PS3・Mac・Wiiの未来
PS3がブルーレイを捨てるとき
ネット配信が日常になるとき、より多くのSTBを取り付けたほうが勝ちになる。その点では、ゲーム機器が有利だ。ただ、一番多いWiiの場合、HD対応ではないので、ホームシアターには向いていない。なお、Wiiの変化には、後半で述べる。現在、アメリカでは、アップルテレビがHDレンタルを始めた。3ドルから5ドル程度でHD画質で見ることができる。iTunes Movie RentalsはiTunesの定評ある使いやすさを特長とし、iTunesで曲を購入するのと同様に、レンタルする映画を見つけて楽しむ事が手軽で簡単にできます。映画がレンタルされると、iTunes Storeから直接、iTunesやApple TVへのダウンロードが始まります。インターネット接続環境が高速であれば数秒後には映画の視聴を始められます。未視聴の映画のレンタル期限は最長30日間で、視聴を始めた場合は24時間以内に視聴を終了しなければなりません。24時間以内であれば、何度でも繰り返し視聴できます。(アップル Apple TV新ソフトウェア発表、映画直接レンタル)アップルテレビは現在定価36800円。このHDレンタルはアメリカのみのサービスとはいえ、日本の著作権問題が固まれば、いつ上陸してもおかしくはない。かつて、アップルテレビはMACが必要だった。今は、単体でもブロードバンド環境が整えば可能である。日本側は、これに対抗できるものがあるか。それぞれのプロバイダーのサービスするオンデマンドは、パソコンでインターネットを見る環境でなければ、理解できないだろう。アクトビラもテレビが限られる。
Xbox360がHD DVDをオプションのみにしたのは、きっと目的があったに違いない。それは、HD DVDドライブが価格のかなりの部分を占めるに違いないからだ。DVDドライブだけだから、かなり安く済ませることができる。もちろん、HDMIの制定を待っていては、売り抜けることができなかったという理由はわかる。今になって思えば、HD DVDドライブを採用したのは正解だった。
PS3は、ブルーレイディスクを世界に広めるために先導をしてきた。しかし、ゲームが、コンテンツ配信がメインになれば、ディスクを使わなくても可能である。ブルーレイディスクがいささか重くなってきた。PS3もまた、ネット配信端末普及のためにブルーレイを捨てることになるのではないか。
Macがキーボードを捨てるとき
MacBook Airは驚きと落胆の嵐に見舞われている。DVDなどの光学ドライブは捨て去ってしまった。「MacBook Airの“凸凹(デコボコ)”具合」で本田雅一氏はこんなことを書いている。AppleがMacBook Airという名前に込めたコンセプトは実に明快で、ワイヤレスがこの製品のキーワードになっていることは間違いない。無線LANとBluetoothを用いて、ワイヤーなしでコンピュータを用いるというコンセプトだ。アップルの方向は明確だ。アップルテレビでもハードディスク以外のディスクドライブは採用されなかった。MacBook Airもマウスがなかった。iPhoneやiPod touchの本来あるべきキーボードがなかった。つまり、iMacシリーズでもワイヤーの付いた姿ではなく、単体の美しさをひたすら追い求めてきた。そうなると、最終的な形は、インターフェースをタッチパネルにしたiPhoneのように、ディスプレイのみのパソコン。そう、キーボードはタッチパネルになる。
近い将来にはWireless USBを搭載し、USBポートも省略してしまうことがあるのではないだろうか。さらにWireless HDといった技術を用いれば、モニター出力もワイヤレス化可能だ。
Wireless USBとWireless HDはアプリケーションこそ異なるが、物理的なコネクションはUWB(Ultra Wide Band)技術を用いた無線通信で実現している。現状はそこまで周辺の状況が整っていないため、Bluetoothと無線LANの組み合わせで製品を構築しているのだろう。