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素人だから言えることもある

ニコ生とクロ現とチューヤンとコント55号

クロ現とニコ生のコラボ

昨日の3月10日、NHKのクローズアップ現代テレビはいらない?!〜急成長するインターネット放送〜」が放送された。解説によると、
およそ2000万人の会員を誇るニコニコ動画Ustreamなど、インターネット放送が急成長をとげている。尖閣諸島の漁船衝突ビデオや、政治家の記者会見、さらにはネットを情報源とする報道が相次ぎ、娯楽番組でも、素人制作のインターネット番組が人気を集めている。編集をしないリアリティ、自らもコメントなどで番組参加できる双方向性。テレビは「遠い」けど、インターネット放送は「近い」と、若者たちのテレビ離れが加速している。番組では、インターネット放送の最前線を追いながら、中継で、ニコニコ生放送のスタジオとも結び、急増するインターネット放送が私たちの生活をどう変えていくのか、放送の役割とは何なのか考える。(テレビはいらない?!〜急成長するインターネット放送〜)
面白いのは、このページにニコニコ生放送との特設ページが作られていることだ。
3月10日(木)放送のクローズアップ現代「急成長するインターネット放送(仮)」では、 ニコニコ動画Ustreamなど、インターネット放送が急成長をとげている最前線を追い、 そんな中、私たちの生活はどう変わるのか、放送の役割とは何なのかを考えます。 そして放送終了後、担当プロデューサーとディレクターがニコニコ動画の生放送に飛び入り出演。 クローズアップ現代の内容やテレビとインターネットの未来、そして番組制作の裏話など熱いトークを繰り広げます。(3/10 「クロ現延長戦・続きはウェブで)
ニコニコ生放送の「NHK×ニコニコ動画 クローズアップ現代 〜ネット拡大スペシャル〜」は三部構成になっており、生の「クローズアップ現代」を挟んで番組が作られていた。ゲストとしてNHKの細田プロデューサーと篠田ディレクターが登場した。この篠田ディレクターに対して、なぜか、コメントの弾幕に「チューヤン」という声が。「チューヤン」と言えば、日本テレビの「電波少年」で有名になったタレントである。僕は、このニコニコ動画に流れるテロップを見て「電波少年」を思い出した。

コメントという名のテレビツッコミ

僕は、「電波少年」こそテレビツッコミの原点だと思っている。「電波少年」では、ナレーションとテロップで、突っ込みが繰り広げられる。この番組のプロデューサー、土屋敏男氏は、この「電波少年」の発想は、コント55号だといっている。
( 土屋 ) 55 号のコントって、二郎さんって言う人をどこまで振り回すか?っていうのが形だったでしょ。 ある程度までは決まったパターンがあるんだけど、それがどこまで行くかは分からない、だからおもしろい。二郎さんというキャラクターのドキュメント。いいツッコミが決まれば、それはどんどん止まることなく 広がりを見せていく。相手を素人に変えても同じ事が言えるよね。うまくやりさえすれば、どんな些細なことだって こっちがどんどん広げて、演出していけるんだよ。それを俺は『電波』で活かしたかったんだ。だから編集やナレーション、テロップでつっこむことで 成立させていったんだよ。

( 高須)電波のスーパーとかはうまいなぁと思ってみてましたよ。ナレーターのKYOYAさんもホントにうまかったですしね。いい声で、絶妙のテンションで … すごいなぁと思いましたよ。

( 土屋 ) だけど、テレビが進化すべき部分で言うとね、大将が開発したやり方を、俺なりに咀嚼してやってみたわけだよ。大将はスタッフが画面に映ったりするのをすごくいやがるけれど、俺はそこをやぶって、ツッコミはスタッフがやる、というのを 新しくやってみたんだよね。それは大将としては絶対「NO」なんだろうけど。 だから、今度は『電波』をひていするパワーを持ったヤツが 出てこないとダメなんだよ。ないしは、それがでてこないのであれば、これからの俺が、過去の自分を超えてやらなきゃいけない。俺が『電波』を否定して、おりゃぁ!って行かないと いけないのかなって思ってるよ。 ( 高須光聖オフィシャルホームページ「御影屋」) (総ツッコミ時代の原点はコント55号)

テレビとニコ生との違いは、編集されているか、編集されていないかの違いだという議論もあった。「電波少年」のツッコミは、結局、テレビ的演出の延長であった。

一方、ニコ生のツッコミは、視聴者のツッコミである。おそらく、「電波少年」を見ていた世代は、テレビの前で猿岩石やチューヤンに向かってツッコミができたらと思っていたのだ。また、「NHK×ニコニコ動画 クローズアップ現代 〜ネット拡大スペシャル〜」の中でも、全員集合の「志村うしろうしろ」が言いたかったという話が出てきた。視聴者は、ツッコミという弾幕で番組に参加したいと思っている。これが、インターネットによってようやく出来る視聴者参加の方法であった。

しかし、テレビは、編集権を持ち、パッケージ化されてツッコミされることを嫌う。あくまでも、パッケージには、弾幕のように画面を汚されては困ると思っている。テロップだらけの番組でも、それは演出だから許されると思っているのだ。

ネットとテレビの深い溝はそこにある。昨日、コント55号坂上二郎氏が76歳で脳梗塞で亡くなった。その日に、「電波少年」の話が出てくるのは、ある意味、不思議な縁である。


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