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素人だから言えることもある

ホームサーバーの意味するもの

 前項「家電屋VSコンピュータ屋、ホームサーバーの戦い」で僕はいささか批判的に論調を進めていた。でもPS3のダウンロードサービスでハイビジョン画質の映像がダウンロードできるという話を聞いた。つまり、時代はそれほど進歩しているのだ。もし、映画がそれほど時間をかけずにダウンロードできるとしたらどうだ。すっかり条件が変わってくる。

これから話すのはSFである。信用しようと信用しなくてもかまわない

 PS3の息の根を止める唯一のもの。それは他の2社がホームサーバーを成功させるかどうかにかかっている。もちろん、ブルーレイが勝っても、PS3より安いプレイヤーができればという意見もわかる。でも、ホームサーバーができれば、プレイヤーが必要なくなるし、ブルーレイもHD DVDすらも必要なくなるのである。

 その理由はアップルテレビを見ればわかる。アップルテレビにはインターネット機能と40ギガのHDDしかない(ダウンロードするにはPCとの接続が必要)。ブルーレイやHD DVDのディスクドライブが付属していないのだ。マイクロソフトXbox360にしてもそうだ。HD DVDはあくまでもオプションである。つまり、プレイヤー機能とハイビジョン画像をテレビに送出する機能はまったく別なのだ。つまり、ホームサーバーにはブルーレイもHD DVDドライブも搭載する必要がない。Xbox360のHD DVDドライブはセルビデオやレンタルビデオを見るときのみしか使われない。

 PS3はブルーレイのディスクドライブがついている。それはあくまでもソニーが家電企業であるという証明をしている。家電企業はこれからレコーダーを世界に売っていかなければならない。レコーダーにはディスクが必要だ。ブルーレイやHD DVDの規格争いはそこから生まれた。しかし、PS3の本来の目的はそこにはない。前項の久多良木SCE会長の発言にあるように、ホームサーバー機能がメインである。同じ型のホームサーバーがたくさん集まれば、分散型コンピュータのネットワークができる。したがってブルーレイのドライブはいわば視聴者囲い込みの入り口である。

 さて、今度はアメリカの映画会社の立場を考えてみよう。

 映画会社にとって、ディスクというものほど厄介なものはない。確かに映画製作のためには大変大きな収入源だ。デジタルハイビジョン画質でコピーされてしまえばその収入源はふいになる。たくさん売りたいけれど、コピーは怖い。あれほどHDMI規格に時間をかけてコピーされないように設定した。しかし、所詮は誰かがコピーするだろう。コピーされないためにはディスクを視聴者に渡されなければよい。それで見るたびに金をとるシステムがあればよい。そうそれがインターネットを使ったホームサーバーシステムである。

 データに期間限定のプログラムを仕掛ければよい。もうひとつは、ブルーレイとHD DVDの統合をできるだけ伸ばすことが必要だ。ユニバーサルはマイクロソフトやアップルがホームサーバーを完成させるまでブルーレイ入りを待たせることにする。こうしてパソコン業界とアメリカ映画業界は秘密の結託をする。

 さて、雌雄を決するのは日米どちらか。テレビ周りは今年もうるさくなる。


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