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素人だから言えることもある

マス・メディアが報じない「記者クラブ」騒動

首相就任会見に出席できなかったフリージャーナリスト

 これは、「朝日ニュースター」のYoutube(現在削除)で、池田信夫氏の「「記者クラブ開放」の約束は嘘なのか - 池田信夫」からの孫引用である。貴重なのは、鳩山氏や小沢氏の映像がそこに残っていることだ。その中で、鳩山現総理は、
私が政権を取って官邸に入った場合、上杉さんにもオープンでございますので、どうぞお入りいただきたいと。自由に、いろいろと記者クラブ制度のなかではご批判があるかもしれませんが、これは小沢代表が残してくれた、そんな風にも思っておりまして、私としては当然、ここはどんな方にも入っていただく、公平性を掲げて行く必要がある。(「記者クラブ開放」の約束は嘘なのか - 池田信夫)
と語っている。ところが、このビデオで語っている神保氏は入ることができなかった。なお、上杉氏には、
実は、筆者は官邸に入れる許可を事前に得ていた。だが、官邸入口で犯罪者のごとく扱われる神保たちの姿をみて、あまりの気の毒さに、一緒に出てきてしまったのだ。(非記者クラブメディアを排除した鳩山首相初会見への落胆-週刊・上杉隆)
 神保氏といえば、情報通信法と民主党メディア改革のエントリーで引用したダイヤモンド・オン・ラインの記事「大手メディアが決して報じない、「メディア改革」という重要政策の中身」の著者である。その記事の中で、記者クラブ開放について神保氏はこう書いている。
 民主党はすでに2002年から、党が主催する記者会見は、記者クラブに所属する既存の大手マスメディアだけでなく、雑誌、海外メディア、ネットメディア、フリーランスなど、すべての報道関係者に開放している。また、小沢一郎氏以降の代表はいずれも、民主党が政権を取ったときは、政府の記者会見は開放することを公言している。
 実は民主党のこの方針は、岡田克也現幹事長がまだ幹事長代理の時分に、筆者からの進言(というより、「文句」と言ったほうがより正確かもしれないが)を受けて、まず手始めに外国報道機関に記者会見を開放したことに始まる
 当時、民主党の記者会見に出席できるのは野党クラブ加盟の記者に限定されていた。岡田氏はまず自身の会見をオープンとし、その後、幹事長、代表と党の階段をのぼっていく間もその方針を貫いたために、氏が代表になった段階で、民主党の会見はすべてオープンとなった。また、その過程で、対象も外国報道機関から、雑誌やネットメディア、フリーランスを含むすべてのメディアへと広がっていった。
 前原、小沢、鳩山と岡田氏の後を継いだ代表たちもその方針を踏襲したので、今はそれが党の方針となった。ただし、その方針がマニフェストなどの文書に明記されているわけではないので、私のような非記者クラブ記者は、常に確認を求めていく必要があり、それがわれわれ非記者クラブ記者が、大きな節目の記者会見で毎回しつこくこの質問をし続ける理由でもある。(大手メディアが決して報じない、「メディア改革」という重要政策の中身)
 つまり、神保氏(たち)がしつこく求めていたことがここに明記されている。最近になって、岡田外務大臣によってこんなことが発表された。
 岡田克也外相は18日、記者会見を同省記者クラブ所属の報道機関に限らず、全メディアに開放すると発表した。会見への参加は、危機管理上の配慮から、事前登録を前提とする。従来、閣僚会見は毎週2回、午前の閣議直後に行われていたが、岡田氏は時間の余裕がある午後に外務省内で記者会見する意向だ。
 岡田氏は18日の記者会見で、閣議後の記者会見を首相官邸や国会でのぶらさがり取材で行う場合、記者クラブ所属以外のメディアは参加できず、十分な情報発信はできないと指摘。「時間をしっかり取って質問に誠実に答えるのがあるべき姿だ」と述べた。(スポーツニッポン2009/9/18)
 神保氏がしつこく岡田幹事長に文句を言った成果がようやく出てきたのか。果たして、これが全省庁に広まるのだろうか。大手メディアは、この記者クラブ騒動については黙殺している。岡田外務相の「記者会見原則開放」宣言も
そもそも、この外相発言を19日の朝刊(東京最終版)で伝えたのは、全国・大手紙では産経新聞と毎日新聞だけだ。朝日、読売、日経は報じておらず、「無視」した形だ。(岡田外相、記者会見開放を宣言 ネット・フリーランスにもJ-CASTニュース9/19)
大手メディアは「記者クラブ」という存在があることすら、触れたくないようである。
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