夢幻∞大のドリーミングメディア

素人だから言えることもある

エコと自動車

 昨日のTV東京のWBSを見ていて、二つのことを考えた。前半部分で、4人の経営者が不況の脱出に関しての討論をしていた。その中で、ある経営者が「右肩下がりのときは思い切った改革ができる」という発言をしていた。なるほど、「簡単に、ワーク・シェアリングと言うけれど」などで、最近、ワーク・シェアリングの話をしているが、前の不況のときにもワーク・シェアリングの話が出たらしい。しかし、いつの間にか、不況が終わってバブルになったのでこの話は立ち消えになった。不況がいつまで続くかわからないが、本気でこの論争が起こるかどうかは見ものであろう。

 それより、ニュースで話題になったのは、アメリカ最大の自動車ショーだった。自動車不況の中で、各自動車会社が狙っているのは、エコカーらしい。ハイブリッド車の時代は越え、電気自動車が主流になるかもしれないというのだ。そういえば、ローソンが150台、電気自動車を導入するなんて話もあった。要するに、ガソリンを燃やしてCO2を出すよりも地球に優しいというのである。しかし、僕は、この話は理解できない。本当のエコを狙うのなら、車を買わないことだからだ。僕は、「地球にやさしい」という欺瞞でこう書いた。

 「生産を増やしてごみを減らす」というのは、矛盾している。ものをたくさん買ってもらって、それを捨てて、新しい商品を買ってもらう。それが、消費文明の 基本である。たくさん買ってもらうには、生産量を増やさなければならない。それで、従業員を増やすことができ、職の確保もできる。賃金が上がれば、商品を 購入できるし、その結果会社も儲かる。国家としても、法人税や所得税で潤うし、万々歳である。

 一方、「ごみを減らす」には、まず、商品の購入を 減らさなければならない。家という限られたスペースで、どんどん商品を買い込んでいけばたちまちパンクしてしまうからだ。しかし、それでは会社としては、 商品は売れなくなり、生産を減らさなければならない。従業員を減らし、賃金も減る。賃金が減れば、商品を買うこともできない。

 車を買うということは、車を買い換えろということである。買い換えれば、当然、古い車は中古車になる。中古車センターに行こうと、廃車しようと、結局は地球全体から見ればゴミが増えることを意味する。確かに、買った人間は、CO2を出さないから、地球に優しいと思っているのだろうが、ゴミが増えるのには変わりはない。また、売り払った車は外で盛大にCO2を吐き出す。地球全体から見れば、少しも「地球に優しい」わけではない。

 さらに「地球にやさしい」という欺瞞では、こうも書いた。

地球温暖化問題でよく地球の危機が迫っているといってるが、正確には人類生存の危機であって、地球の危機ではない。このような言葉を使って、商品を売ろうなんてするメーカーも、消費者も地球を馬鹿にしている。だから、「地球にやさしい」「環境に優しい」は、「人類にやさしい」とか「人間にやさしい」とか言い換えたほうがいい。
 だが、エコカーは本当に人間に優しいのだろうか。衝突しても人間をひき殺さない車を作らない限り、「人間にやさしい」車なんては言えないだろう。つまり、エコカーとは、地球にも人間にも優しくない車なのである。
ブログパーツ