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「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」の謎(「新春TV放談2013」後半部分補足情報・4)

テリー伊藤ビートたけしの関係の謎

大根仁 毎回、たけしさんとの勝負だったという話を聞いたことがあるんですが。
テリー やっぱり、たけしさんは、あの当時、日本で一番シビアなバラエティーを見る人でも、ある訳じゃないですか。
(中略)
千原 これ、企画、バ〜ッと考えますよね。考えて、たけしさんのところに、持っていくんですか?
テリー うん。
千原 それで、たけしさんが、ノーの場合もあるんですか。
テリー ありますね。でも、たけしさんも、分かんない事はあるんですよ。
千原 やってみないとね。
テリー たけしさんは、正直言って、例えば「勇気を出して初めての告白」とか、あんまり、たけしさん自身はいい青春送っていないと思ってるの。例えば、ミッション系の学校に行ってる訳じゃないし、若い頃に浅草のストリップ劇場にいた訳じゃない。だから、意外とそういう爽やかなものに対して、結構、抵抗感があった。
千原 なるほど。
テリー 例えば「ねるとん」なんかやってたのは、「元気」で一回やったんですよ。そうすると、たけしさんは、「何だよ、あんな若い奴が出てイチャイチャして」って言うんだよ。でも、これ、絶対面白いよな。だったら、もう、とんねるずでやろうと思う訳ですよ。
千原 へえ〜。
テリー だから、そういうのは、ありますね。 (抜き書き「新春TV放談2013」後半部分(2) )
そこで、ビートたけし側の証言を探した。みつけたのが、浅草キッドとの対談集「濃厚民族」(スコラマガジン)
水道橋博士(以下博士) テリー伊藤さんとの出会いは。
ビートたけし(以下たけし) テリー伊藤を認識したのは『元気が出るテレビ』からだな。
博士 その前は覚えてないですか。かなりのインパクトある顔ですけど。
たけし 「あっち向いてホイ」「逆方向からキューを出す男」とか言ってたけど、毎週木曜日『オールナイトニッポン』をやる前に2時間位に打ち合わせを2人でしていた。若手の作家に書かせたネタを持ってきて、俺が見てこれはこうしたほうがいい、とかいってコーナーを作ってただけだよ。
玉袋筋太郎(以下玉袋) でもそれはテリーさんいわく戦争だと言ってましたよ。とにかく殿を喜ばすものを作ろうと、相当ピリピリしてたとか。
たけし ああ、あの時、そういえばピリピリしてたなぁ。俺は口悪いから「バカヤロー、辞めちまえ! お前、才能ねえよ」とか言ってたよ。
玉袋 殿の一言で企画がガラッと変わっても、次の日がロケ日だから大変だったらしいですよ。
たけし 「こんなネタやらせるなら、俺は降りるわ」って。
博士 よく言ってましたよね。「“爆苦連亡世”(ばっくれんなよ・的場浩司のデビュー作)なんてあんなもの認めねえよ。全然あんなの不良じゃねぇ、俺は1番嫌いなんだこんな奴ら。こいつをスターにするんだったら俺は辞めるよ」って。
たけし 作り物だからいいんだけどさ、下品だよ。
玉袋 殿もテリーさんも東京出身なんで東京人として共通する部分はあるんですか。仕事がやりやすいとか、関西の人とは違うとか。
たけし テリーさんは築地の玉子焼き屋のボンボンだからね。同じ下町でも山手だよ。俺らより数段柄がいいというか、金もあるし、オシャレだし。俺らは根っからの貧乏人だもん。
博士 演出家とタレントという関係だったのが、共演者になったりするのはどういう感じなんですか。たくさんそういう方を見てきたと思いますか。
たけし 芸能自体がね、ジャンジャンジャンジャン変わって、それは青島さんや巨泉さんがタレントだか作家だかわからなくて、そうやって上がっていくことは昔からあることだから、時代が変わって放送作家だけでは満足できない人たちが、もっと上を目指すじゃん。上を目指したところで、大した上がないから、タレントになっちゃったほうが早いじゃん。タレントは1番儲かるし、楽だもんな。そうなるのは当たり前で、高田文夫さんだってタレントじゃない。半分は作家だけど。それはしょうがないよ。
博士 テリーさんと殿が2人で飲みに行くってのは見たことないですね。馴れ合っていることを見たことありません。
たけし ないね。高田さんはいつも飲んでたけど。勝負だからね。ラジオは馴れ合いだけど、テレビになると馴れ合いじゃなくて「俺に面白いもの見せろ」というような勝負になるから付き合わなかった。
玉袋 殿がテリーさんと一緒に番組やって『お笑いウルトラクイズ』があって、その後、僕らがテリーさんと『浅草橋ヤング洋品店』で一緒に仕事をさせてもらって。繋がってるんですねぇ。不思議な感じがします。
たけし バブルの時だったから、芸人もバブル、社会もバブルだったから、テレビ局の予算もあったし、だからそれに対応できる番組がある程度出来たけど、今、それが一切ないじゃん。そしたら、演出家も作家もやりようがないよ。だからワイドショーのコメンテーターとかでみんな出てるじゃない。(浅草キッド著「濃厚民族」スコラマガジン)

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