夢幻∞大のドリーミングメディア

素人だから言えることもある

ハリー・ポッターから見る組織論(ネタバレあり)

ハリー・ポッターの話を続ける。前項「ヴォルデモート=ダース・ベイダー論(ネタバレあり) 」でこんな言葉を引用した。

「しかも、ハリー、あの者の知識は、情けないほど不完全なままじゃった! ヴォルデモートは、自らが価値を認めぬものに関して理解しようとはせぬ。屋敷しもべ妖精やお伽噺、愛や忠誠、そして無垢。ヴォルデモートは、こうしたものを知らず、理解しておらぬ。まったく何も。こうしたもののすべてが、ヴォルデモートを凌駕する力を持ち、どのような魔法も及ばぬ力を持つという真実を、あの者は決して理解できなかった」(J.K.ローリング著/松岡佑子訳「ハリー・ポッターと死の秘宝・下」静山社)P485
それに対するヴォルデモートの言葉を見つけた。
「あやつの弱点を俺様は知っている。一つの大きな欠陥だ。周りでほかのやつらがやられるのを、見ておれぬやつなのだ。自分のせいでそうなっていることを知りながら、見てはおれぬのだ。どんな代償を払ってでも、止めようとするだろう。あやつは来る。」(J.K.ローリング著/松岡佑子訳「ハリー・ポッターと死の秘宝・下」静山社)P399
ヴォルデモートの理解できなかった愛や忠誠、友情を見せる条件は献身の姿である。

ハリー・ポッターホグワーツで組織したのは、「ダンブルドア軍団」である。なぜ、「ハリー・ポッター軍団」でなく、「ダンブルドア軍団」だったのか。それは、自分の尊敬する教師を信頼していたからだ。組織においても、よい上司に恵まれることは、元気や希望を作る。そして、この上司に従っていこうと思うものだ。そのダンブルドアはこうも言っている。

「興味深いことじゃが、ハリーよ、権力を持つのに最もふさわしい者は、それを一度も求めたことのない者なのじゃ。君のように、やむなく指揮を執り、そうせねばならぬために権威の衣を着る者は、自らが驚くほどにその衣を着こなすのじゃ」(J.K.ローリング著/松岡佑子訳「ハリー・ポッターと死の秘宝・下」静山社)P498
当然ながら、自分の名前を付けようなんて考えもしなかったに違いない。

僕は、前項「ヴォルデモート=ダース・ベイダー論(ネタバレあり) 」でこう書いた。

弱者に厳しい組織は、恐怖を持って管理する組織になる。一方、ハリー・ポッタールーク・スカイウォーカーをトップにする組織は、信頼に厚く、弱者に目を向ける。
恐怖で動く組織というものはどういうものだろう。例えば、派遣社員。明日の生活もままならず、先の希望が見えない。また、弱者に手を差し伸べる余裕のない組織。自分のことばかり考える社員。もちろん、献身的な中小企業の社長は大勢いるが、それにもまして、なんと日本はヴォルデモート軍団の多いことか。
ブログパーツ