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素人だから言えることもある

技術の進歩は人間を幸せにしたか

 技術の進歩はすばらしい。かつて年賀状は、町の印刷屋に頼むのが普通だった。パソコンが登場して、人々は、自宅で簡単にプリントした。今では、メールを使い、郵便局すら使わない。

 大型機械ですらそうだ。どんなに素人でもマニュアルさえあれば、誰でも使えるようになっている。おかげで、職人技が必要なくなった。当然、労賃も素人並み。その機械を知っているのはメンテをする人だけ。

 コンビニで有名ラーメン店のインスタントラーメンが売れている。もちろん、その有名店は特許料でうはうは。しかし、無名のラーメン職人たちは、それを目指してがんばる。なんか目的が違っていないか。

 「お尻だって洗ってほしい」で売れたトイレ。今は、「トイレがトイレを洗うーの」だって。きっと次は、「お尻だってふいてほしい」ってことになる。そのうち、自分のお尻の拭き方 ( 技術 ) を忘れてしまうに違いない。

 機械だってそうだ。メンテをする人間はできるだけ少ないほうがいい。誰かが言い出した。「メンテのいらない機械を出せば売れる。そして、その機械は、壊れるまで使われ、壊れれば新しい機械を買ってくれる。」そう、その機械は素人でも扱えるブラックボックスになったのだ。誰もその中を見たことがない。

 そこに何かが欠けている。素人がプロになりたいという希望が。素人がプロになるための教育が。そして人間と人間のコミュニケーションが。

 古い職業は廃れ、プロで飯を食っている人が、再び素人になる。それはそれでいい。だが、少なくとも今までの経験が役立つ部分がなければ、人間としての喜びがなくなってしまう。時代に翻弄され、疲れるだけでそれでいいのか。何か、その方策を示してほしい。


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