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ネットは犯罪の温床? 韓国のインターネット実名制が意味するもの

 韓国では、6月28日から「インターネット実名制」が導入される。

 悪質な書き込みの抑止力となるか、インターネット実名制を導入

 「インターネット実名制」とも呼ばれるこの制度のもと、大手インターネット企業は、ユーザIDの記録を強いられることになる。

 さらにサイト管理者は、悪質な誹謗中傷が投稿され、名誉毀損やプライバシー侵害行為などの被害を訴えたい者がいる場合は、攻撃を行った人物の名前や住所などの個人情報を公開することも強制される。

 記事にコメント、是か非かにCNET Japanの報道した「ポータルはメディアか?!悪質書き込み放置事件で議論沸騰」という事件をとりあげたように、韓国では日本より熱い国民性があるようだ。

 CNET Japanのブロガーでもあるジャーナリストの佐々木俊尚氏の言葉があった。

報道の差異から見えてくるのは、両国の文化の差異だけではない。新聞やテレビなどのメディアにおける「インターネット」の存在感の違いも背景にあるように見える。日本におけるインターネットとそこで形成される世論が、あくまで「メインストリートから遠く離れた一風変わった世界のできごと」として扱われているのに対し、韓国ではネット社会がほぼストレートに現実社会とつながっている。
 そこで、インターネットマガジン2004年4月号を読んでみる。佐々木氏のリポートのタイトルは「竹島問題で2チャンネルに攻撃?日韓でサイバーテロが勃発?の真実」。

話はこうだ。韓国の郵政事業本部で2004年1月16日に日韓両国の間で領有権を争われている「竹島」、韓国では「独(トク)島」切手を発行することがきっかけで日本の2ちゃんねると韓国のネチズン(Network Citizen)の間でインターネット上の敵対的書き込み戦が起こった。さらに、お互いのより過激なサイトに攻撃も行われた。F5キーを乱打することで、リロードがそのサイトのサーバーがダウンするまで続けられる。日本側よりも韓国側の攻撃が熾烈だったという。そこに日本と韓国側のインターネットに対する立場の違いが見て取れるというのが佐々木氏の先ほどの記事である。

 メディアの取り上げ方も韓国側が完全に戦争報道なのに対して、日本側は比較的穏やかだったという。2ちゃんねるの管理人ひろゆき氏のコメントが載っていた。

 2ちゃんねるユーザーと韓国のネチズンたちの行動があまりにも異なっているが、これは2ちゃんねるの方がシニカルな面が強いからだろう。2ちゃんねるには一生懸命がんばっている人を馬鹿にしてしまう文化がある。正論が通らない。そもそも2ちゃんねるにいることはとても恥ずかしくて、その狭い世界の中で英雄視されることは現実世界ではとても恥ずかしいことなんだ、そう皆が思っている。

 ネットの世界で一生懸命盛り上げることが英雄視される韓国とは、あまりにも価値観が違いすぎるということではないだろうか。

NIKKEI NETでも<韓国リポート>を掲載しているジャーナリストの趙章恩さんの言葉によると
 こうしたサイバー攻撃は韓国ではすでに珍しくもなんともない。企業も個人も「インターネットに書き込まれるのが一番怖い」と言うほど、ネットは有効な抗議の場になっている。
 そして、韓国ではそのネット攻撃の被害でタレントの自殺が相次いでいるという。同じジャーナリストの趙章恩さんの韓国人気歌手ユニの自殺とインターネット実名制【コラム】
 驚くのは、このような悪質な書き込みが完全な匿名ではなく行われているということだ。韓国ではポータルサイトもコミュニティーもニュースサイトも、住民登録番号と氏名を照会して実名で会員登録し、ログインしないと何も書き込めない仕組みを導入しているが、それでも堂々と、人間とは思えないことを書き続ける人がいる。
 はたして、制度を変えたからといって、このような攻撃がなくなるとは思えない。むしろ、日常社会のモラルの低下と共通の問題が表れているようにみえる。「インターネットに棲む人の病」にある「・残虐性のある行為に関する感覚の麻痺・人を傷つける(心身ともに)ことに関する感覚の麻痺」がお互いの国を疲弊させているように思えてならない。
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