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素人だから言えることもある

北京オリンピック、日本のテレビを独占する

 終戦63年目の終戦(敗戦)記念日。テレビ各局は、北京オリンピックに乗っ取られた。

 NHKの総合テレビ、教育テレビ、BS-1、BSハイビジョン、日本テレビ、フジテレビ、TBS…、民放各局は有名人をキャスターとして北京特派員を送るが、流される映像はNHK BSと同じ映像。結局、北京にスタジオを借りただけだったり、キャスターの応援を撮ったり。長時間だけど、別に北京にまで行って撮る必要もないものばかり。まあ、ずいぶん、予算はかかっていない。間に流すドキュメントでも、なにしろメダル候補が一人だった場合、同じようなものばかり。それでも、普通に流す予算のかかったバラエティより、面白い。もっとも、間のあいた時間に、同じシーンの繰り返しを何度も流すのは勘弁してもらいたい。特に負けたシーンは。

 さて、オリンピックは最大の商機。スポンサーである家電メーカーも薄型テレビを売るために、テレビ局も地デジの普及のためにも。たとえば、松下(10月よりパナソニック)は、

松下、北京オリンピックに過去最大の機器納入

 オリンピックの公式スポンサー企業である松下電器産業は、北京五輪に映像・音響機器を 過去最大規模で納入すると発表した。五輪史上初めてすべての国際映像信号がハイビジョン(HD)規格(1080/50i)で制作・配信されることに対応した機器をそろえ、技術・製品のブランド価値向上を狙う。公式スポンサーの五輪マーク使用権を活用した マーケティングも世界規模で展開する。


 TOPスポンサーは五輪のマークやマスコットを使用することができ、機器などの商品の納入交渉権を持つ。納入する機器は、大会会場に設置するスクリーンや音響・放送機器などで、数量・金額ベースともに過去最大規模。北京他7都市にまたがる全37カ所のオリンピック競技会場には、アテネオリンピックの約1.7倍規模となる過去最大の同社製放送機器の納入が予定されている。

ところで、松下(10月よりパナソニック)が、オリンピックの公式スポンサー企業であることはあまり知られていない。オリンピックのトリビアでは、
アテネオリンピックで日本唯一の「国際オリンピック委員会IOC)公式パートナー」ブランドだったのは?

答:松下電器パナソニック

国際オリンピック委員会IOC)公式パートナー」のことを「TOP」(The Olympic Partner)と呼ぶようですが、松下電器パナソニック」は、日本唯一の「TOP」企業。2004年アテネ大会だけでなく、「TOP I」(1988年カルガリー大会)から「TOP VI」(2008年北京大会)まで国際オリンピック委員会IOC)を支え続ける唯一の企業とのこと。

ところで、なぜ唯一の日本企業かといえば、この2005-2008年の一覧を見てみればわかる。
2005-2008 TOP VI(北京オリンピック等)

1.coca cola(清涼飲料)
チア・ガールで露出効果、コカ・コーラの五輪作戦

コカ・コーラがCM放映「スカッとさわやか五輪大会

2.atos origin(IT)
アトスオリジン日本語サイト

3.ge(ジェネラルエレクトリック各社の製品・サービス)
北京五輪ビジネス合戦、金メダルは米GE

4.kodak(写真)
コダック、北京オリンピックで報道カメラマンをサポート

5.lenovo(IT機器)
聯想:北京五輪公式デスクトップPCを発表 聯想:北京五輪に電子機器3547台を追加提供

6.manulife(保険)
マニュライフ・ファイナンシャルは、北京オリンピックのワールドワイドパートナーです。

7.mcdonald's(飲食サービス)
マクドナルドなど五輪スポンサーが合同キャンペーン

中国マクドナルド、五輪制服センターが開業—北京

8.omega(時計)
オメガ北京オリンピック・コレクションに、コンステレーション限定エディションが登場

オメガオリンピックエキシビジョン

9.panasonic(AV機器)
松下、北京オリンピックに過去最大の機器納入

松下:北京五輪会場に、監視・防犯カメラシステム納入

松下:五輪組織委が有線DHTV受信装置を公式採用

10.samsung(無線通信機器)
北京五輪:スポンサーのサムスン、聖火ランナー発表

 11.visa(クレジット)
北京五輪:競技場周辺のATMはVISAカードのみ

中銀VISA五輪カード、100万枚目で入場券ゲット

これらのスポンサー企業は、それぞれ、公式スポンサーとなり、そのチャンスを最大限に活用してきた。
スポンサー企業、熱心な公益事業を展開


 北京オリンピックは世界トップ企業からの協賛を受けている。これらの企業はオリンピックという世界が関心を寄せているビジネスチャンスを生かして販売活動を行うとともに、中国の社会公益活動にも頻繁に参加している。

  韓国サムスン電子は2005年以降、中国の貧困地区に45校の「希望小学校」を建設・開校し、2000人余りの優秀な中国人学生を奨励している。

  また、聯想集団(レノボ)は800以上の街でオリンピック大講堂のイベントを700回行ったほか、これらの地区の学校にパソコン数千台を提供している。さらにコカ・コーラ社は2004年、中国の農村部から貧困家庭の若者1400人余りを選出して技術訓練を行い、素晴らしい労働者を育成した。

 このことについてIOC・国際オリンピック委員会のロゲ会長は「北京五輪のスポンサー企業は公益活動に参加し、オリンピック精神の普及のために努力してきた」と評価しているという。

 オリンピックイベントは世界の祭りであると同時に、最も金が動くチャンスでもある。世界中にわたるスポンサーを抜きにして、テレビ局として力を注がぬわけがない。ひょっとして、中国が8月にオリンピックを開くことをわざわざ狙ったのは何か理由があるのではないか。たとえば、8月15日は、いつも政府関係者の靖国神社訪問が話題になる。8月8日に開会式を開けば、15日は、ちょうど真っ最中で国民はオリンピックに夢中になってそれどころじゃない。もちろん、中国国民だけじゃなくて、日本国民も。そして、そこで中国の力強さを知らせるのだ。幻想のナショナリズムでなくて、現実のナショナリズムを。そこで、私たち日本国民は中国の強さをまざまざと知ることになった。
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