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素人だから言えることもある

ニュースをコンテンツとして売る!

times peopleの試み

 「皆、気がついてしまった。インターネットでは、ニュースは誰も儲からないことを。」で考えたことは、オリジナリティのない警察発表や政府発表のようなストレートニュースは、一斉に各社同じニュースを流すので、有料化は不可能ということだ。その点で、セマンティック・ウェイブ 野村直之(メタデータ)氏の「朝日新聞への提案 〜5W1H分離で再有料化」は、問題が大きいと考える。まず、抜け駆けが許されず、一社でも無料報道で抜いてしまったら、そこから情報は只漏れとなる。また、そういう発想は一種の記者クラブの発想と同じで、国民の知る権利を阻害し、政府による報道操作を助長しかねない

 それでも、ニュース・メディアは広告収入以外の収入の方法はないか。そこで見つけたのは、KNN神田氏の「New York Timesの"times people"で知る"ソーシャル・ニュース" 」の記事だ。ニューヨークタイムズは、様々な模索を経て、神田氏を編集長にしたニュースコーナーを作っているという。

nytimes.comは、いち早く、有償化に挑み、いち早く、一般記事を無料でコラムを有償化。そして、またいち早くすべてを無償化…。ニューヨークタイムズにとっては、ウェブが誕生してから、幾度もビジネスモデルの見直しを迫られ続けてきている。(New York Timesの"times people"で知る"ソーシャル・ニュース" )
で、現在行っているこのtimes peopleでは、
これは、ボクが編集している、ニューヨークタイムズのサイトだ。
ここでは、自分が編集長になれるマイページを作ることができる。(New York Timesの"times people"で知る"ソーシャル・ニュース" )
大変、面白い試みである。膨大なニューヨーク・タイムズの記事の中から、自分好みの記事をセレクトし、それを友人に知らせることも出来るニューヨーク・タイムズの編集長がセレクトした紙面ではなく、一読者がセレクトした紙面なのだ。このようなことが出来るためには、ニューヨーク・タイムズの各記者の記事の傾向性や趣味などに精通しなくてはならない。それだけ、ニューヨーク・タイムズにはスター記者が多いということだ。

新聞とインターネットのニュース

 新聞とWebのITニュースの違いを考えれば、新聞の報道が事実を淡々とつらね、いささか冷ややかなのに対して、ITニュースでは、むしろ読者の嗜好に近く、発売されたグッズやニュースに対して、愛情を持って接していこうという記事が多い。当然、一般記事とITグッズではニュースの対象が違うので、一概に言い切れないが、少なくとも、日本の新聞では冒頭の記事のようなスター記者は出にくいのではないか。国民性から言って、「俺が俺が」というよりも、新聞のカラーを大事にしようと考えているのではないだろうか。だが、インターネットのニュースでは、それがむしろ無個性に映る。インターネットにより、ニュースの方向性が変わったのである。ところが、新聞がインターネットメディアに対しても、同じような取り組み方をするから、読者から嫌われる。

 新聞もまた、インターネットでは様々な取り組みをしていかなければなるまい。ニュース記事が膨大になれば、それを編集する手間も膨大になる。ところが、読者は自分に都合の良い記事を短時間で読みたいと思っている。したがって、"times people"の試みは、日本でも行われるだろう。だが、無個性な記事ではその意欲も失われてしまうのだ。

 一方、CNETの記事でも注目記事がある。「山根康宏の中国トンデモケータイ図鑑」なる記事がそうだ。これもまた、ケータイに対して、愛情が溢れている。何しろ、編集長によると収入の7割をケータイに費やし、500台以上というのだから、半端ではない。一度、デパートの催事場で展示会を開くのも面白いかもしれない。ドコモ・ソフトバンク・auの協賛で。

ニュースをコンテツにするということは

そのニュース・メディアでしか読めない有用な記事を多く出すということだニューヨーク・タイムズでは、一時、コラムを有料化したそうだが、おそらく、そのため読者が離れていったのであろう。どこまでの記事を有料化し、どこからの記事を無料化するか。その線引きは難しい。しかし、この記事は、誰々の記事だねというスター記者を多く排出することだ。そうすれば、おのずとそのニュース・メディアの方向性は定まり、道は開けるだろう。
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