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素人だから言えることもある

バイ・アメリカンの恐怖

 どうやら、日本の景気はアメリカに左右されているらしい。アメリカの景気対策に「バイ・アメリカン」という言葉が入ると、日本の製造現場がたちどころに成り立たなくなるらしいのだ。もともと、大盤振る舞いしてくれる(貯金することを忘れて日本の商品を買ってくれるアメリカの)得意客を当てにしている日本の製造業こそ間違っていると思うのだが。

 この「バイ・アメリカン」が条項に入るとどうなるか。外国製品は高い関税をかけてシャットアウト。やっと円高の危機を乗り越えても、これでは困るので、アメリカ国内に製造現場を移してアメリカ人を雇うことになる。おかげで、日本にはますます雇用がなくなる。政府も、法人税や所得税は取れなくなる。

 でも、こういうときこそ今までの考え方を変える時期ではないか。外国任せの考え方を変え、輸出で儲けることより、もっと自分たちの頭を使ったユニークな内需拡大のアイデアを搾り出すときではないか。現在の日本人は、過去の成功体験に任せたために、自ら考える習慣を失っている。僕は、「先のことを考えられない人たち」の中で、

(1) 自分勝手の論理(客観性の喪失)
(2) 明日のことを考えない(展望の喪失)
(3) 自分が何をしなければならないのかを考えない(責任の喪失)
の3つのことをあげ、自ら考える勇気を失っていると書いた。かつて、頭のよい人は、自ら考える人であったはずだ。ところが、今では、全く役に立たない知識をたくさん持っている人間が頭がよいと思っている。知識は使わなければ役に立たないのである。知識を使うとは、その知識を材料にして新しい知識を組み立てて考えることであったはずだ。知識の量が問題ではないのだ。

 今は、過去の経験が役に立たない時代である。逆に言えば、今まで成り立っていたことなど、これからも成り立つことなどないかもしれない。でも、人間は「考える」ことで、道を開いてきた。他人の常識など、投げ捨てて自分の考えを試すよいチャンスでもある。
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