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素人だから言えることもある

働くも地獄、辞めるも地獄(さまよえる日本人論(6))

ワーキングプア

 坂本多聞さんのブログ「ワーキングプア対策に「労働補助金」を」でNHKで放送されたのは知っていたのだが、昨日(12/18)に再放送され、見ることができた。内容に関しては、NHKスペシャル「ワーキングプアIII 解決への道」の感想に詳しくまとめて合ったので、そちらを見ていただくことにして、「ケータイホームレス・さまよえる日本人(5)」で語った、
 このまま、単純に日本に持ち込んでも、現状を回復できるとは思えない。おそらく、ワークシェアした部分を中国にもっていかれる可能性もないわけではあるまい。

がすでに現実のものになっていることだ。たとえば、韓国の法律で「非正規保護法」が制定される直前に、大量首切りされたり、アメリカではIT業界がごっそりインド人にアウトソーシングされたりしている。このままいけば、日本の企業はより法人税や人件費抑制のために海外に移っていかざるをえない。先進国は、世界を相手に戦うためには、物価が高すぎるのである。一人ひとりが会社に入ったから勝ち組とか、入れなかったから負け組みという段階ではない。もうすでに台風は吹き荒れているのだ。生き残りの方法を国家的規模で考えていかなくてはならないのである。

 しかし、不思議なことである。先進国が自分たちの企業を生かすために、自分の国民を裏切っている。国民の労働力によって得た賃金で内需を拡大し、国を潤わせているはずなのに。本来、先進国の技術は、発展途上国よりも高い技術力であるために、発展途上国は追いつかないはずであった。ところが、発展途上国の安い賃金を目的に世界中に工場を作った。そこで、コストカットを達成して世界一の企業になっていった。そのため、技術は周りの発展途上国は安い賃金と先進国の技術を武器に、国内の世界企業を脅かすまでに成長した。

夢を食っては生きていけない。夢を持たなくては生きている意味もない。

 実は、この日、半年働いた、アルバイトをやめた。体力的にきつく、先行きに不安を感じたためであった。上司に「考えが甘い」といわれた。確かに甘いのだろう。これから、職を得る可能性も少ないかもしれない。しかし、夢を捨ててまで、仕事に命をかけたくもない。

 しかし、なんか間違っていないか。本来は人と人をつなぐのが会社であり、日本ほど家族的な会社はなかったはすだ。それが一人ひとりは分断され、コミュニケーションすらない。そういえば、この会社も半年前と状況が変わり、仕事が減っているという。おそらく、日本中の企業が同じようになっていくのだろう。何とか、収入を得ている企業は、会社のありとあらゆる部分を中国やインドにアウトソーシングしていくことで、命脈を保っていくことになるだろう。(参考エントリー個人情報が輸出される「フラット化する世界」)

必要なのは社会的つながり

 それでも私たちは、生きていかなければならない。働く喜びは、誰からも強制されず、自分の能力が人に感謝されたときに生まれるものだ。一人ひとりを分断すれば、経済的ロスは膨大になる。自分が誰かの役に立っているという喜びは、その経済的ロスを解消する。すべてを市場原理主義であっては、そこに人間を見ていないのと同じだ。そこに人間を見なければ、労働者も消費者も存在できない。やがては、国内から企業が消えていくことになろう。
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