夢幻∞大のドリーミングメディア

素人だから言えることもある

iPhoneやDSが暗示するタッチメディアの可能性

テレビに比べ、パソコンがもうひとつ売れないのは、キーボードの問題である。キーボードさえなければ、もっと感覚的に動かせるのに。そう思った人も多いだろう。だが、テレビもハイビジョンになり、地上デジタルだの、プラズマだの、BSだの、HDMIだのわけのわからない言葉のオンパレードである。任天堂DSやWiiが売れたのは、コントローラーやキーボードを操作する感覚でなく、直接自分で手触りできるという感覚が受けたのだろう。これは、タッチスクリーンやタッチディスプレイなどのタッチメディアがこれから大流行するのではないだろうか。

例えば、CNET Japanの「iPhone」のクールな機能--テレビコマーシャルで明らかに

確かに、タッチインターフェースはかなり使い勝手がよさそうだ。特にアルバムや写真をスクロールするときのスクリーンの動きは滑らかで気に入っている。
もちろん、キーボードほど使い勝手が良いとは思わない。だが、それは携帯電話に慣れた年代の層。むしろ、あの親指でチャカチャカメールを打っている姿に恐れをなしていた層に受けるのではないだろうか。

また、マイクロソフトは「Microsoft Surface」なるものを発表した。これはCNET Japanで「これが未来のテーブルか?--MS、テーブル型PC「Microsoft Surface」を公開」という記事になっている。

Microsoftは米国時間5月29日、製作に5年を費やし、ハードウェアとソフトウェアの両方を自社で開発した「Microsoft Surface」(開発コード名:「Milan」)の全貌を明らかにした。Surfaceでは、テーブル型のマシンの天板にPCの画面が投影され、マウスやキーボードを用いることなく操作できる。指先で軽く触れるだけで何でもでき、SFスリラー映画「マイノリティ・リポート」に登場した技術の一端を垣間見せてくれるマシンだ。同社では、これが未来の「サーフェスコンピュータ」の第1号になると期待を寄せている。
実は、これをさかのぼる半年前、つまり今年の初め、ギズモードジャパンでタッチスクリーンで映画「マイノリティ・リポート」は現実になるという記事があった。これはテーブルではなく、スクリーンである。
開発したのはニューヨーク大学クーラント数理科学研究所のジェフ・ハン研究員。

タッチ、ジェスチャー、それに圧力の程度まで読み分けてくれるUIで、まるで机の上に写真を引っくり返していじってるのと変わりません。ツリーの展開は指の動く通り枝がニョキニョキ生えてくようだし、3Dの球体や顔面も粘土いじりみたいに形を変えます。

このジェフ・ハン研究員についてはLong Tall Worldで「ジェフ・ハン氏のマルチ・タッチ・インターフェイスがすごい」に記事が載っている。
iPhoneをハン氏はどう見てる?
ところでMacWorldでiPhoneマルチタッチが発表になったとき、みんなが真っ先に思い浮かべたのがハン氏だ。NYタイムズのデイビッド・ポーグ記者もその一人。で、ジョブズ氏にそのことを聞いているんだよねー。彼のブログNYT-Bitsにこの時の話を書いてる。

ポ記者「マルチタッチのスクリーンならジェフリー・ハンという人が2005年8月辺りから大きいのデモってます。彼の作品はご存知ですか?」

ジョCEO「うちは2年半前からやってるんだよ」

実際、アップルのマルチタッチの特許出願はハン氏のデモの1年前、2004年5月6日に遡る。2005年にはマルチタッチ分野のリーディングカンパニーFingerWorksを買収しており、OS Xに導入の噂も。

「アップルはiPhoneにハン氏を雇おうとして失敗した」という情報の真偽をTED主催者が質したところ、ハン氏は

iPhoneは本当にすごいです。この技術をコンシューマ市場に展開できる企業があるとすればアップルだと、それは僕が常日ごろ言ってきたことだし。もうちょっと大きかったら両手使えるんですけど」

という前向きな答えだった。

時代は、タッチメディアに向かっている。それは確かなようだ。


ブログパーツ