夢幻∞大のドリーミングメディア

素人だから言えることもある

メタデータと図書館

 「10年後のテレビ」と「メディア革命」で、僕は、新聞や雑誌がやがて紙を使わない時代になることを予測した。おそらくメディアの購入はダウンロード販売が主流になるだろう。新聞を読みたいと思えば、パソコンのディスプレイやテレビ画面で蓄積したデータを見ればよいし、必要なら印刷することもできる。また、欲しいと思えばオンデマンド出版も可能だろう。そしてこれからは直接パッケージや本として手に入れることよりも、データをダウンロードで手に入れ、パソコンに蓄積することがメインになっていく。

 しかし、図書館は大変困ることになるだろう。今まで、書物を中心に集めていた図書館が、電子データになってダウンロード発売になれば、まとまった情報として集めることが困難になるのだ。例えば、国会図書館でインターネット情報を集めているという。

国立国会図書館ではインターネット情報をWARPで蓄積しています。

 インターネット情報は知的活動の所産を含む貴重な文化遺産です。しかし、出版物と比較して、更新や消去が容易なため、失われやすいという性質を持っています。

 近年、世界各国で国立図書館を中心にインターネット情報を収集、保存する事業が進められています。

 国立国会図書館においてもインターネット情報選択的蓄積事業(Web Archiving Project 略称:WARP)として、インターネット情報の収集、保存、提供を行っております。

 WARPでは主に国内で発信されている情報、その中でも失われつつあるものを重点的に選定し、許諾があるものについて収集を行っております。

 収集には「収集ロボット」と呼ばれる自動収集ソフトウェアを使用しております

 このPDFには見本があったが、すでに閉鎖されたサイトが見られるという。

 CNET Japanのニュースにメタデータの話題があった。Web 2.0の先を開拓する「メタデータ時代」の中でC2cubeの谷口氏は

ナビゲーションの際に重要となるのが、「メタデータ」である。メタデータの具体的な例を挙げるとすると、たとえばデジタル写真についている撮影者や機材、日付などのデータだ。特に、最近の携帯電話の写真には、GPSによる位置情報というメタデータが入っているため、いつどこで撮った写真なのかを知ることができる。
と説明している。このメタデータは、書物で言えば、巻末にある著者・発行者などの書誌情報のようなものである。図書館でもっとも重要なのは、この書誌情報であり、さらにNDCと呼ばれる日本十進分類表による目録である。いわば、その図書が図書館のどこにあるかを示している。書物においては、明確に統一されているが、電子情報においても「メタデータ」が統一されていなければ、分類しようがない。国会図書館でも「メタデータ」の研究は5年ほど前からしているようだ。図書館員のページにこうある。
当館は、平成14年11月に「ネットワーク系電子出版物の書誌調整」をテーマに、第3回書誌調整連絡会議を開催し、同会議では「メタデータ作成のルール作り」等の課題が提起された。また、本年(平成16年)、電子図書館サービスの基盤となる「国立国会図書館電子図書館中期計画2004」を策定した。ここでは「デジタル・アーカイブの構築にあたって、アクセスや保存のためのメタデータ付与を行う」ことを掲げている。

 電子図書館サービスの実現には、日々進歩する情報技術をふまえた、情報資源の蓄積・保存・提供に関する継続的な調査研究や、メタデータを収集し、それを効率的に利用するためのメタデータ仕様の共通化とその普及を推進すること等が必要である。これらのうち、「仕様の共通化と普及促進」が「メタデータに関する書誌調整」であり、インターネット上の情報資源を円滑に流通させる上で、その重要度はますます大きくなってきている。

 インターネットによる文化の進歩は、ますます早まり、情報は増大するばかりである。情報を発信するほうも、情報を集めるほうも一瞬も気が抜けない時代になりつつある。
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