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日本テレビ「バンキシャ!」はこうして騙された

 7月30日に日本テレビ 『真相報道 バンキシャ!』の裏金虚偽報道についての、BPO放送倫理検証委員会による勧告が行われた。

自転車操業、現場は「手足」…バンキシャ!虚報を糾弾

 「いろいろ取材しているようだが、実際はほとんど一歩も根拠の収集に向かわなかった」。日本テレビ「バンキシャ!」の虚偽報道について、BPO検証委が30日に示した勧告は、安易な取材方法についてだけでなく、放送日程に追われる“自転車操業”の実態や取材者の責任感の欠如など、報道番組のありようを厳しく批判した。

 「1週間では十分な取材ができないテーマでも、何とかその週に放送することが求められていた」「放送日に合わせて無理やり取材を間に合わせる」…。勧告は、虚報の根本的な原因として、取材の過密スケジュールを挙げた。


 そこで、この勧告文をまとめたPDF(日本テレビ 『真相報道 バンキシャ!』裏金虚偽証言放送に関する勧告)から『真相報道 バンキシャ!』の報道の実態を探ってみる。特に、この中で?誤解を生んださまざまな要因がまとまっていたので、そこから引用する。


誤解を生んださまざまな要因(P22)


 放送界のほとんどあらゆる不祥事が、あとになって振り返ってみれば、自分(たち)でも唖然とするような小さな見過ごし、些細な判断ミス、ちょっとした無知、単純な思い込み等から始まっている。それらが積み重なったとき、番組はあっという間に色褪せ、壊れていき、番組そのものも放送局も放送界も、視聴者の信用を失っていく。(後略) (日本テレビ 『真相報道 バンキシャ!』裏金虚偽証言放送に関する勧告)

1.みずから抱いた疑問の放置……岐阜県ケース(P23)



 「本件放送に至る経緯」のなかでも指摘してきたように、本件放送の取材・制作の過程には、スタッフがここでもう少し慎重に取材・調査し、事実にこだわって検討していたら、放送することを思い止まったかもしれないと思われる事柄がいくつもある

 岐阜県ケースでは、情報提供者が裏金に関与しているとして提示・提供した証拠や資料が少なからず存在した。別の建設業者が裏金として振り出したという小切手のコピー、情報提供者の母親名義のネットバンク入出金記録、裏金口座のキャッシュカードと取引明細票、県土木事務所の職員配置表等である。

 しかし、小切手の文面からは裏金を作ったという業者が判明していたのに、何の取材もしなかった。せめてその業者の受注実績くらいは調べるべきだった。ちなみに岐阜県は、発注工事の詳細をホームページで公表している。

(中略)

 ヒアリングの席で、委員会委員、特別調査チーム調査員の一同が唖然とした場面がある。情報提供者が、裏金口座の届出住所が自宅になっていたことを知らなかったと驚き、県職員等が勝手にやったのだろう、と言っているというAディレクターの報告を聞いたときの幹部スタッフの反応である。前述のとおり、彼らは「そうか、彼も知らないのか」と思ったという。

 その口座は、情報提供者自身が作ったものである。彼の驚きは、なぜそのとき届けた住所がバレたのか、ということだったはずなのに、幹部スタッフは、これこそ本人に黙って勝手に裏金口座を作った県職員らの狡猾さの証拠ではないか、と解釈した。人が好いにも程がある、ということにあらためて気がついて、みなが驚いたのであった。 (日本テレビ 『真相報道 バンキシャ!』裏金虚偽証言放送に関する勧告)


2.一方的な情報収集……山口県ケース(P23)



 山口県ケースにも問題があった。

 情報を寄せた男性は「預け」によって作られた裏金で大型テレビやビデオデッキを購入し、県職員の自宅に届けたという。裏金の私的流用は公金の着服であり、山口県の規則では懲戒免職に当たる事案である。では、いったいそんなことをした職員は誰なのか。

 取材したBディレクターは、肝腎のその相手方の名前も住所も所属部署も聞き出そうとしていない。カメラをオフにしたあとの取材でも、聞いていない。再取材のため山口を訪れたAディレクターも、その人物を探し出そうとしなかった

(中略)

 スクープや調査報道、特に告発情報による報道には二重三重に事実を確認する、いわゆる裏取りが欠かせないという。だが、そんな教科書通りのことをいう以前に、いま手元にある事実についてだけでも、どこか不明・不審な点はないかと考え、疑問や疑念が浮かんだら、ひとつひとつを解明するまでこだわること、それが取材・調査の初歩であり、基本ではないだろうか。それこそ本来の番記者の鉄則であろう。本件放送の場合、その番記者の鉄則、取材・調査の初歩と基本が心得られていなかった。(日本テレビ 『真相報道 バンキシャ!』裏金虚偽証言放送に関する勧告)


3.テレビ的な「実物」誇示(P24)



  本件放送の冒頭、番組キャスターは1枚のキャッシュカードを手にして、「『バンキシャ』のスクープです」と切り出し、「ある自治体の裏金が入っている口座のキャッシュカードの実物です」と言っている。

 これこそ、テレビである。スタジオに実物を持ち込むと、とたんに画面がナマの感じになる。視聴者はスタジオと同じ空気を吸い、同じ時間のなかにいる気持ちになる。これは他のメディアが絶対に真似のできない芸当である。

 だが、本件放送の流れをたどってみると、このキャッシュカードには何の意味もないことに気づく。このあと情報提供者が、岐阜県の土木事務所のX職員が作った裏金口座に200万円を振り込んだ、云々の告発証言をするのだが、そこで説明されるのは、裏金の作り方や送金のカラクリなどであって、いくら目を凝らして見ていても、キャッシュカードの出番がない。

(中略)

 そもそも情報提供者が裏金口座のキャッシュカードを持っているのは何のためだったのか、その理由もよくわからない。岐阜県ケースは本件放送の一番の目玉だった。とはいえ、そこで1度も使われることのなかったキャッシュカードを見せ、「スクープです」と誇示する姿勢に、番組制作上の安直さ、粗雑さが現われている。(日本テレビ 『真相報道 バンキシャ!』裏金虚偽証言放送に関する勧告)


4.安易な募集サイト利用(P24)



  本件放送は企画立案当初、会計検査院が公表した自治体の不正経理問題をテーマとしていた。それが自治体と業者が絡む裏金問題へと重心を移していったのは、インターネットの募集サイトに寄せられた情報がきっかけだった。

 『バンキシャ』はこれまで、何度も募集サイトを利用して出演者や取材協力者を探してきた。経費が安く、反応が早く、即応性がある、というのがその理由とされる

(中略)

 日本テレビの取材のガイドラインには、取材を行う場合、謝礼の授受や相手方からの便宜供与を認めないという趣旨のことが定められている

 だが、『バンキシャ』が募集サイトに掲載した募集要項の「謝礼」の欄には「取材内容により応相談」とある。制作スタッフのあいだでは、これは交通費や記念品を渡す程度の意味と解されていたというが、応募する側は、むしろ謝礼の支払いが行われると理解するのが普通ではないか

 岐阜県ケースの情報提供者は4年前、『バンキシャ』の別テーマの放送に出演し、東京への旅費の他に1万円の謝礼を支払われている。制作スタッフは今回の不祥事が起きてから調査し、そのことに気づいたという。今回の虚偽証言の動機がどうあれ、謝礼の可能性を示した募集サイトの利用自体に、安易な情報収集の姿勢が見られる。この安易さこそ、虚偽の情報を呼び込んでしまう隙であった

(中略)

 本件放送、とりわけ岐阜県ケースは一見、制作スタッフがいろいろ取材・調査し、検討しているように見えるが、実際は入口情報の周辺をぐるぐる回っているだけで、ほとんど一歩も、真実と信じるに足る根拠の収集とそれに基づく放送という出口へと向かわないものであった。(日本テレビ 『真相報道 バンキシャ!』裏金虚偽証言放送に関する勧告)


5.不正経理と裏金私的流用の混同(P25)



  本件放送は、京都府と愛知県の不正経理問題と、募集サイトに応募があった岐阜県と山口県の裏金問題の4件を一連のものとして取り上げている。しかし、前2件について、会計検査院が公表した検査結果である旨の説明がないため、あたかも全部が『バンキシャ』のスクープであるかのような、あまりフェアとは言えない構成になっている

 こうした意図的と思われる混同は、裏金という言葉の使い方にも現われている。会計検査院は12道府県を検査した結果として、すべての自治体において、「預け」などの方法で国庫補助金の「不適正な会計処理」が行われていることを明らかにしたが、その「不適正」さのなかに「私的流用」があったことまでは指摘していなかった

 しかし、本件放送の中心であった岐阜県と山口県のケースでは、それぞれ証言した人物等が「県職員個人に車を買ったこともある」「裏金で大型テレビを買い、県職員の自宅に届けた」と言っている。これが事実だとすれば横領や着服であり、京都府と愛知県の不正経理問題よりはるかに違法性の高い犯罪行為である。こうした4件がまとめて「裏金」というひと言で一括されているため、画面の印象はおどろおどろしいものになる

 以下に、京都府と愛知県での取材シーンを見ておく。

●京都府の場合

バンキシャ「現金がありますね。これ全部裏金?」

職員「現地で見つかったお金です」

バンキシャ「裏金ですね?」

職員「まあ不明というか、そういうのがありますが、いま調査中です」

●愛知県の場合

バンキシャ「いわゆる裏金で購入したんですかね?」

職員「裏金といえば裏金といわれても仕方ないかなと」

バンキシャ「裏金で買った?」

職員「裏金といわれれば、やむをえないかなと」

バンキシャ「これが裏金で買われたやつですか? 裏金ですよね」

職員「裏金というか……」

 このやりとりは、番組スタッフが相手から巧みに「裏金」という言葉を引き出すのではなく、無理やりその言葉を押しつけ、認めさせているように受け取れる。もう一度言っておけば、京都府と愛知県の不正経理は、会計検査院が指摘した事例であり、『バンキシャ』はそれを映像で見せただけで自力で掘り起こしたわけではない。この場面は、『バンキシャ』こそが正義を体現しているのだ、といわんばかりの尊大さを感じさせさえもする。(日本テレビ 『真相報道 バンキシャ!』裏金虚偽証言放送に関する勧告)


6.映像と言葉の調達(P26)



  放送界の不祥事は、しばしば現実や人間の複雑さを切り捨て、極端な単純化に走るところから生じてきた。これが高じれば、取材や撮影は、あらかじめ決めてある番組の趣旨やテーマや方向性に合った言葉・コメント・映像だけを調達し、組み合わせるだけになっていく。ここにはもはや取材者と被取材者のコミュニケーションがない。マス・コミュニケーションといいながら、最初から取材する側がその回路を閉ざしている。

上で引用した制作スタッフと県職員のあいだのやりとりには、その危うさがある。『バンキシャ』は岐阜県と山口県のケースを取り上げた際、告発情報を寄せた人物たちより先に、県庁を取材している。幹部スタッフに指示されて取材に赴いたCアシスタント・ディレクターやBディレクターは詳しい情報内容を知らないまま、撮影取材を行った。

 ここはいったい何を取材させたかったのか、したかったのか。県職員の困惑した顔、ばつの悪い顔、開き直った態度、それともいっせいに頭を下げて謝罪する姿……。そういうものを撮影することを期待したのか。あるいは、県側の反応なり反論なりを入れておけば、あとで、ちゃんとバランスを取っています、と言えるということだったろうか。どちらにしても事実の追求をさておいた、言葉と映像の調達にしかなっていない。(後略)(日本テレビ 『真相報道 バンキシャ!』裏金虚偽証言放送に関する勧告)


7.短い制作日数と2班体制(P27)



  『バンキシャ』は1週間ずつの交代で、メイン班とサブ班が入れ替わる、という2班体制で制作されていた。テーマ設定も取材も編集も放送も、1週間単位を前提に組み立てられ、1週間では十分な取材ができないようなテーマでも、何とかその週のうちに放送することが求められていた。つまり、翌週にわたって継続取材はしない、という制作体制である。

 その上、テーマの正式な確定は、水曜日夜に行われる全体会議においてだった。翌木曜日から取材を始めても、放送前日の土曜日には終わらせなければならず、取材に当てることのできるのは3日間である。土日が休みの官公庁や企業を取材しようとすれば、2日間しかない。幹部スタッフ間で全体会議前に有力テーマを決め、先行して取材を始めたとしても、せいぜい4日間か5日間である

 このため、すでに見たように、岐阜県庁と山口県庁の取材は、告発証言の真偽も詳細もわからない段階で、あわただしく、強引に行われることになった

 『バンキシャ』は11月9日(日)の放送をプロ野球日本シリーズの中継と差し替えられたため、休止となった。それは、1週間で完結する制作体制のもとでは、裏金問題のテーマもなくなった、ということだった。このときのメイン班は次の週、サブ班にまわって、まったく別のテーマの取材支援をすることになった。

 そして、次にメイン班になったときの全体会議で、11月23日(日)の放送日に向けて、あらためて裏金問題を取り上げることが決められた。制作スタッフはこの間の継続取材がまったくなく、中断したままとなっていた取材を、待ったなしの日程で再開することになった。

 しかもこの週は、厚労省元事務次官殺害事件の取材に人手を取られ、裏金問題の追加取材を行ったのはAディレクター1人だけである。この週の彼の動きは次のようなものだった。

19日(水)京都府庁で取材し、京都嵐山で人力車に乗る風景の撮影後、岐阜に移動。

20日(木)朝から午後3時ころまで、岐阜県庁で取材の申し込み交渉。Y市の土木事務所を撮影後、中津川市に向かい、夜8時から情報提供者に取材。

21日(金)山口県に移動し、山口県庁と情報を寄せた男性の元上司を取材。

22日(土)山口県から岐阜県に戻り、情報提供者の銀行ATMの残高照会を撮影。情報提供者と昼食後、東京へ。

 Aディレクターは4日間で、京都、岐阜、山口と移動し、1人ですべての取材を行っている。これでは、告発情報の裏付け取材を行う時間的余裕など、あるはずもなかった


 制作日数が短いばかりではない。そもそも、告発報道は、それが真実であると裏付ける取材や調査に時間も手間もかかるものである。寄せられた情報や事実が真実であるか否かの究明をまず行い、放送にたえうる事実が集められて初めて、放送日を決定することができるはずである。しかし、『バンキシャ』の制作体制は、そこが倒錯していた。放送日に合わせて無理やり取材を間に合わせるという制作体制が、本件放送の取材が不十分となった根本的な原因を作り出している。(日本テレビ 『真相報道 バンキシャ!』裏金虚偽証言放送に関する勧告)


8.責任体制を空洞化させる組織構造(P28)



  まず現場に行く。行き詰まったらまた現場にもどり、自分の足で歩き、当事者と話し、資料を読み解き、そこからもう一度考え直してみる——事件や事故はもちろん、文化や歴史をテーマにするときでも、これこそ取材や調査の基本である。コンピュータとインターネットと携帯電話が当たり前となり、撮影・編集・放送機材が全面的に高度化した現代でも、人間がやることの基本にさほどの変化はない

 しかし、委員会で本件放送を審理していたあいだ、委員のあいだで繰り返し提起された疑問がある。それは、「取材の責任者は誰か。誰が責任を持って取材しているのか」という疑問である。

 幹部スタッフはさまざまに現場スタッフに指示している。N統括ディレクターはディレクターやアシスタント・ディレクターにたびたび指示を出し、Mデスクも直接指示することがあった。L総合演出も幹部スタッフのあいだで取材のあれこれを提案しているが、それが現場に届いたり、届かなかったりしている。

 しかし、このうちの誰も、現場には行っていないし、告発証言の当事者と会っていないどころか、電話でも話していない。

 他方、現場に行ったディレクターやアシスタント・ディレクターは、今回の裏金問題を「幹部スタッフが取り上げると決めたからには、情報提供者の信用性はすでに判断されているのだろう」と思い込んだ。その情報が、たんに募集サイトへの書き込みだったにもかかわらず、である。また、取材で集めた資料等の信憑性は「幹部スタッフが判断すること」と決めてかかっていた。彼らは、告発情報の提供者が身元を明らかにしたくないと言っているということも聞かされていたので、最初からモザイクやボイスチェンジを前提とした撮影取材で臨んでいる。

 ここには明らかに、幹部スタッフと取材現場スタッフとのあいだの情報交換とその共有、それをふまえた方針決定と任務分担の明確化の欠落があるのであり、番組制作体制の問題点が露呈している。たとえ職場で顔を合わせていても、その関係の内実はばらばらだったのである。幹部スタッフが指示し、現場スタッフはその指示に従って素材を集めてくるだけ、という機械的な分担の仕組みのせいである。もう少し言えば、本件番組制作に関しては、日本テレビ社員が頭脳で、制作会社からの派遣スタッフが手足という役割分担のせいであったかもしれない

 一見、これは効率的な役割分担に見えるだろう。しかし、すでに見たように、現場も当事者も知らない幹部スタッフが、彼らだけで行った種々の検討は、およそ見当外れの中身だった

 岐阜県ケースで問題となった裏金口座の届出住所の件は、虚偽を見破る最大のチャンスだった。しかし、情報提供者の驚きの表情を現場で見ていない彼らは、その意味を取り違えてしまった。現場を自分で歩き、自分の目で見ること、当事者の口調、表情、物腰、ときには沈黙の意味まで全身で読み取ること、そういう緊張もすれば充実感もある取材なしに情報の真偽を見極めることはむずかしい

 他方、すべての判断を幹部スタッフに任せ、指示されたことしかしない現場スタッフがいる。山口県ケースでは、裏金を私的に流用したとされる人物の名前や所属部署はおろか、その輪郭すら聞き出していない

 取材や調査や制作の実際は、体で覚えるしかないとも、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)がいちばんだとも言われる。だが、このような取材で本当に取材の感覚やコツがつかめるのか。自分の足で立ち、責任を持って報道に当たる記者や制作スタッフが育つのだろうか。

 幹部スタッフも現場スタッフも切り離されたまま、それぞれが空洞化している。これを一人ひとりの自覚の問題などと考えてはいけない。そうした仕事の仕方を生み出している組織構造上の問題なのである。(日本テレビ 『真相報道 バンキシャ!』裏金虚偽証言放送に関する勧告))


 テレビには真実が存在しない。あるのは、企画会議で決められた取材方針と、放送時間だけである。その番組が果たして正しいかどうかは、彼らの責任ではない。ただ、毎週、毎週、無事に放送時間を乗り越えられるかが問題なのだ。勧告の最後に、次のような言葉で締められている。情報提供者が虚偽の証言をした動機である。



 なお、7月9日の公判廷で、検察官の質問と情報提供者の供述により明らかにされた動機の骨子は、次のようなものだった。

 「以前、日本テレビの番組に出演したときに旅費を含め5〜6万円もらった。今回は旅費はもらえないと思ったが、前回の半分くらいの3〜4万円はもらえるのではないかと思った」。(P37)(日本テレビ 『真相報道 バンキシャ!』裏金虚偽証言放送に関する勧告)


 翻弄された取材班もむなしいが、それを見せられた視聴者もむなしい。この3〜4万円のためにいくらの取材費や番組制作費を使ったのだろうか。


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