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コンテンツを忘れたハードに未来はない(2)

CNET Japanでこんな記事を読んだ。それは、「iPad」や「Kindle Fire」を超えるタブレットが登場しない理由

2011年には、さまざまなAndroidタブレットが一斉に発売されたものの、それらは出だしから大きくつまずいている状態である。しかし、そのことを筆者が記事にしたところ、Googleを見限るには時期尚早だという意見が数多く寄せられた。詰まるところ、Androidスマートフォンの販売が大きく伸びたのも、市場に投入されて1年以上経ってからのことだったためだ。このため、とにかくもう少し様子を見てやってくれ、という声が大半を占めていたというわけだ。
しかしながら、Androidタブレットの抱える問題は、時間や成熟度といった観点から解決できるものではない。Googleと、そのパートナーであるハードウェアメーカーは勝負のしどころを間違えているうえ、そのことにまだ気付いていないのである。
Googleに背中を押された)サムスンASUSTeK Computer(ASUS)、東芝は高解像度カメラやUSBポート、HDMI端子、クアッドコアプロセッサ、キーボードドック、いくつかの周辺機器を用意しさえすれば、自社のタブレットがAppleiPadよりも優位に立てると考えているようだ。彼らは真面目に「われわれのタブレットはiPadよりも多くの機能を搭載している」と主張しているように見えるのだ。
機能満載のてんこ盛りのハードほど使いにくいものはない。著者のJason Hiner氏は、appleKindle Fireが売れる理由を
このように、大衆が受け入れたこれら2つの成功しているタブレットには、発売された時点で2つの同じ大きな特徴を備えていた。
1.低価格
2.タブレットをすぐに役立つものにしてくれるサービス(「iPad」や「Kindle Fire」を超えるタブレットが登場しない理由)
としている。このことは、コンテンツを忘れたハードに未来はないでも書いた、
3D化したり、インターネットを付けたりして色々と差別化しているが、客はそんなものを望んでいない。オーバースペックなハードより、観るに値するコンテンツが見たいのだ。
に共通している。この場合のコンテンツとは、コンテンツにいくまでの「タブレットをすぐに役立つものにしてくれるサービス」と言い換えることができよう。タブレットを開いて、いかに簡単にコンテンツを見ることができるかということだ。機能が増えれば、そのコンテンツまでの道筋が複雑になるし、コストもかかる。それよりも、もっとシンプルにすることが重要だ。もとソニーの久夛良木健氏は、
「今、人々が求められているのは消費でなく、それによって得られるエクスペリエンス(体験)なのです。ハード機能のすごさや、どんなソフトがあらかじめ組み込まれているかということさえ、今やあまり重要ではなくなってきている。それより、それを使ってどんな体験ができるかに興味が移っているのです。昔のソニーはそれを提示するのが上手だった。『ウォークマン』は、どこにいても自分の世界が常に音楽に包まれているという、それ以前にはなかった体験をユーザーに提供したのです」(日経ビジネス9月26日号「家電ニッポン 最後の戦い」)( ユーザー・エクスペリエンスの時代(ホームサーバの戦い・第98章) )
といい、アマゾンのジェフ・べゾス氏の
「現代の消費者向けエレクトロニクス市場においては単なるデバイスを作っても成功することはできない。今重要なのはソフトウェアだ。デバイス自身で動作するソフトウェア、クラウド側で動作するソフトウェアの双方が重要だ。それらがシームレスに作動するサービスでなければならない。たとえばKindleを箱から取り出して最初にスイッチを入れると即座にユーザーの名前が表示されるのもその一環だ。タブレットを作っている会社の多くは単なるタブレットを作っている。サービスが作れていない」とベゾスは指摘した。(Amazonのジェフ・ベゾス・インタビュー:現代の消費者向けエレクトロニクス市場ではデバイスだけ作っても決して成功できない)( ユーザー・エクスペリエンスの時代(ホームサーバの戦い・第98章) )
したがって、コンテンツメーカーの努力ももちろんだが、ハード・メーカーもユーザーにシンプルで気持ちの良いエクスペリエンスを提供できるかにかかっている。
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