夢幻∞大のドリーミングメディア

素人だから言えることもある

消費者から生産消費者へ

 トフラーの「富の未来」でもうひとつ理解されていないのが「生産消費者」の概念である。

 たとえば、「不二家」や「あるある大事典」で当てはめてみよう。「不二家」は生産者として洋菓子を生産してきた。「不二家」が今回の事件をおこしたのは、消費者の視点で洋菓子を作ってこなかったという点である。賞味期限切れであっても売れればいいという点では、「あるある大事典」でも同じことだろう。テレビ局として番組の内容はどうでもいい、視聴率があがればいいという点では、視聴者=消費者の視点が欠けていたというしかない。生産者であっても消費者の意向を知らなければ成り立たないということがわかる。

 ところが、この消費者、いささか曲者なのである。メディアに翻弄される「おろかな消費者」と翻弄されない「賢い消費者」がいるので前回のようにクレームの山となるのだ。それなら「賢い消費者」とは何か。僕はこれこそが単なる消費者と生産消費者の違いだと思う。

 トフラーは生産消費者をプロシューマーと呼んでいる。(prosumer=producer(生産者)+consumer(消費者))。これからは単なる生産者ではなくて生産消費者がメインとなってくるというのだ。これをブログの世界に当てはめると面白いことがわかる。メディアの多くは生産者である。情報を生産し、視聴者(消費者)に送り届けているからだ。

 ところがブログでは両者がいる。たとえば、生産者側のブログがあれば、消費者側のブログがある。さきほどの「おろかな消費者」は、メディアの言うとおり振り回され、捏造が発覚すると怒る主体性のない批判者のことである。生産者のブログでは、自分たちの都合の悪いことはかけない。書くときはいつも消費者の顔をして書いている。

 生産消費者のブログは、自分で調べきっちり検証する。もちろん生産者ではないので裏の事情はわからないが、それでも自分の力で信用できるデータベースを持っている。このようなブログは信頼性が高いので、様々な情報が集まってくる。単なる一時的な批判だけをするブログとの違いはそこにある。ブログ自身に信頼性を高めることは、知識をそこに集めていくことを意味する。逆に、今これが話題だからといって集まってくるブログは誰にも信用されない。

 どれほど混沌としたインターネットであっても、必ず伸びてゆくブログはあると信じている。
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