夢幻∞大のドリーミングメディア

素人だから言えることもある

メディア革命

 「10年後のテレビ」で起こる事態はまさにメディア革命とでも言うしかない。しかし、このような事態になるためには当然高いハードルがある。そこで、これからどうなっていけばこのハードルを乗り越えられることができるか考えて見る。

「あるある」騒動がメディア再編の引き金になる。

「あるある」騒動によって、テレビに対する視聴者の信頼が大きく損なわれた。テレビは、うかつに情報番組に手を出しにくくなる。視聴者はテレビを信じなくなり、テレビ広告の売れ行きも頭打ちになる。

政府がテレビに介入しようとする。

 今年は、放送法改正で根本的な改善はできなかったが、制作会社とテレビ局の関係改善のために、著作隣接権を放送事業者に与えるのではなく、制作会社に与えようとする。また、世界に輸出できる放送コンテンツ育成のために、積極的にクリエイター発掘のコンテストを開き、報奨金を出す。

広告スポンサーがネットに積極的に参入する。

 今まで、テレビ局にお任せだったスポンサーがコンテンツ制作に乗り出す。

2011年までにアナログ停波が実現する。

 総務省が普及していない地域に、積極的に光ファイバーの増設や、地上デジタルチューナーやテレビの補助をする。光ファイバーでハイビジョンが送れる体制を整える。(u-japan政策の理想と現実参照)

新聞や雑誌が紙媒体をあきらめ、ネットで生き残りを模索する。

 最近増えている新聞記事の盗作問題、原因はネットで簡単に地方新聞の記事が流れていることだという。今までだったら、容易に発覚しなかったものが、インターネットの普及で視聴者が簡単に指摘することができる。さらに、新聞記者がそのようなごまかしですまそうとするのは、インターネットを知らない読者しか見ていない点がそこにある。つまり、無料のインターネット新聞を使って有料の読者をごまかしているのである。そのことが、ますます購読部数低下を引き起こし、やがては広告費や購読料で新聞を毎日発売することが不可能になるだろう。そこで、新聞社は、結局横並びの記事ではなくて、その新聞独自の取材で売っていくコンテンツ重視の姿勢に変わらざるを得ない。

テレビメーカーはネットに接続し、それを貯め込む(HDD内臓の)テレビに力を入れる。

 しかし、これ以上、テレビ買い替えを促すことが無理とわかればより簡便で安いSTB(セットトップボックス、例えばPS3とかXBOXのようなゲーム機器やパソコンを通して)を使って多様化する。

今までテレビや新聞など様々な媒体を使ったものが、テレビ・パソコン・ケータイなどで同じサービスが提供される。

 メディアが違えば、与えられる情報が違うのが当たり前であったが、すべて同じeプラットフォームに結集するので、サービス競争はより熾烈になり、よりパーソナルなものになる。

テレビの意味が変わる

 テレビは、定まった時間に定まった内容の番組を流す一方的なものであったが、これからは視聴者一人ひとりの趣味に合わせた時間や内容のものを選択することができる。さらに、そのような番組がなければ、自分で作り出して、テレビ局に売り込んだり、ブログと同様に発信したり、オークションに自分の番組のCMを売り出し、作った番組を高く買ってもらうことができる。テレビは、活用するものに変わる。

人(生産消費者)がテレビ局の財産となる

 コンテンツというと、どうしても過去に流した番組というモノが財産のように思われる。だが、一番大切なものはそれを生み出す生産消費者(「消費者から生産消費者へ」)である。さらに「ネットと放送の新時代」で語ったクリス・アンダーソンの言葉「プロが作成してアマチュアが消費するという従来の図式が崩れて両者の境界があいまいになり、アマチュアもプロと同じくらい制作に貢献できる」のように、圧倒的に大勢のアマチュアの中から、明日のクリエイターを産出する可能性が増えたことを意味する。テレビ局は、そのアマチュアの中から良質のコンテンツを生み出すクリエイターを抱え込むことができるかが、これからのテレビ局の生き残りの唯一の方法となる。

そしてメディアはカオス(混沌)となる。

 テレビに限らない、eプラットフォームに結集するメディアは、すべて、視聴者の中から次のコンテンツを生み出すクリエイターを探し続けなくてはならない。いわば、メディアの中は、プロもアマチュアも入り混じったカオスのような状態となる。その中から、宝石のように輝く次のクリエイターを見出すのだ。かつては、プロになる方法は限られていた。10年後は、プロになっても次の瞬間、アマチュアに落とされるかもしれない。プロがプロのままに保っていた時代は、社会に停滞を生み出した。そしてそれは格差社会となった。だが、未来はカオスとなる。それがよいことかどうかはわからないが。


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