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素人だから言えることもある

これから事件の半分はネットがらみになる(マス消滅元年・7)

ネットは秘密を隠せない

今年後半の事件は、ウィキリークス尖閣諸島衝突のビデオネット流出問題や前項「テレビコメンテーターと言う不思議な商売」で取り上げたツィッターがらみの事件が連続している。これらの事件を象徴しているのは、「ネットは秘密を隠せない」と言うことではないだろうか。人間でも国家でも、何かしら秘密を抱えて生きている。そして、その秘密を材料にして事件が起こったり、交渉に使ったりするのだ。そういえば、グーグルのエリック・シュミット氏がこんな事を言った事を思い出す。
しかし Schmidt 氏は、もっと深刻な問題として、現在のインターネットは未熟であり、 MySpace の卑猥な画像が原因で就職に失敗したり、ブログに同僚のことを書きすぎたために解雇されたり、選挙運動イベントでの失言が瞬く間に YouTube で話題となりバージニア州の元上院議員 George Allen 氏の名誉が傷つけられるなど、ユーザーは失敗や事件から教訓を得ている段階にある、という考えを述べた。

同氏は「人々は、記録が残る世界で生活しているということについて、今よりもはるかに注意深くなるだろう」と述べた。いたるところにカメラがある、ということにも気を配る必要があるだろう。 Schmidt 氏は「常に、何らかの形でメディアに露出していることになる。誰もが携帯電話を持つようになり、携帯電話にはカメラがついているわけだから、誰もがカメラを持っているということになる。誰もがデジタル写真のカメラマンなのだ」と説明した。(グーグルCEO 、新メディアとその政治的影響を語る)(グーグルの語る地球監視社会)

またストリートビューの訴訟のとき、グーグルはこんな反論をした。
グーグルが提供している無料の地図情報サービス「GoogleMap」の付加機能の一つとなる「Street View」で自宅内に居る模様の写真画像がネット上を通じて公開されてしまったとして、このような行為はプライバシー侵害にあたるとして米ペンシルバニア州在住の男女が同社を訴えていた裁判で、グーグル側は「現代社会にプライバシーなどは存在しない」とする反論を行っていたことが31日、明らかとなった。

裁判の中でグーグルは「衛星技術の進歩を受けて、現代では砂漠の真ん中に居たとしても完全なプライバシーなどは存在しない」と述べて、「Street View」の機能はプライバシー侵害だとした原告らの主張に対して反論を行った。(グーグルが裁判で反論、現代社会に完全なプライバシーなどは存在しないTechnobahn日本版記事=リンク切れ)( 現代社会に完全なプライバシーなどは存在しない)

また、神戸大学工学部の森井昌克教授は、
ネットワーク社会では、その究極な形を現実化しています。一瞬にして多くの個人の意識に問いかけることが可能となったのです。

集団意識の暴走はプライバシーの在り方をも変えようとしています。「プライバシーを暴く」という言葉があるように、プライバシーとは私生活そのものであり、「暴く」という積極的な行為を行わなければ侵されることはなかったのです

ネットワーク社会では、この敷居が下がり、暴くと言う積極的な行為がなくとも個人のプライバシーを露呈することが可能になりました。現実の社会での、プライバシーを侵されないという受動的な姿勢から、プライバシーを守ると言う積極的な姿勢がネットワーク社会では要求されるのです。(森井教授のインターネット講座 最新版(2000年8月13日掲載記事)( [みんなの回答]ストリート・ビューとプライバシーの終焉)

ツィッターで、常に自分の情報を流していくと、フォローして読んでいる人が自分の味方のような気になり、言わなくてもいい事をつぶやきたくなる。人間と言うものは、秘密を抱えて生きていくものであり、ネットが秘密を隠せないという事をつい忘れてしまうのだ。常にプライバシーを抱えているのだということを、自分に言い聞かせていかなければ、著名人であろうとなかろうと、このプライバシー侵害の坩堝から抜け出せなくなるだろう。
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