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素人だから言えることもある

デジタル・ネイティブたちの未来

 NHKスペシャルデジタルネイティブ〜次代を変える若者たち〜」(予告)を見た。解説によると

子どものころから、インターネットを「水」や「空気」のように使いこなしてきた「デジタルネイティブ」とも言うべき若者たちが登場している。「13歳でイ ンターネットを駆使して起業し全米中の注目を集める少年」「ネット上に200カ国の若者が参加する”国際機関”を作り出した若者」「仮想空間で仕事を請け負って月に5000ドルを稼ぐ高校生」・・・。デジタルネイティブは、「自ら情報を発信し共有することで成立するネット・コミュニティ」を自由自在に使い、見ず知らずの人々と瞬時につながって、次々と常識に縛られない「価値」を生み出している。アメリカでは、既存の価値観や従来の組織のあり方に捕らわれ ない彼らの考え方や行動力が社会をどこに導くのか、詳細な研究も始まっている。
 彼らは、国境や言語の縛りがないので、今までの企業や組織のイメージから大きくかけ離れている。

 このデジタル・ネイティブという定義を生み出したのは、米ガートナー リサーチ部門最高責任者のピーター・ソンダーガード氏だという。

16歳以下の子供たちのことを、ITを慣れ親しんだ『デジタル・ネイティブ』と定義。今、この会場にいる聴講者たち、ITについて勉強しようと努力している人たちを『デジタル・イミグレイト』と定義する。少し意地悪かもしれませんが」と、ソンダーガード氏は新時代の人類を定義した。

 「ITがコンシューマ化していくにつれ、デジタル・ネイティブたちは、SAPやオラクルがどのように機能するかを気にしない。今やコンピュータは様々なところに存在している。携帯電話に限って言えば、今後5年間で40億台が増えて、全世界で50億台まで増える。それまでに、1企業が10億以上の消 費者と対応できるだけのシステムを用意しなければならない」と、ソンダーガード氏は訴えかける。

 現在はまだ個人に向けたシステムはまだまだパワー不足だとソンダーガード氏は話す。「現在のシステムは、個人がソーシャル・ネットワークの中で振舞う行動を反映できていない。コンシューマが何を求めて、何を重要視するのかを注目しなければ、我々は方向を見誤る。50億の携帯デバイスが入り込んだ上で、音声、映像、コラボレーションなどの情報が行き交う、直感的なシステムが必要だ」(IT Pro「デジタル・ネイティブを意識したIT戦略が急務に」、米ガートナー リサーチ部門最高責任者のピーター・ソンダーガード氏)

 これは2006年の記事だが、2007年の記事では、今度は同じ米ガードナーのアンソニー・ブラッドリー氏の言葉があった。
 デジタルネイティブ——子供のころからインタラクティブなインターネットツールを使ってきた世代——がエンタープライズソーシャルソフト市場の成長を促進し、2011年までの売上高の年間伸び率は41.7%に上るだろう。米Gartnerのアナリストが9月19日、ラスベガスで開催のWeb Innovationsで語った。

 こうしたデジタルネイティブが大人になると、ブログ、wiki、マッシュアップRSSフィードなど、企業環境でもっと自由に共同作業ができる Web2.0ソーシャルネットワーキングツールとともに会社に入ってくると、Gartnerのアナリスト、アンソニー・ブラッドリー氏は言う。

 「彼らは、仲間との交流の方法やそのためのツールへの期待を抱えて会社に入ってくる。そして、人間関係の構築や作業に利用してきたWeb2.0ツールがない組織に入ってしまったことにひどくがっかりするだろう」(同氏)

 従って、デジタルネイティブはGartnerが言うところの「エンタープライズ2.0」の先導役になるだろう。エンタープライズ2.0とは、ユーザーがリッチインターネットアプリケーション、ソーシャルソフト、Webプラットフォームを活用して作業を行う環境のことだ。(It media「デジタルネイティブ」が導くエンタープライズ2.0)

ところで、NHKのサイトで「デジタルネイティブ度チェック」というのがあった。
デジタルネイティブ度チェック>

1.インターネットで知り合いになって、会ったことがある人が5人以上いる。

2.朝起きると、最初にするのはメールをチェックすることだ。

3.出かけたり、買い物したり、何か行動する場合は、まずネットで検索する。

4.デジカメなどで撮影した写真は、写真共有サイトにアップロードしている。

5.ネットで買い物をするときに、クレジットカード番号を入力することにまったく抵抗がない。

6.音楽は、ネットで購入したり、入手することが当たり前になっている。

7.定期的にチェックするブログが、5つ以上ある。

8.ブログにコメントを付けたことがある。

9.自分のブログをもっていて、定期的に更新したり、トラックバックを張ったりしている。

10.mixifacebookなどのSNSに複数参加している。

11.SNSでは自らコミュニティを主宰している。

12.ウィキペディアの編集をしたことがある。

13.インスタントメッセージで友人と日常的にチャットする。

14.携帯電話は会話するよりも、メールすることのほうが圧倒的に多い。

15.面白い動画やサイトを、友人にメールなどで知らせることが楽しい。

16.友人、知り合いに電話番号を教えるときは、携帯番号の赤外線通信で行う。

17.ネットでニュースをフォローしているので、紙の新聞は読まない。

18.テレビはいったん、ハードディスクレコーダーに録画してから見るのが基本だ。

19.学校(小・中・高)ではパソコンの授業があった。

20.今の彼女(彼氏)はネットで知りあった。

 かつてテレビが生まれたときからあった世代と同じように、インターネットが生まれたときからある世代になりつつある。当然ながら、彼らの未来は、現代社会の様相が全く変わりつつある時代になるのだ。インターネットや世界中の友人を通して得た知識を今までの企業の延長では決して得られない全く新しい文明が登場する。ガートナーのアナリスト・トム・オースチン氏は、
2012年までに個人中心のコンピューティングが一般化する見込みだという。「ユーザーの縦糸と企業の横糸が交わって織りなす生地が出来上がるだろう。ITは日常生活という生地の一部になり、2020年までにほとんど意識されなくなるだろう」(企業のIT革命をリードする「デジタルネイティブ」世代)
 今までの企業中心のビジネスから個人の発想とネットワークの時代に変わりつつあるのかもしれない。それは同時に、アルビン・トフラー「富の未来」のプロシューマーの登場をさしている。まさに「知識社会」の到来である。
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