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素人だから言えることもある

脳化社会とホームサーバ

 「脳化社会とWii 」で語った「脳化社会」、「革命前夜」でとりあげたアルビン・トフラーの「第三の波(知識革命)」、そして一連のホームサーバ(ー)論、これらのことから何か想像できないだろうか。

 人間の脳の仕組みは、五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)の情報を目・耳・手・舌・鼻を通して脳に送られ有用か無用か判断される。その判断に個人の嗜好が反映されることは言うまでもない。

 メディアはその五感のうち、視覚、聴覚を刺激する。本来、その現場にいなければ見ることもできないものが目に飛び込んだり(テレビ・映画)、コンサート会場にいなければ聴くこともできなかった音楽をCDとして手に入れることができる。すなわち、メディアは目や耳の延長ということができる。そのメディアが集めたものを今度は、自分の嗜好で選別する。家にいながらにして集め、知識として保存することができるのがパソコンであり、特に、インターネットから降り注がれる映画や音楽に特化してテレビに映し出すことができるのがホームサーバである。

 いわば、脳の縮図を模式化したものがホームサーバなのだ。そして同じようなものとして携帯電話がある。本来の目的の電話機能のジャンルを超えて、テレビ・カメラ・クレジット・音楽・メール、ありとあらゆるものがその小さな筐体に圧縮されている。すなわち、携帯電話は第二の脳であり、脳の外付けハードディスクドライブである。

 一方、残りの触覚、味覚、嗅覚はどうか。この分野はメディアの苦手な分野である。だが、テレビで今一番流行しているものを見ればその問題も解消される。そう、グルメ番組であり、温泉番組なのだ。テレビで流されている情報のとおり、そこに向かえば満足できる。

 茂木健一郎氏が「脳と仮想」(新潮社版)で、この世にあることはすべて「脳内現象」と語ったように、脳が蓄積したものしか見ないし、聴かない。

 現代社会がすべて個人の脳に向かっていることはいうまでもない。現実はどれほど厳しくたって脳が満足すればそれでよい。って本当にそれでいいのか?
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