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素人だから言えることもある

Digital Copy (PSP&PS3 only)の謎(ホームサーバの戦い・第49章)

ブルーレイディスクに付いている変なDVD

 1月22日発売のX-MENシリーズの最新作「ウルヴァリン」の初回特典として、
Digital Copy (PSP & PS3 only)※2012年2月2日まで有効(X-MEN ZERO〔初回生産限定:デジタル・コピー付+キラーパッケージ仕様〕 [Blu-ray] )

が付いてくる。しかし、(PSP & PS3 only)の意味がわからない。もし、PS3用だったら、わざわざデジタル・コピーなんてものは必要ないし、PSP用だったら、UMDメモリースティックでなければならない。そもそも、PS3やPSPを持ってない人にこんな無用の物を買わせるのもおかしい。そこで、このDigital Copy (PSP & PS3 only)について調べてみた。AV Watchにこんな記事があった。
 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン株式会社は、2010年1月22日に発売する「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」のBlu-ray版に、特典を追加すると発表した。プレイステーションポータブル(PSP)、PlayStation 3(PS3)で再生できるデジタルコピー用ファイルを収録した、特典DVDが付属する。
 BD版は、「ウルヴァリンX-MEN ZERO」のみを収録したもの(FXXA-38602/4,990円)に加え、シリーズ3作品も追加した「クアドリロジー ブルーレイBOX」(FXXA-42527/12,800円)も発売されるが、デジタルコピー用DVDはどちらにも付属する。ただし、どちらも初回版のみの付属となっており、BOXの方は商品自体が初回生産限定。通常版の方は、初回版以降はデジタルコピーDVDとアウターケースが無いバージョンへと切り替わる。
 また、BD版発売後の2010年2月3日にはDVD版も発売される。その中の、「2枚組特別編 初回生産限定」(FXBA-38602/3,990円)にもデジタルコピー用ファイルを収録。こちらは本編ディスクと特典ディスクの2枚組で、デジタルコピー用ファイルは特典ディスクの中に追加される。(「X-MEN ZERO」BD/DVDの特典にデジタルコピー追加 −PSP/PS3用の本編ファイルを収録。FOX発売)
 ますます、わからなくなった。このDVDには映画本編ではなくて、デジタルコピー用ファイルが入っているらしい。そもそもどんな形のものだろうか。まあ、自分で買えばわかるはずだが、既に映画館で見てきた自分は、わざわざ買おうとも思わない。FOXではないが、ソニー・ピクチャーの「ターミネーター4」のデジタルコピーの記事があった。この場合は、DVDではなくて、BDに含まれているということだ。
PS3にBDメディアを入れると、XMBの[ビデオ]にブルーレイ本編とDigital Copyの2つのアイコンが表示されます。

→デジタルコピーのアイコンを選択すると、「PS NetworkにサインインしてHDDにコピーすると利用できます。」という説明が表示されるのでこれを了承すると、PS Networkにサインインしてコード番号入力画面になります。

パッケージに同梱されているプロダクトコードを入力すると、認証を行った後に、Blu-ray Discに収録されているSD解像度の本編映像がPS3のHDDにコピーされます。

→今度はPS3からPSPgoにこの映像をコピーしてみます。PSPへのコピーは非常に簡単で、PS3に機器認証済みのPSPをUSBで繋いでコピーを選択するだけ。(ポケットニュース ブルーレイ「ターミネーター4」特典のPS3/PSPへのデジタルコピーを試してみた)

 つまり、デジタルコピー用ファイルの映像を見るには、PSNのIDと認証済みのPSPが必要となってくる。制限として、次のような言葉が書いてあった。
期間限定サービス
PS3/PSP限定で、iPodや携帯電話などへの転送は不可
セル・ブルーレイディスクのみの限定特典、レンタルの場合は利用不可
PS3をネットワークに接続してPlayStation Networkへのサインインが必要
PS3にコピーする際には付属のプロダクトコードの入力が必要

プロダクトコードの認証は1回のみ有効で、コピーしたファイルを削除すると再度利用は出来ない
コンテンツをUSBメモリなどにバックアップすることは可能
PS Networkアカウント1つに対して機器認証できるPSPは3台まで
機器認証されたPSPへのコンテンツのコピー回数制限はなし
PS3/PSPにコピーしたコンテンツに視聴期限なし(ポケットニュース ブルーレイ「ターミネーター4」特典のPS3/PSPへのデジタルコピーを試してみた)
 おそらく、今回の20世紀フォックスの場合も同じような仕組みだと思われる。AV Watchで西田宗千佳氏は、アメリカでこのようなデジタルコピーが流行る原因として、
 映像を見る場所は、リビングばかりとは限らない。iPodPSPといった、映像再生を念頭に置いたポータブルデバイスの一般化により、移動中に映像を見る、という形は定着しつつある。
 だが、見るためのソースをどこから入手するのか、というのは、非常に微妙な問題をはらんでいる。テレビ録画を変換する、という考え方もできるが、デジタル放送開始以降は難題も多い。また、通常のDVDやBDの場合、映像をポータブルデバイスに転送するのはむずかしい。映像配信が充実しているなら問題はないが、決してそういうわけでもない。
 というわけで、携帯映像プレーヤーで視聴されている映像の多くは、DVDビデオのコピーガードをかいくぐって「リップ」した上で再エンコードした映像か、ネットから”様々な”手段でダウンロードした映像、というのが現状だろう
 これは、ユーザーにとってもコンテンツホルダーにとっても頭の痛い問題である。
 コンテンツホルダーは、ビジネス拡大のために様々な場所で映像を利用してもらいたい一方、違法コピーを推奨するわけにはいかない。また、多くの一般人にとっては、技術的に習熟を要するテクニックが必要となるため、面倒で使いづらい。なにより、「自分が買った」ディスクの映像を見るのに、違法コピーまがいのテクニックを使って映像を取り出さねばならないというのは、正直なにか間違っている
 このような問題を解決するために、今年に入ってから米国で採用が始まっているのが「デジタルコピー」「セカンドセッション」と呼ばれる技術だ。
 これは、簡単にいえば、PCやポータブルデバイス向けの映像ファイルをDVD/BDソフトと一緒に販売する
、というものだ。中には、映像と同じディスクに、PCなどでのみ読める別セッション(第2のセッション)として保存されていることから、これらを総称して「セカンドセッション」と呼ぶことが多い。(西田宗千佳の— RandomTracking —映像ソフトからポータブルデバイスへ「転送」 新潮流「デジタルコピー」の可能性を探る)
 これは2008年の記事であり、1月のアップルと20世紀フォックスが導入を発表した「iTunes Digital Copy」が注目を浴びてきたという。

PS3とPSPのセカンドセッション

 すでに、「ホームサーバの戦いシリーズ」では、このPS3とPSPの連携について、映画配信の場合(ハリー・ポッターがWiiとPS3で配信された日(ホームサーバの戦い・第40章) )と、テレビ録画の場合(3月より9980円でPS3がハイビジョンレコーダーになる理由(ホームサーバの戦い・第47章) )とパッケージメディアの場合(本章)の3種類について注目してきた。おそらく、PS3で映画を見る場合、この3種類が想定されるだろう。(レンタルの場合を除く)

 それぞれ、PS3で受け取った映像を、PSPに書き出す(転送・ムーブ)という点でよく考えられている。僕は、「11月よりPS3に映画配信の時代来る(ホームサーバの戦い・第37章)」でPSPとPS3を組み合わせると今までになかった生活スタイルが生まれるという項目で、こう書いている。


つまり、試しにPS3にダウンロードした映画が面白いと思ったら、PSPに転送して電車の中でPSPで視聴することも可能なら、友人宅に出かけてその友人のテレビで(PSPの映像出力により)見ることも可能というわけだ。ただ、同じアカウントではないので、友人のPS3にコピーすることはできない。(11月よりPS3に映画配信の時代来る(ホームサーバの戦い・第37章))

 これからの時代、セカンドセッションが重要になってくる。似たようなことなら、WiiとDSではできないかという問題が起こるだろう。それはできない。PSNと違ってアカウント管理ができないからである。「ハリー・ポッターがWiiとPS3で配信された日(ホームサーバの戦い・第40章) 」で、
DSiショップにはユーザー登録という仕組みがありません。ユーザー登録が無いので、ダウンロードしたゲームやアプリを他のハードに移動しようと思っても、本人確認をするシステムがないんです。本人確認をするシステムがないのに、どうやって管理をしているのかというと、ユーザーではなく、ハードの方を確認していると思われます。(DSiウェアがDSiLLに引継できない訳)
とあるとおり、DSiもWiiと連携ができない。もともと、連携を狙ったゲーム機ではないからである。Wiiは、ゲーム機として売れに売れた。もし、据え置き機と携帯機の連携を狙うのだったら、おそらくWii HDが発売されるとき、DSiも含めてアカウント管理をガラッと変える必要がある。売れれば売れるほど、そのタイミングが大変難しい。
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