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素人だから言えることもある

堀江社長と折口会長がダークサイドに堕ちた理由

IT Mediaにこんな記事があった。

 グッドウィル会長とホリエモンの共通項

 ITベンチャーが金科玉条とする理論は「収穫逓増の法則」。IT革命を主導したニューエコノミー経済学の骨格をなすもので、最初に最大のシェアを奪った企業だけが生き残るという理論だ。まずシェアを確保するのが先決で、圧倒的シェアを握りさえすれば、赤字は取り戻せると考える。

(中略)

 「最大のシェアを奪うには、何でも許されるとなりがち。シェアをとるためには、赤字でもかまわないし、不正にも目をつむる。シェア至上主義が悪い形で出てきたのがコムスン。折口氏の責任は重い」(当局関係者)

 折口氏にとって介護事業といえど、ビジネスのひとつであり、そこに人間と人間の深い信頼が必要なことに目がいっていなかった。とにかく、シェアをとることこそが第一であるという思いがあったのだろう。あくまでも会長の地位に居座るのは、折口氏はなぜ自分の責任が問われるのかわからないという思いに違いない。そこに、堀江氏の気持ちと同様の思いが見えている。

 これもまた、シェアに執着することで、自分の地位は絶対であり、ほかの敵対するものは全て敵であり、切って捨てなくてはならないという境遇(つまり、これこそがダークサイド)に追い詰められている。ダークサイドに堕ちるとどうなるか、まず、自分の世界に固執する。本来なら、もっと幅広く冷静に観察するべきなのに、自分の感情に左右されて周りが見えない。特に、ワンマン社長の場合、誰もそれを指摘する人間がいないので簡単にダークサイドに堕ちる。折口氏に会長退任を考えたことがないのは、彼の心がダークサイドに堕ち、一人ダークサイドの神になってしまったことである。また、堀江社長の場合も、マスコミは時代の寵児扱いだった。そのため、彼は何でもできるというダークサイドの神になってしまった。

 再び「ダークサイドに堕ちているのはグーグルか、マイクロソフトか」よりジョージ・ルーカスの言葉を引用する。

 アナキンが抱えている問題の根源は、執着を捨てられないことにある。諦めをつけ、自分の人生を歩むべきことに気がつかない。厭だからというだけで、太陽が昇るのを止めることはできないのだ。しかし、アナキンは執着することでさらなる力を追求し、ついには宇宙を支配できると考えるところにまで行き着いてしまう。それこそが彼の真の転落であり、悪になるということでもある。そしてその結果、彼はすべてを失ってしまうのだ。(ジョージ・ルーカススター・ウォーズエピソードⅢシスの復讐」プログラムより)
 ダークサイドに堕ちれば自分が神になる。聖書の言葉に「復讐するは我にあり」という言葉がある。この我とは『神』のことである。つまり、人間は復讐することを神にゆだねなければならないのだ。

 僕は「敵とは誰だったのか」 と言う文章を書いたことがあり、その中でで「イラク戦争」にからめてこの言葉を考えたことがある。

「復讐(ふくしゅう)するのは神であって、人がやってはいけないと、聖書には書いてありますね」。そう尋ねてみた。

「聖書は『目には目を』とも言っているだろう」と首を振った後、オルソン氏の口調は熱を帯びた。「すべての人と平和に暮らすことができれば幸せだ。だが現実には、神から授かった子どもたちが傷つけられている。何もしなくていいのか。それは、復讐ではなく正義なのだ」
(2003年5月3日朝日新聞be「ことばの旅人」社会部・森北喜久馬)

 すべてがそうである。正義をなすために復讐をする。でもその瞬間はダークサイドの神になってしまうことなのだ。だが、その神は相手を許すことができない。許すことこそがダークサイドから脱する唯一の方法なのに。
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