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素人だから言えることもある

環境番組の自己矛盾

テレビ朝日で「地球危機2008」を見た。今年は洞爺湖サミットで地球温暖化を取り上げるので直前に放送したのであろう。NHKもエコ問題に取り組むという。各民放もいっせいにとりあげ始めている。

しかし、どうしても違和感がぬぐえない。それは、24時間のチャリティマラソンにもつながるものだ。地球温暖化をとりあげるのだったら、なぜ、消費文明の矛盾を取り上げない?そして、消費文明の元凶たるスポンサーを断らないのか?ただ、地球の危機的状況をリポートすれば事足れりという報道姿勢は何なのか?

ぼくは「地球にやさしい」という欺瞞でこう指摘した。

 「生産を増やしてごみを減らす」というのは、矛盾している。ものをたくさん買ってもらって、それを捨てて、新しい商品を買ってもらう。それが、消費文明の基本である。たくさん買ってもらうには、生産量を増やさなければならない。それで、従業員を増やすことができ、職の確保もできる。賃金が上がれば、商品を購入できるし、その結果会社も儲かる。国家としても、法人税や所得税で潤うし、万々歳である。


 一方、「ごみを減らす」には、まず、商品の購入を減らさなければならない。家という限られたスペースで、どんどん商品を買い込んでいけばたちまちパンクしてしまうからだ。しかし、それでは会社としては、商品は売れなくなり、生産を減らさなければならない。従業員を減らし、賃金も減る。賃金が減れば、商品を買うこともできない。(「地球にやさしい」という欺瞞)

しかも、CMでは、「私たちはCO2削減に取り組んでいます」のオンパレードである。テレビ朝日として、地球温暖化に本気で取り組む気なら、スポンサーを断った上で、消費文明の矛盾を取り上げるべきである。そして、放送局としていかに欺瞞に満ちた報道をしてきたかを自己反省すべきである
 人間が、「地球」「環境」「自然」などという言葉を使うことには要注意である。なぜなら、人間は人間のことしか考えていないからである。45億年の地球の歴史を見ても、地球の自然の厳しさの中で、人間が作った文明などほんの一瞬でしかない。地球温暖化問題でよく地球の危機が迫っているといってるが、正確には人類生存の危機であって、地球の危機ではない。このような言葉を使って、商品を売ろうなんてするメーカーも、消費者も地球を馬鹿にしている。だから、「地球にやさしい」「環境に優しい」は、「人類にやさしい」とか「人間にやさしい」とか言い換えたほうがいい。(「地球にやさしい」という欺瞞)

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