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Apple TVの衝撃 (家電屋VSコンピュータ屋、ホームサーバの戦い・第2章)

 昨年の1月、僕はすでに「家電屋VSコンピュータ屋、ホームサーバーの戦い」として、こんなことを書いた。

 お茶の間で新たな日米決戦が始まろうとしている。それは、アップル・マイクロソフトのコンピュータ屋とソニー・松下などの家電屋である。テレビの周りの重要な位置をどちらが占めるかを争っている。
 それはやはり、マイクロソフトXbox360、アップルのApple TV、一方、日本の家電メーカーは、薄型テレビのアクトビラや、PS3がこの戦いの武器として浮上することが決定的になりつつある。だが、その前哨戦が次世代ディスクの戦いだとは思われない。むしろ、この次世代ディスクの戦いを長引かせることによって、本番の戦いを有利に進めることを狙っていたのではないか。

 それは、「マイクロソフトの変心とコンテンツ配信の時代」のビル・ゲイツ氏のこの言葉である。

 それに、第3のプラットフォームがあります。最終的にはこれが勝利することに異を唱える人はいないでしょう。つまり、インターネットから直接ダウンロードするプラットフォームです。IPTVプラットフォームの「Microsoft Mediaroom」はこのやり方ですし、「Xbox LIVE」もそうです。 (「ゲイツ氏が語る「ソフトウェアがすべての中心となる」未来像(後半)」)
 それを受けて
ビル・ゲイツ氏のこの言葉は、HD DVD陣営から一歩身を引き、コンテンツ配信の次のステージに向かっていることを示している。
と示した。

 同じようにアップルのスティーブ・ジョブズ氏も、マックワールドでは、「MacBook Air」をメインに、さりげなくApple TVのPRをしたが、「MacBook Air」がiPhoneほど売れるとは思えない。むしろ、Apple TVがメインなのではないか。

 というのも、αブロガーの江島健太郎氏の「MacWorld Expo 2008の真打ちはApple TVだった」に、

「世間ではBlu-RayだのHD DVDだのが騒がれていますが、もはやコンテンツの配布手段としての物理メディアそのものが終焉を迎えつつあって、実はリビングルームでもネットとHDDが勝者になるんじゃないの?ということです。 」
と結論付けるとおり、ものの見事にはまる要素がApple TVに凝縮されている。

 まず、ディスクが要らない。HDDに保存する必要もない。このことは何を意味するか、それは日本が一生懸命、築き上げてきたブルーレイディスクのロイヤリティーを否定することになり、プレーヤーは売れない、レコーダーも売れない、ソフトも売れない、ショップも閉鎖という最悪の事態を引き起こしかねないことである。

 人間は、一度怠け者になると、そう簡単に外に出なくなる。ネットでダウンロードでき、しかも返す必要がなければ、わざわざショップにディスクを買おうとしないだろう。ある意味、アメリカの家電をつぶし、日本が奪ってきた消費者を、今度は、アップル・マイクロソフトのコンピュータ連合が奪還しにきたという形である。もし、アップルやマイクロソフトに先手を取られたら、コンテンツ配信といううまみもとられかねない。ディスクやレコーダーというコンテナーを離れ、純粋にコンテンツをメインに建て直しをしないとこの戦い、かなり苦戦を強いられるだろう。

 そして、CNET Japanの「iTunesのHD映画レンタル、Apple TVに限定?」

ハイディフィニション解像度(HD)映画は、Apple TVを使用するテレビでのみ視聴可能で、Apple TVから直接ダウンロードしなければなりません。
という規約に対して、
 みなさんはどう思うだろうか。わたしはなにか見逃しているのだろうか。これは、HDレンタル機能をApple TVに限定し、同製品をより多く販売するための計画なのだろうか。
と記者が嘆いているが、しっかりとマイクロソフトなどの他社対策をしているところもアップルらしいと思う。もうすでに戦いは始まっているのである。
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