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素人だから言えることもある

アップルがグーグルを買収する?(ホームサーバの戦い・第48章)

 言論プラットフォームアゴラでの小川浩氏の「Apple vs Google 2010- 小川浩」というブログを読んで、どこかで似たような事を言った記事を見た事を思い出した。まず、最初に、小川氏の文章から

 GoogleがNexus Oneという自社ブランドによるAndroid搭載のスマートフォンを、ネット直販という販売チャネル、およびSIMロックフリーというiPhone にはない手法で販売し始めたことで、多くのメディアはGoogleAppleの利害衝突がついに顕在化したという見方を示しましたが、僕はそうは思っていません。

 なぜなら、両者はいまのところ、従来型の(Web閲覧を前提しているiPhoneやNexus Oneのようなスマートフォンではなく、通話主体にネット接続もできるというコンセプトの)携帯電話を完全に過去のものにする戦いの共同戦線をはっているからです

 AppleGoogleがまず目指す世界は、・PC用もモバイル用も同じシングルOSの世界=PC WebとモバイルWebの統一・それによる真のWebオリエンテッドなモバイルコンピューティングの普及・通信キャリアに縛られたケータイ販売網からの脱却です。

AppleGoogleの利害の不一致が明確になるのは、そのあとの話でしょう。

(中略)

 AppleGoogleの直接対決は、さらにおおよそ5年後に見えてくるはずです。そのとき、もしかすると両者が激しい直接対決をしているか、もしくは一つの会社になっているかの、二つに一つでしょう。しかし、繰り返しますが、それはまだ少し先のことです。(Apple vs Google 2010- 小川浩)

 そして、クーリエ・ジャポンの2月号スティーブ・ジョブズの記事「天才ジョブズなきアップルが世界を変えられるか?」(ブライアン・アップルロード著/英サンデー・タイムズ・マガジン)
 筆者の個人的な意見では、ジョブズ抜きのアップルはグーグルとの合併を模索するように思う。この2社の事業は重なる部分が急速に増えているからだ。

(中略)

 両者の主な競合分野としては、まず携帯電話事業がある。この分野でアップルはiPhoneを、グーグルは携帯電話向けOS「アンドロイド」を展開している。グーグルの製品にはウェブブラウザーの「クローム」もあるが、これはアップルの「サファリ」と競合するものだ。

 さらに重要なのは、グーグルが同じ「クローム」という名のパソコン用OSを開発していることだ。これが完成すれば、「Mac OS X」の強力なライバルとなる可能性が高い。またアップルのiPhoneアプリも、グーグルの多くのフリーソフトと競合している。

 つまるところ、両社ともマイクロソフトから世界市場のシェアを奪おうと狙っているのだ。グーグルの革新性と、アップルのデザインやマーケティングに対する鋭い感覚が組み合わされば、マイクロソフトに勝つことも不可能ではない。(ただし、独占禁止法の監視機関の賛同は得られないかもしれないが) (ブライアン・アップルロード著/英サンデー・タイムズ・マガジン/クーリエ・ジャポン2月号)

 アップルロード氏は、あくまでもジョブズ氏の後任者の時代という条件で書いている。それが、小川氏の言う、5年後かどうかは知らないが。つまり、「グーグルゾン」ではなく「アップグル」(仮称)となるわけだ。

 そして、最終的に彼らが「アップルの30年ロードマップ」で言う「デジタル時代の覇者」(注1)であり、任天堂の岩田社長が言う「リビングの覇権」(注2)であり、3DOのトリップ・ホーキンズが言う「エンタテインメントの主役」(注3)であり、マイクロソフトビル・ゲイツが言う「PCにとって(の)脅威」(注3)に収まってしまうかどうかはまだわからない。

(注1) (アップルのホームサーバ計画(ホームサーバの戦い・第43章))
(注2)(井上理著「任天堂“驚き”を生む方程式」日本経済新聞出版社)(任天堂がWiiで映像配信を始める理由(ホームサーバの戦い・第32章) )
(注3)(ディーン タカハシ著/元麻布 春男監修/永井 喜久子訳「マイクロソフトの蹉跌—プロジェクトXboxの真実」ソフトバンク)(Xbox vs PS2(ホームサーバの戦い・第8章) )


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