夢幻∞大のドリーミングメディア

素人だから言えることもある

再び、ダークサイドに堕ちるグーグルとマイクロソフト

 マイクロソフトがヤフーに買収提案したことで、グーグルが反発しているという。

MSの米Yahoo!買収提案でGoogleが公式見解

 米Microsoftが米Yahoo!を446億ドルで買収する提案を行ったことに関し、米Googleは上級副社長で最高法務責任者のデビッド・ドラモンド氏の名前で公式声明文を発表した。

 この声明文は「Yahoo!とインターネットの将来」と題され、MSによるYahoo!への敵対的買収に疑問を呈している。

 この中でGoogleは、「MicrosoftとYahoo!が合併すれば、インスタントメッセージング(IM)とWebメールのアカウントで圧倒的なシェアを持つことになる」と指摘。「コンシューマーが競合企業の電子メール、IM、Webベースのサービスを自由に利用できないよう、PCソフトウェアにおける独占を利用して不当な制限を加えることができるのでは?」と主張している。

 一方、マイクロソフトの反論は
MSがGoogleに反論、「Yahoo!との合併なければ競争減る」
 Web検索市場は米Googleが支配しており、米Microsoftと米Yahoo!が合併しなければ、市場競争は減じるばかりだ——Microsoftは2月3日、このような声明文を発行した。

(中略)

 Microsoftは、Googleは現在Webの支配的な検索エンジン・広告企業だとし、各種の調査報告を引き合いに、「Googleは世界の検索広告市場で約75%のシェアを持ち、Web検索では米国で65%以上、欧州で85%以上のシェアを持つ。MicrosoftとYahoo!のシェアは米国で合わせて30%程度だ」とGoogleの市場優位を強調している。

 つまり、グーグルは、マイクロソフトはメールのシェア独占を狙っているのではないかと反発しているのに対し、マイクロソフトはそれには答えず、検索広告の分野のグーグルのシェアにのみ答えている。

 先ほどのMSの米Yahoo!買収提案でGoogleが公式見解からグーグルの反論の一部を取り出してみる。

 インターネットのオープン性はGoogle、そしてYahoo!を作り上げた。ユーザーが使えると判断したよいアイデアは急速に広まる。そのアイデアを基にしたビジネスが生まれ得る。絶え間ないイノベーションからユーザーへのメリットが生まれる。そのおかげでインターネットはこのようにエキサイティングな場所になっているのだ。

 だからMicrosoftのYahoo!への敵対的買収は憂慮すべき問題を投げ掛ける。これは単に財務的取引、1社が別の会社を乗っ取る以上のことを意味する。インターネットの基本理念であるオープン性とイノベーションを残せるかどうかという問題なのだ。

 MicrosoftがPCでやってきたのと同じように、インターネットにおいても不適切で違法な影響を行使できるようになるのではないか? インターネットは競争下におけるイノベーションに報いてきたが、Microsoftはしばしばプロプライエタリな独占を確立し、その独占的地位を利用して隣接する新しい市場に乗り出そうとしてきた

 法律と規制に対して重大な攻撃を仕掛けてきたMicrosoftの歴史があるにもかかわらず、Yahoo!の買収が成立するとすれば、ブラウザやOSにおける不公正なやり方がインターネットにも拡大するのではないか? さらに、MicrosoftとYahoo!が合併すれば、IMとWebメールのアカウントで圧倒的なシェアを持つことになる。また、両社はインターネット上における最もトラフィックの多いポータルを所有する。両社が合併すれば、コンシューマーが競合企業の電子メール、IM、Webベースのサービスを自由に利用できないよう、PCソフトウェアにおける独占を利用して不当な制限を加えることができるのでは? 全世界の政策立案者はこうした質問をすべきであり、コンシューマーは満足のいく回答を得られなければならない。

 マイクロソフトは、競争がすべてであり、グーグルはインターネットはオープンでなければならないから、マイクロソフトの手法そのものが問題だと論じているのである。しかし、お互いにどちらが独占的かを言い合っているように見えて仕方がない。

ここで、「ダークサイドに堕ちているのはグーグルか、マイクロソフトか。」からジョージ・ルーカスの言葉を引用してみよう。

 アナキンが抱えている問題の根源は、執着を捨てられないことにある。諦めをつけ、自分の人生を歩むべきことに気がつかない。厭だからというだけで、太陽が昇るのを止めることはできないのだ。しかし、アナキンは執着することでさらなる力を追求し、ついには宇宙を支配できると考えるところにまで行き着いてしまう。それこそが彼の真の転落であり、悪になるということでもある。そしてその結果、彼はすべてを失ってしまうのだ。(ジョージ・ルーカススター・ウォーズエピソードⅢシスの復讐」プログラムより)
 企業は理想に向かって執着していかなければ生き残れない。もし、他者を押しのけても生き残ろうと思った瞬間に悪に変わる。そこはダークサイドである。ダークサイドに堕ちると、執着を捨てられなくなる。そこには様々な誘惑がある。神にも悪魔にもなれるのだ。

 どれほど素晴らしい理想を掲げていても、後に続く者がいなければそれは独占と変わらない。独占とは支配者になることである。相手を独占者だと言って競っているうちに、いつの間にかダークサイドに堕ちていないだろうか。

 マイクロソフトの後に続くものは誰か、グーグルの後に続くものは誰か。なぜこうなってしまったのか。
ブログパーツ