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素人だから言えることもある

Googleと神

  「オンリーワンの時代」に僕はこんなコメントを書いた。

CNET Japanのブロガー佐々木俊尚氏の著書「Google 既存のビジネスを破壊する」(文春新書)を読んでみると、最終的にGoogleは神になるという言葉に集約されます。ユビキタスとは「いつでも、どこでも、だれでも」使える技術ということですが、別名「神の遍在」と言われます。つまり、本当に手の届くところに欲しいものが存在するためには、その人が何を欲しがっているかを知らなければなりません。それぞれの個人情報を集めれば、究極の監視システムになります。そしてそれは神のみが許された行為なのです。したがって、人々が何を欲しがっているかを知っている神の存在を目指しているということになります。でも、そこまで許してしまえば、人間は退化するだけですが。
 このGoogleと神の関係を考えたとき、ひらめいたのが前項「Second Earthは神の視点」である。 「Google Earth」を見ていると、Googleは神の視点を目指しているのではないだろうか。

 さらに最近のCnet Japanで報道されたニュースのGoogleに関した一覧を見ると、大きなところでは「グーグル、NASAと提携--月面版Google Earthなどを開発へ」 から、身近なところではブログや書籍のデータ検索までも目指しているという。まさに人間のあらゆる情報・データを集めている。 ご存知のとおり、アメリカはキリスト教の国である。「テロリズムと神、幕僚長の奇妙な思想」などで、アメリカがイラク戦争に加担する理由を宗教に求めたことがある。簡単に言えば、イスラムのコーランにしても聖書にしても、全体で見れば平和を目指している。だが、戦争がその間で起こるのは、わざわざ人間のほうに都合のよい理由で曲解しているのではないかというものだ。

  一神教の国であるから、すべての人間の行動はキリストの意向に沿わなければならないはずだ。それなのに、在る者は、神の意向に反し戦争を繰り返し、在る者は神の存在まで昇ろうとする。それはいったいなぜか。僕は、「正義の見方」でこんな言葉を紹介した。

さて「スーパーマン」だが、その名の通り人間の能力を超越している。アメリカには強いものには神が味方するという思想があり(木村尚三郎「ヨーロッパの窓から」講談社)「神」によって「超能力」を与えられた「神の代理人」と考えることもできる。

さらに、「スーパーマン」は正義と真実のほかに「アメリカンウェイ」を守る「超人」であるという(小野耕世「スーパーマンが飛ぶ」晶文社)。「アメリカンウェイ」とは、アメリカ式の生き方のことで、これを簡単にいえば「とりあえずやってみることであり、行動と実践がすべて」ということだ(加藤秀俊「アメリカ人」講談社現代新書)。アメリカ人は、この生き方が一番すぐれていると思っている。「スーパーマン」が「強いアメリカ」の象徴として捉えられるのはその行動力のためである。

 この「アメリカには強いものには神が味方するという思想」は、一神教の国家ではどこにもあることだ。負けを認めた瞬間、その国家は成り立たないし、国民がいる限り、絶えず復讐を誓う。永久に戦争がなくならないのはこのためである。

  さて、なぜGoogleは神の視点を目指しているのかということだが、現代社会は成熟している社会で、それぞれの分野でわずかながらも利益を出している。しかし、そこに新たな分野を目指すGoogleが出現した。

Googleは既存の分野を破壊しなければ利益は見出せない。たとえば検索サイトは無料である。無料では利益は出ないので広告をつける。小さな検索サイトではそれなりの広告しか取れない。そこで、より強大な検索サイトになれば、すべての広告を取り込むことができる。

無料雑誌は数誌のときは、それなりに珍しがられて広告収入も増えた。ところが数が増えるにつれて、特徴がない無料雑誌は淘汰される。検索サイトでも同様である。絶えず一番にならなければ収入にならないのだ。ただ、だらだらと広告を並べても無駄である。必ず検索項目に関連した広告が出るようにしなければならない。できればそれぞれのユーザーの個人情報にアクセスしてユーザーの趣味にあった広告を出すことができれば、広告をクリックする確率も増える。地図があったほうがいいというのでGoogle Mapも作り、さらには「Google Earth」も作った。さらにYouTubeを買収し、メディアは拡大していく。一神教の国で一番になることは、結局神に戦いを挑むことなのである。
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