30年にもわたってほとんど変わらなかったのだ。しかし、今やテレビはコンピュータのようなものとなり、ほんの2年前に買ったパソコンがすぐに技術的にどうしようもなく古臭いものになるように、テレビも、すぐに古いものとなっていくだろう。新しいモデルはより速いチップ、より大きなメモリ、より高性能なモデム、より拡張性が高いオプションがつくようになるからだ。(ジョエル・ブリンクリー著/浜野保樹・服部桂共訳「デジタルテレビ日米戦争―国家と業界のエゴが『世界標準』を生む構図」アスキーより/浜野保樹著・はじめに)

 なるほどと思ったのは、家電がすでに完成しているのに対し、パソコンは永久に未完成だからだ。コンピュータ企業が家電を手がけるとどうなるか、おそらく2,3年ごとにスティーブ・ジョブズが登場し、サプライズとともにあっと驚く家電を見せてくれるに違いないということだ。あたかもiPodのように。
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