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素人だから言えることもある

ソニーがiPad市場に参入する(ホームサーバの戦い・第52章)

ソニーも興味を持っている

 It Mediaにこんな記事があった。
「大変興味持っている」──ソニー、“iPadの市場”に参入意志

 「ソニーも大変興味を持っている」──ソニーの大根田伸行CFO(最高財務責任者)は2月4日、米Appleが発表した「iPad」のような端末の市場について、「iPadより遅れていることは否めないが、開拓していこうと思っている」と参入意志があることを明らかにした。
 同社決算説明会で質問に答える形で述べた。iPadについて、大根田CFOは「一方にソニーのReaderやAmazonのKindleのような電子書籍専用端末、もう一方にNetbookがあり、iPadはその中間の領域ではないか」と指摘。「伸びていく市場であり、競合も出てくるだろう。Netbookに影響はあると思うが、新しい市場ができてくるほうが大きい」とした。
 その上で、iPadのような端末の市場について「ソニーも大変興味を持っている。それだけの技術力を持っている。それに加え、PlayStation Netoworkは約4000万アカウントある。これにハードを組み合わせることで、この領域も開拓していこうと思っている」とした。

 大根田氏は、ストリンガー会長ではないが、気持ちは同じだと思う。

ストリンガー会長の真意

というのは、ソニー・ストリンガー会長の会見を読み解く(ホームサーバの戦い・第23章)で引用した、2009年1月22日の2008年業績修正会見において、
 先週ラスベガスに行ってらっしゃった方もいたかと思いますが、我々コンベンションで非常に成功いたしました。「コンテンツとエンターテインメントとハードウェアを1つにすることによって、ほかのエレクトロニクス会社が提供できないような体験を提供する」、これが目標であり、将来であり、イノベーションということになります。PS3、プレイステーションネットワークも昨年始めましたが、これがまさに重要な製品・要素となるわけです。これによってそれがより進むということになります。

(中略)

 「ソニーは多くの教訓を学んできた」と思います。私どもはもうハードウェア会社だけではないわけです。ソフトウェア会社でもあり、娯楽のエンターテインメント、ゲームの会社でもあると。そしてそのすべてを1つに統合することによって、素晴らしい力になるということです
 ラスベガスのCESでジャーナリストから「ソニーのいくつもの要素が、実際に一緒に協力できるのか」と聞かれましたが、協力できます。その基礎は、東京のハードウェアのエンジニアです。すべてのソニーの中の要素を1つに組み合わせて競争力を高めていく、それで日本の競合他社も、韓国勢とも、マイクロソフトやアップルとも戦っていく機会は大いにあると思っています
 世界は急速に変化していますが、これは我々にとってチャンスです。すべての要素を1つにまとめることができれば、我々は無敵になります。真珠のネックレスのようなもので、1つ1つの真珠がしっかりつながっていることによって美しくなるわけです。「我々がネックレスになっているということがほかと違う」、差異化(できる)ということです。(Business Media 誠 過去最大の赤字から立ち直れるか——ソニーの業績修正会見を(ほぼ)完全収録)

 アップルがiPadで目指したのは、
映像・画像・音楽・書籍・ゲームなどのあらゆるコンテンツがデジタル化され、同時に通信コストが急激に下がる中、その手のコンテンツを 制作・流通・消費するシーンで使われるデバイスやツールは、従来のアナログなものとは全く異なるソフトウェア技術を駆使したデジタルなものになる。アップルはそこに必要なIP・ソフトウェア・デバイス・サービス・ソリューションを提供するデジタル時代の覇者となる」(アップルの30年ロードマップ)
であるが、ソニーも「コンテンツとエンターテインメントとハードウェアを1つにすることによって、ほかのエレクトロニクス会社が提供できないような体験を提供する」ためのハードが必要になる。

ソニーは市場があれば飛び込んでいく

 iPadは、映像・画像・音楽・書籍・ゲームのデジタルコンテンツプレイヤーの集合体であるが、ソニーは今まで、それぞれブラビア・ウォークマン・ソニーリーダー・PS3など、バラバラのデバイスであった。しかも、昨年11月の発表では、
現在はゲーム機だけが対応しているが、テレビ、パソコン、携帯端末もネットワーク対応機器に拡大し、映画やゲーム、音楽、書籍などを提供する「ソニーオンラインサービス(仮称)」を立ち上げる計画。2012年度末までにネットワーク対応機器は3億5000万台への拡大を目指す。2012年度までにネットワークサービス全体の売り上げ規模を年間3000億円にする目標だ。
 平井EVPは、オンラインサービスについて「できるだけ早く立ち上げたい。(テレビ、パソコン、携帯端末など)対応機器がサービス開始のときにすべて揃うわけではないかもしれないが、来年中にサービスを開始したい」と語った。(ソニー、映画・音楽などオンラインサービス開始へ=平井EVP)
というように、それぞれのデバイスにネットワーク対応機器をつけるはずであった。と同時に、今回の発表で、iPadのような複合的なタブレットも開発しようというわけである。それも4000万アカウントを持つPlayStation Netoworkをさらに広げるために。

 市場があるところはなんであれ、ソニーは飛び込んでいくだろう。まさにそれこそ「すべてのソニーの中の要素を1つに組み合わせて競争力を高めていく、それで日本の競合他社も、韓国勢とも、マイクロソフトやアップルとも戦っていく機会は大いにあると思っています。」


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