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FF7がメディアを動かす(ホームサーバの戦い・第27章)

一つの作品がメディアの流れを変える

 ゲームの世界では、FF VIIという作品が、プレイステーションの命運を決めた。僕は、かつて「FF VIIとプレイステーション」で、こう書いた。
 FF VIIによってプレイステーションの命運が決められたといってよい。当時、スクウェア(エニックスと合併する前)は、任天堂サードパーティの中ではスーパーファミコンを牽引する主力企業であった。しかもこのFF VIIは本来NINTENDO64で発売する予定だったという。(中略)時代の転換点には、必ずそれを象徴する作品や人間が現れる。「FF VII」もまた、その役割を担っている。
 そして、この10年も前の作品、またもや登場してきた。今回は、ゲーム・アーカイブスという形で1500円でダウンロードできるという。
 FF7:ダウンロード販売開始 PSネットワークで
 スクウェア・エニックスは10日、世界で990万本を出荷したプレイステーション(PS)用ゲーム「ファイナルファンタジー(FF)7」を、ゲームダウンロードサービス「プレイステーションネットワーク」で販売し始めた。
 FFは、世界で約8500万本を出荷した日本を代表するRPG。FF7は、巨大企業「神羅カンパニー」が支配するミッドガルを舞台に、カンパニーに対抗する組織に雇われた元エリート兵士のクラウドの冒険が展開する。97年に発売され、美しいグラフィックと、ヒロインの一人が志半ばで倒れるなど劇的な展開で世界的な大ヒットを記録、映像作品「アドベントチルドレン」など派生作品が数多く作られた。ダウンロード版はPSP、PS3でプレー可能で1500円。
 前回が、プレイステーション1億台を達成するきっかけになった作品であるとすれば、今回の登場は、コンテンツダウンロードのきっかけにしようというものである。わざわざ、この作品が10年ぶりに登場するのは、FF7の派生商品「FF7アドベントチルドレンコンプリート」というBD作品を4月16日に発売するのを記念してのイベントで発表したものだ。(「FINAL FANATSY VII ADVENT CHILDREN COMPLETE」の試写会で発表--PS Storeのゲームアーカイブスに「ファイナルファンタジー VII」が登場!を参照)

WiiとDSもダウンロードでつなげる?

 PSのダウンロードの特徴は、同じコンテンツをPS3とPSPの両方で共有することができるというものである。自宅では、ハイビジョンの大画面で楽しみ、屋外では携帯ゲーム機のPSPで操作できる。ゲームは、時間がかかるものだ。一日中、テレビの前に縛られていては、何もすることができない。これが主流になることは当然考えられるであろう。一方、任天堂
 2008年の終わり頃、任天堂は日本で動画ダウンロードサービスを開始し、PlayStation 3Xbox 360のゲーム以外のエンターテインメントコンテンツに挑戦することが明らかになった。この情報は、2008年のクリスマスに日経新聞社が初めて報じたもので、4月7日にWall Street Journalが報じた岩田氏のコメントによれば、同社の動画ダウンロードサービスは順調に準備が進んでいるという。
 岩田氏は同紙に対し、「これは広告ベースの動画サービスになる予定で、われわれにとっては初めての試みだ」と述べ、さらに「そして、もしWiiとDSが接続されれば、Wiiを通じてダウンロードした動画をDSで持ち運ぶこともできる」と付け加えている。動画がDS用の形式になるのかどうか、動画転送のための接続がPS3のリモートプレイ機能と同様のものになるのかなどは明らかになっていない。リモートプレイ機能を使うと、プレーヤーはPSPからウェブ経由で非Blu-ray動画コンテンツにアクセスできる。(任天堂がWiiからDSへの動画ダウンロード機能を検討中)
  当然、このコンテンツのダウンロードの方法はゲームに限らない。欧米では、すでに「セカンドセッション」という言葉で広まっているという。

セカンドセッションが主流になる

IT評論家の本田雅一氏は、IT MediaのTV Styleの「ダウンロード配信、IT業界と映画業界の隔たり(2)」の中で、最近、欧米関係者とのやり取りで「ダウンロード」の意味が変わり、話が合わなくなったという。
 話が合わない理由は、1年ほど前から米国では、PCやWindows Media対応プレーヤー、iPodなどに映像を“ダウンロード”するための専用DVDが添付されることが多くなり、これを”ダウンロード”と表現することがあったからだ。
 ダウンロードと呼ぶ機能はさまざまな名前で呼ばれており、機能の名称としては一昨年末ぐらいから、「セカンドセッション」といったキーワードが使われていた。セカンドセッションとは、通常、映画を楽しむ場とは別のところで楽しんでもらうことを意味している。実際のパッケージには「Digital Copy」という言葉がパッケージに記載されていることが多いが、発売元によっては異なる表記をしている場合もある。
 いずれも本編を収録したDVDビデオやBD-Video規格に沿ったディスクとは別に、DVDが添付される2ディスク構成になっており、PCにコピーした動画ファイルの鍵を開けるIDを印刷した紙が入っている。ユーザーはこのIDを入力してインターネット経由で認証を得ると、携帯プレーヤーやコピーしたPCで視聴可能になる。(本田雅一のTV Style:「ダウンロード配信、IT業界と映画業界の隔たり(2)
 本田氏によると、近々日本でも実現するという。
 なお、日本でも同様の機能を持たせたパッケージソフトが登場する見込みだ。日本市場の事情を考慮して、携帯電話向けにmicro SDメモリーカードなどにコピーして携帯電話で再生するといった使い方も想定しているようだが、専用DVDは添付されない。充分に高速なインターネットが普及している日本では、DVDを添付してコストを上げるよりも、インターネットからダウンロードした動画ファイルの鍵を印刷して添付しておくだけの方が効率がいいからだ。(本田雅一のTV Style:「ダウンロード配信、IT業界と映画業界の隔たり(2)
  しかし、ゲームと違って、映画やドラマをわざわざ同じものを2つ見るだろうか。もちろん、途中まで見て、次が気になるという意味なら、わからないでもない。そんなことするくらいなら、違ったものを用意するか、ワンセグ携帯を見ると思うのだが。

 ところで、ソニーでは、録画した映像をウォークマンやPSPなどに「おでかけ転送」し家の外でも楽しめる、「アクトビラ」で購入した映像の転送にも対応したブルーレイディスク/DVDレコーダー(BDZA950)が4月24日から発売する。
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