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モーション・コントローラ(カメラ)戦争(ホームサーバの戦い・第28章)

マイクロソフトとソニーのモーション・コントローラ

 6月2日からロサンゼルスで開かれているE3(Electronic Entertainment Expo)で、マイクロソフト任天堂、ソニー・コンピュータ・エンタテイメント(SCE)の三社によるカンファレンスが開かれた。そこで、三者三様のモーション・コントローラの話題で持ちきりになった。たとえば、マイクロソフトは「Project Natal」というもの。

これは、Wiiのようにコントローラを必要としない。

マイクロソフトは、E3のプレスカンファレンスで、Xbox 360用の新型周辺機器となるモーションコントロールカメラ“Project Natal(コードネーム)”を発表、コントローラーが存在しない革新的なゲーム環境として、紹介映像やステージ上での実演操作を公開しました。
テレビに設置するセンサーは一見するとWiiのセンサーバーと良く似ていますが、Project Natalではプレイヤーの体の動きやオブジェクトを3Dで認識するだけでなく、人間の顔や声までキャプチャーすることが可能。スポーツや格闘ゲームはもちろん、見えないハンドルを操作してレースゲームをプレイしたり、歌ったり踊ったりすることもできます。(gamespark E3 09: マイクロソフト、噂のモーションカメラ『Project Natal(仮)』を発表)
また、SCEは、PS3用カメラ、Playstation eyeを使ってデモをした。こちらにはEye Toy開発者のリチャード・マークス氏が登場した。
「ここからは今年の年末商戦の話ではなく、数年後の未来の話をいたしましょう。ここ数年、注目されてきているのはモーショントラッキングでゲームをプレイする技術です。ソニーもこの分野に対しては早くから開拓を行なってきました。PS2では『EyeToy』を、PS3でもビデオカンファレンスとゲーミングコントローラとして使えるCCDカメラ『Playstation EYE』を提供いたしました。そして、今回、これらをさらに拡張したアイディアである『プレイステーション・モーションコントローラ(PSMC)』を紹介したしましょう」(Tretton氏)。
Wiiの大ヒットの影響もあって「カジュアルゲーマーにはモーショントラッキングが向いている」という定説が浸透しつつあり、ハードコアゲーマー以外のカジュアルユーザー層拡大に向けてMicrosoftも今回のE3で、独自のモーショントラッキングシステム「Project NATAL」を発表したばかりだったが、SCEもこれに続いてきた格好だ。
今回の「PSMC」デバイスの開発担当は「EyeToy」の開発で知られるリチャード・マークス博士
「PSMC」デバイスはカラオケマイクのような風貌で、握り手の部分が棒状になっており、マイクのように握って持って使う。棒状のてっぺんにはライトを内包した球体が取り付けられており、スティック上のボタンを押すことで球体の発光色は切り替わるようになっている。
このマイクのような「PSMC」デバイスはあくまでエンジニアリングサンプルであり、最終的な製品版はより洗練されたデザインになる予定だということが強調された。
内部にはモーションセンサー(傾斜センサーや加速度センサー?)が取り付けられており、どういった向きでどういった方向にどのくらいの速度で振り回されているかがホスト側に伝達できるようになっている。(E3 2009 SCE PRESS CONFERENCE レポート・その1(PSP go、モーションコントローラー編)PSP go発表。同時にPSPビッグタイトルも続々。SCEもWii対抗のモーションコントローラーを発表)
こちらは、コントローラがしっかりあり、製品時にはもっとましなデザインになることに期待しよう。

マイノリティ・リポートを目指して

さて、両者ともWiiの成功を気にして似たようなデバイスを発表したようにも見える。しかし、ソニーはもともと「EyeToy」の技術があり、リチャード・マークス博士を筆頭にさまざまなアイデアを駆使してきたので、任天堂のセンサーバーとは一味違っている。それにしても、マイクロソフトは、なぜこのような技術が開発されたのか。それは、CNET Japanのこんな記事があった
Microsoftはユーザーが身体の動作でゲームを操作できる、「Xbox 360」用のビデオカメラを発表する予定だという。内容が事実であれば、Microsoftが任天堂と同社の革新的な「Wii」に狙いを定めていることは明らかだ。2006年後半に発売されたWiiは、モーションセンサを搭載したコントローラでゲーム業界を驚かせた。
新しいカメラは、Microsoftによる買収が報じられたイスラエルの新興企業3DVの製品である可能性がある。3DVは、モーションセンサを搭載したカメラを開発した実績を持つ。
Microsoftが3DVに関心を持っているのは任天堂とWiiに対抗したいからだという憶測が何カ月もの間、飛び交った。しかし、両社とも、そうした憶測が事実であると認めてはいない。Microsoftは12日、WSJの記事に関してコメントを避けた。
WSJによると、「新しいカメラはMicrosoftの巨大な研究部門で開発された技術をベースにしている」という。同紙はさらに、「Microsoftが先日、3Dカメラを開発実績を持ち、関連特許を保有する3DVを買収した」とも付け加えた。(マイクロソフト、モーションセンサ搭載カメラでWiiに対抗か--WSJ報道)
もともと、マイクロソフトは、タッチパネル技術に関心を寄せていたことは、「iPhoneやDSが暗示するタッチメディアの可能性」でも触れた。
また、マイクロソフトは「Microsoft Surface」なるものを発表した。これはCNET Japanで「これが未来のテーブルか?--MS、テーブル型PC「Microsoft Surface」を公開」という記事になっている。

Microsoftは米国時間5月29日、製作に5年を費やし、ハードウェアとソフトウェアの両方を自社で開発した「Microsoft Surface」(開発コード名:「Milan」)の全貌を明らかにした。Surfaceでは、テーブル型のマシンの天板にPCの画面が投影され、マウスやキーボードを用いることなく操作できる。指先で軽く触れるだけで何でもでき、SFスリラー映画「マイノリティ・リポート」に登場した技術の一端を垣間見せてくれるマシンだ。同社では、これが未来の「サーフェスコンピュータ」の第1号になると期待を寄せている。(これが未来のテーブルか?--MS、テーブル型PC「Microsoft Surface」を公開)

ここで触れられている「マイノリティ・リポート」とは何か。原作は、フリップ・K・ディック、監督はスティーブン・スピルバーグ、主演は犯罪予防局の刑事をしているトム・クルーズだ。刑事たちが、透明なパネルの前で様々な資料を映し出す。それを、拡大したり、動かしたりして検討しているシーンがある。

映画のシーンを見ると、動かし方は、マイクロソフトの「Surface」に似ているようにも見える。だが、クルーズは画面に直接タッチしていない。また、コントローラがないから、むしろ、「Project Natal」に似ている。何もないとかなりの慣れが必要だろう。ともかく、素人にはコントローラがあったほうが使いやすいようにも見える。

すべては、日常化のために

ゲーム機器がなぜ、こんなデバイス開発に血道をあげるのか。それは、テレビと違って、ゲーム機器はやりたいソフトがなければ、すぐに、しまわれてしまうからだ。インターネットにつなげるのもそうである。常に、テレビの前にあるから使ってみようと思う。押入れやおもちゃ箱に入ってしまったら、もうひとつ手間がかかる。テレビは、漫然とその前に座っていればいい。ゲームは違う。積極的に動こうと思う必要があるのだ。Wiiは今回のECで「Wii Vitality Sensor」なるものを発表した。
今回の新ハードウェアとなった「Wii Vitality Sensor」は、Wiiリモコンと接続する新しいコントローラーで、指を入れて脈を認識するもの。任天堂株式会社代表取締役社長の岩田聡氏は、「かつて私たちが『Wii Fit』で身体の外面のバランスを見えるようにしたように、この『Wii Vitality Sensor』は身体の中に関する情報を目に見えるようにするのです」とコメント。この場では「Wii Vitality Sensor」の写真が公開されただけで、実物やそれらを用いたソフトウェアについては一切公開されなかった。今後どのように活用されるか注目したいところだ。(「Nintendo Media Briefing」レポート ハードウェア編 新インターフェイス「Wii Vitality Sensor」が登場。「Wii Fit」新作と「Wii Sports Resort」の最新情報も公開)
ますますWiiは健康器具に近づいたようだ。ゲーム機器としては「?」だが、健康を日常的に知るということは、Wiiの日常化には役立つのだろう。
ゲームは興奮、刺激を与えるものだったが、これからはゲームが緊張をほぐし、安眠をうながすものになるかもしれません」(『脳トレ』、『Wii Fit』に続く任天堂のアプローチ、脈拍計(?)Wii Vitality Sensorを発表
任天堂、岩田社長のE3での言葉である。
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