夢幻∞大のドリーミングメディア

素人だから言えることもある

孤立するメディア・つながるメディア

 メディアは本来、人間と人間をつなげる目的で作られた。ところがメディア自身の性質としては人間を孤立化に導いている。それは前々項の「平和だから命が軽い」に書いたことである。

 すべてメディアに任せて人間が受動的になれば、人間は孤立化するのだ。その孤立化を避けて人間と人間を結びつけるメディアにするためにはどうすればよいか。僕は積極的にメディアを使いこなすことが必要だと考える。

 たとえば、前項で「ぼくちゅう」を紹介した。それはある意味、カテゴリーを越えたメディア横断的な処断であったかもしれない。だが、人間にはカテゴリーはないのである。いいものはいいといって、紹介すればいいのだ。メディアにカテゴリーを作るもの、それは人間それ自身である。

 さて「ぼくちゅう」のコメントに僕はこんなことを書いた。

はじめまして。今、CNET Japanの読者ブロガーをやっています。「ぼくちゅう」を紹介させていただきました。少しでも読者層を広げるのにお役に立てたらと思います。皆で今年のブックランキングや映画ランキングのトップに押し上げていきましょう。
おそらく、このコメントを読んだCNETの読者は、記事を宣伝に使いやがってと考えるであろう。だが、僕はそうは考えない。もし自分がよいと思ったものはジャンルを超えても人に紹介したくなるのが人情であり、それが記事なのである。もし、一つのカテゴリーにとどまっていては、そこからは何の進歩もなく何の発見もないのだ。『素人だから言えることもある』とタイトル付けたのは、決して一つのジャンルにとどまらないよという意味なのである。

 さて、そのコメントについて作者からコメントを返してくれた。これは「ネット小説「ぼくちゅう」が面白い」のトラックバックぼくちゅうファン」を見てもらえばわかる。作者の「くろわっ」さんがこんなことを書いている

たぶん全部見てます。コメント残すと騒ぎになるので、途中からあまり残さなくなりましたが(笑)。せっかくご紹介いただいたのに「なーんだグルかー」とか思われても困りますし・・・。
 たしかに記事と宣伝の違いは微妙であるが。しかし、それでも僕はこんなコメントを書いた。
僕は「メディアとファンタージェン」というエントリでミヒャエル・エンデの「はてしない物語」から引用して
「絶対にファンタージェンに行けない人間もいる。いるけれども、そのまま向こうに行きっきりになってしまう人間もいる。それからファンタージェンに行って、またもどってくる者もいくらかいるんだな。きみのようにね。そして、そういう人たちが、両方の世界を健やかにするんだ」という言葉が好きです。
メディアは孤立したものではなくて、お互い行き来して初めて社会をよくするものだと思います。
 そのままにすればメディアは孤立化の方向に向かう。その壁を取り払って人間が本当に使いやすいメディアにするにはジャンルを超えた交流が必要だと考えるのだ。
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