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素人だから言えることもある

テレビが壊れた

WEGAの由来

 7月19日、テレビが壊れた。ソニーのWEGAのプラズマテレビ。症状をソニーに訴えたところ、冷却ファンの故障だという。何でも3万5千円かかるという。思えば、このテレビとの関係は、7〜8年になる。このエントリーは、僕にとって、WEGAへの追悼のエントリーである。

 WEGAといえば、どうしても平面ブラウン管のイメージがあるが、プラズマテレビもあった。もっとも、WEGAが大ヒットしたおかげで、薄型テレビに移行するタイミングを失い、32インチまでのパネルは日立のアリスパネル、それ以上のプラズマテレビのパネルは、NECから調達していた。さて、マニュアルの日付を見れば、2001年とある。僕は、おそらく2001年から2002年のころ、インターネットのオークションで新古品のWEGAのプラズマテレビを25万円で手に入れた。そのころは、40万円の32インチのプラズマがごろごろしていたころだ。現在では、32インチの薄型テレビは、10万円以下で買えるのだから、この10年近くの間に、価格は4分の1になったことになる。

 さて、このWEGAのネーミングの由来について、ネットで探ると

WEGA(SONY) テレビ。七夕で有名な琴座の「織女星」の意味。平面ブラウン管の持つ「織姫が織り成す布のように、まっすぐで美しい縦と横のライン」をイメージして命名。ちなみに、WEGAはドイツ語。英語表記ではVEGA。ロゴ作成時にデザイン面を考慮したことなどにより、ドイツ語を採用することとなったそうです。(「Re:『なっちゃん』はなぜ『なっちゃん』か〜企業回答篇〜」)

WEGAと名の付いた薄型テレビの4年間

 さて、今度は、WEGAの薄型テレビの歴史を調べてみる。

 2001年のプレスリリースによると、9月26日に「TVチューナー等とパネル部の一体化で、手軽な設置の実現と省スペース性を向上 32V・42V型フラットパネルワイドテレビ“プラズマ<ベガ>”2機種 発売」という発表があり、12月10日に発売されている。
 その1ヶ月前の8月23日に「超高精細平面ブラウン管や「メモリースティック」スロットを搭載。様々なデジタルソースを高画質に再現するBSデジタルハイビジョンテレビ3機種発売」とあり、完全なブラウン管だ。10月に発売される、この型は、28型で57.9kg、32型で76.2kg、36型で97.2kgもある。つまり、2001年12月より、ソニーは薄型テレビ<ベガ>の発売を始めたのである。

 そこでこれを表にしてみる。薄型テレビの歴史は、消費電力と重さの歴史でもある。ブラウン管テレビが大型になれば100キロ近くなるのに対して、ごく最近の32インチのテレビは、10キロを切っている。僕は、ソニーのプレスリリースから、発表されたWEGAという名のつけられた薄型テレビ(プラズマ、液晶、プロジェクションテレビを4年間にわたって並べることにした。)

プレスリリース 種類 型番 消費電力 ディスプレイの質量 発売日の順

2001年9月 プラズマ KZ-32TS1 270W 25.5kg 12月10日
2001年9月 プラズマ KZ-42TS1 360W 37.0kg 12月20日

2002年1月 プロジェクション KDF-60HD800 228W 65.4kg 2月5日
2002年1月 プロジェクション KDF-50HD800 228W 51.3kg 3月10日
2002年1月 プロジェクション KF-42DX800 214W 36.4kg 2月5日
(なお、4月にブラウン管タイプのベガ28・32・36型が発表されている)
2002年4月 液晶 KLV-17HR1 50W 4.9kg 6月1日
2002年4月 液晶 KLV-15SR1 45W 4.5kg 6月1日
(なお、7月に業務用プラズマテレビ50型と42型が発表されている。ベガの名は付いていない)
2002年8月 液晶 KLV-23HR1 94W 7.5kg 10月1日
2002年8月 プラズマ KDE-P50HX1 540W 53.0kg 10月20日
2002年8月 プラズマ KDE-P42HX1 460W 39.0kg 11月1日
2002年8月 プロジェクション KDF-60HD900 220W 60.0kg 11月25日
2002年8月 プロジェクション KDF-50HD900 220W 47.5kg 11月15日
2002年8月 プロジェクション KDF-42HD900 220W 39.0kg 10月10日
2002年8月 液晶 KDL−L30HX1 150W 20kg 11月20日
(ここでも、ブラウン管タイプのベガ28・32・36型(9月20日発売)が発表されている)

2003年3月 液晶 KLV-23HR2 98W 10.0kg 5月1日
2003年3月 液晶 KLV-21SR2 98W 9.4kg 5月1日
2003年3月 液晶 KLV-17HR2 64W 5.1kg 6月1日
2003年3月 液晶 KLV-15SR2 57W 4.4kg 6月1日
2003年3月 液晶 KLV-17WS1 60W 5.1kg 5月10日
2003年3月 液晶 KLV-15WS1 54W 4.5kg 6月1日
(なお、最後の2機種はワイヤレスタイプのWがついている)
(2003年4月にアイワから液晶2機種が発表されているが、当然ながらこれはベガではない)
2003年8月 プラズマ KDE-P61HX2N 735W 71.0kg 11月20日
2003年8月 プラズマ KDE-P61HX2 735W 71.0kg 10月20日
(両機種の違いはNつまりネットワークメディア機能搭載かどうかの違いである。以下同じ)
2003年8月 プラズマ KDE-P50HX2N 493W 53.0kg 11月20日
2003年8月 プラズマ KDE-P50HX2 493W 53.0kg 10月20日
2003年8月 プラズマ KDE-P42HX2N 410W 39.0kg 11月20日
2003年8月 プラズマ KDE-P42HX2 410W 39.0kg 10月20日
(次からはチューナー一体型である)
2003年8月 プラズマ KDE-P42HV2 387W 39.0kg 10月10日
2003年8月 プラズマ KDE-P37HV2 344W 35.0kg 10月10日
2003年8月 プラズマ KDE-P32HV2 277W 29.0kg 10月10日
2003年8月 液晶 KDL-L42HX2 240W 30.0kg 11月20日
2003年8月 液晶 KDL-L32HX2 150W 21.0kg 10月20日
2003年8月 液晶 KDL-L28HX2 115W 17.5kg 11月1日
(ここでも、ブラウン管タイプのベガ28・32・36型(9月20日発売)が発表されている)

2004年2月 液晶 KDL-L32RX2 195W 22.5 kg 4月1日
2004年2月 液晶 KDL-L26RX2 130W 17.6 kg 4月1日
2004年2月 液晶 KLV-20SP2 70W 7.5 kg 4月1日
2004年2月 液晶 KLV-14SP2 60W 3.3kg 4月1日
2004年2月 液晶 KLV-20AP2 67W 7.4 kg 4月20日
2004年2月 液晶 KLV-14AP2 55W 3.2kg 4月20日
(20SP2/14SP2にはBSアナログチューナーを搭載)
2004年4月 プラズマ KDE-P55HX2 495W 62.0kg 5月10日
2004年4月 プラズマ KE-P37TC2 314W 33.0kg 5月10日
2004年4月 プラズマ KE-P32TC2 247W 27.5kg 5月20日
2004年8月 液晶 KLV-20WS2 70W 7.8 kg 9月20日
2004年8月 プラズマ KDE-P50HVX 474W 54.0kg 9月20日
2004年8月 プラズマ KDE-P42HVX 420W 42.0kg 9月20日
2004年8月 プラズマ KDE-P37HVX 380W 36.0kg 9月20日
2004年8月 液晶 KDL-L40HVX 290W 29.0kg 9月20日
2004年8月 液晶 KDL-L32HVX 205W 23.0kg 9月20日
2004年8月 液晶 KDL-L26HVX 158W 19.0kg 9月20日

2005年1月 液晶 KDL-S32A10 150W 16kg 2月22日
2005年1月 液晶 KDL-S26A10 125W 12.5kg 2月22日
2005年1月 液晶 KDL-S23A10 100W 9.1kg 2月22日
2005年1月 液晶 KDL-S19A10 85W 6.7kg 2月22日
2005年4月 液晶 KLV-15SP2 53 W 3.6kg 5月25日
2005年4月 液晶 KLV-15AP2 48 W 3.6kg 5月25日
(KLV-15SP2はBSアナログチューナー搭載)

2005年9月、新ブランドBRAVIA発表、ここにWEGAの薄型テレビの歴史にピリオドが打たれた。

液晶テレビは「WEGA」から「BRAVIA」に ソニーがブランド変更
ソニーは薄型テレビのブランドを「WEGA」(ベガ)から「BRAVIA」(ブラビア)に切り替える。今秋発売の液晶テレビから新ブランドを採用する。

 ソニーは薄型テレビのブランドを「WEGA」(ベガ)から「BRAVIA」(ブラビア)に切り替える。9月に発売する新製品から新ブランドを採用。WEGAはブラウン管テレビ向けブランドとして残す。(It media 2005/8/25)

 僕がネットオークションで手に入れたWEGAは、不思議にも、この表の冒頭の「KZ-32TS1」であった。この丸4年の間に、発表されたWEGAと名の付く薄型テレビは、プラズマ19機種、液晶29機種、プロジェクション6機種であり、総計54機種だけなのである。そしてその2倍の8年も動いてくれたWEGA に感謝をしなければなるまい。ソニータイマーという短命の星の元であっても、8年は十分に長い。しかも、WEGAの由来の織姫と彦星の七夕の七月に、壊れたというのも何かの縁に違いないと思うのである。
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