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素人だから言えることもある

ソニーのネットワーク強化の意味するもの(ホームサーバの戦い・第53章)

SNEが誕生した?

 AV Watchにこんな記事があった。
ソニー、ネットワーク強化に向けSCEのネット部門を吸収−ゲーム部門は新SCEが承継

 ソニーは、ネットワーク事業の強化に向けて、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)のネットワーク事業関連部門を4月1日付で吸収する。

 これに伴い、SCEの商号をSNEプラットフォーム(SNEP)に変更し、SNEPをソニーに吸収して解散する。ソニーのネットワークプロダクツ&サービスグループ(NPSG)に、現在日本のSCEにおいてネットワークサービスに関わる60〜70名が移籍する。

 今回の吸収合併により、1993年設立のSCEは消滅するが、家庭用/携帯用ゲーム機やソフトウェアの企画/開発/製造/販売事業については、新規分割により4月1日に設立する新会社に承継。新会社の商号は現在と同じソニー・コンピュータエンタテインメントで、ゲームのソフトウェア、ハードウェア関連に携わる約1,300名に大きな変更はないとする

 これはもちろん、アップルもグーグルもソニーも向かう方向は同じ(ホームサーバの戦い・第44章)で引用した
現在はゲーム機だけが対応しているが、テレビ、 パソコン、携帯端末もネットワーク対応機器に拡大し、映画やゲーム、音楽、書籍などを提供する「ソニーオンラインサービス(仮称)」を立ち上げる計画。 (ソニー、映画・音楽などオンラインサービス開始へ=平井EVP )
 さすがに、「ソニーオンラインサービス(仮称)」では「SOS」になってしまい、初めから白旗を掲げているようでまずいと思ったのか、SCEソニー・コンピュータエンタテインメントに合わせて「SNE」としたのではないだろうか。説明がないので、想像だが、おそらく、ソニー・ネット(ワーク)エンタテインメントとでも名づけたのかもしれない。ソニーは、SCE、SME、SPEと並べることで、SCEのネットワーク部門を新たな子会社として立ち上げたことになる。そうなると、いままでPSNやPSストアも、4月から同じアカウントであってもネーミングが変わることになろう。そして、よりノンゲームに力を入れて配信事業を本格的に進めていくことになるに違いない。

2009年1月のストリンガー会長の発言

 さてSNEのNが当然ネットワークを意味することとして考えると、思い出したのは、昨年1月のストリンガー会長の発言だ。
——会長のスピーチで「エレクトロニクスとゲームの連携強化」というお話がありましたが、具体的にどういうことを示しておられるのでしょうか?

ストリンガー もう具体的になっていますが、プレイステーションネットワークとそのほかの会社との関係、これが今加速的に強くなっているということです。ネットワークサービスのオペレーションは元々カリフォルニアでプレイステーションとは別個に行われていましたが、この事業が今はプレイステーションの長の下に置かれています。いかに統合するかということは時間を待たなければいけませんが、いわゆる物理的なパッケージではなくて、オンラインのゲームになると思います。

 ネットワークのデバイスに関してもPS3とか、そして我々が作り出したプラットフォームのゲームとか、ビデオサービスとか、エンターテインメントをすべてのデバイスに提供できる可能性があるのがソニーの秘密の強さだと思います。

(中略)

 3年前にはこのエンターテインメントとハードウェアとの間はほとんど接触がなかったわけです。そしてコアビジネスを私ども見直して、こういったエレメントが今は交流があるという状況まで来ました。確かに今は未曾有の市場環境ですが、それぞれの会社が関係を深めていくことによってチャンスが生まれると思います。「いかに新たな収入源を、お互いのテリトリーの中で仕事をすることによって得ていくか」ということです。

 さまざまなデバイスがネットワーク対応になっています。Wi-Fi対応のものもあります。インテグレーションとリレーションシップ、これがソニーを強くするということがはっきり分かってきました。もちろん皆を納得させることは困難ですが、私どもはそれができると思っています。 (Business Media 誠 過去最大の赤字から立ち直れるか——ソニーの業績修正会見を(ほぼ)完全収録)(ソニー・ストリンガー会長の会見を読み解く(ホームサーバの戦い・第23章)

 ネット配信が他のエンターテインメント子会社SCE、SME、SPEと並んで大きな収入源となるとの動きがすでに始まったのだ。そしてストリンガー会長は、
すべてのソニーの中の要素を1つに組み合わせて競争力を高めていく、それで日本の競合他社も、韓国勢とも、マイクロソフトやアップルとも戦っていく機会は大いにあると思っています。(Business Media 誠 過去最大の赤字から立ち直れるか——ソニーの業績修正会見を(ほぼ)完全収録)(ソニー・ストリンガー会長の会見を読み解く(ホームサーバの戦い・第23章)
 マイクロソフトは当然ゲーム機メーカーとしての戦いだが、韓国はテレビや家電として戦っているけど、アップルの競合相手とは?と考える人もいるかもしれない。だが、それについてはアップルもグーグルもソニーも向かう方向は同じ(ホームサーバの戦い・第44章)で書いた。また、ソニー本体ではないが携帯電話世界5位のソニー・エリクソンがある。ソニーグループと考えれば、納得がいく。しかも、韓国のサムスン・LG電子は世界の2位と3位である。さて、ここでPSPケータイの話がGIGAZINEに載っていた。
ソニー、PSPと携帯電話を合体させた「PSPケータイ」を開発していることを認める

この記事によると、ソニーグループの携帯電話メーカーで、イギリスのロンドンに本社があるソニー・エリクソンのCEO(最高経営責任者)Bert Nordberg氏が、PSPと携帯電話を合体させた新たな携帯電話を開発していることを認めたそうです。

Nordberg氏はスペインのバルセロナで2月15〜18日にかけて開催された「Mobile World Congress」において、自社がタッチパネルを利用したハイエンドなスマートフォンのブームに乗り遅れたことを認めた上で、ソニーと巻き返しの準備をしていることを明かしたとのこと。

そしてかねてからウワサになっているPSPと携帯電話を合体させた通称「PSPケータイ」については、長年ソニー・エリクソンがソニーのPSP事業と協力関係に無かったのを転換して開発に取りかかっていることを明かした上で、ウワサされているよりも良いものを期待していいと述べたとされています。

 また、ソニーがiPad市場に参入する(ホームサーバの戦い・第52章) でも触れたように、あらゆる市場でシェア争いを続けるのがソニーとアップルの戦いでもある。


追記 SNEPをソニーに吸収して解散するということはSNEもないということか。どっちなんだろう。
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