夢幻∞大のドリーミングメディア

素人だから言えることもある

「メイド・イン・ジャパンの命運」から

24日、NHKスペシャルで「メイド・イン・ジャパンの命運」というドキュメントが放送された。



金融危機の影響がもっとも大きく出た日本。GDPはまもなく中国に抜かれ3位に転落するのは必至である。こうした中、日本はグローバル経済の中で、何を作り、何で稼いでいくべきなのか。世界最強のブランドと言われた“メイド・イン・ジャパン”が、出口を求めて必死にもがいている。いま日本の製造業が直面している世界の地殻変動、それは、猛スピードで技術が陳腐化し、製品の差別化が難しく、しかも製品の寿命が超短命に陥っていることだ。メイド・イン・ジャパンの代名詞だったテレビ業界では、特にその傾向は顕著で、どんなに高度で精密な薄型テレビを作り出しても瞬く間に韓国台湾などアジア勢の猛追を受ける。少しでも安いモノをと考える消費者にとって、ライバルがある程度の技術力を持てば、日本製品の優位性は一気に崩れるのだ。こうした中、いま一度日本国内工場の存在意義を問う、「生き残りをかけた実験」が始まっている。東芝ではコストを度外視した超高機能テレビを作り技術力を極めようとする試みが佳境を迎えた。JVCケンウッドでは、自社生産にこだわらず、技術を中国メーカーに譲って製品を作らせ、そのライセンス料を企業収入にしていこうという動きも見られる。番組は、「日本は今後どうやって食べていくのか」、「日本人は何が得意なのか」と自問を繰り返す二つの電機メーカーの社運を賭けたプロジェクトに密着し、メイド・イン・ジャパンの未来を見つめていく。(メイド・イン・ジャパンの命運)


 東芝は、CELL REGZAを通して描かれていた。何しろ、100万円もする代物である。他のメーカーが一斉に3Dに走っているのに対し、高級品で生き残ろうという考えらしい。一方、JVCケンウッドは、インターネットラジオの機器を中国のEMSで100ドル以下で作らせ、そのライセンス料で生き延びる計画である。


 なぜ、これほど新興国が力をつけてきたか。話は簡単だ。国内の人件費の高騰を恐れ、海外に生産拠点をどんどん移してきたからである。コスト高を恐れる前に、国内で生産する努力をしてこなかったため、国内の技術力が付かなかったのだ。しかも、世界同時不況で、人々は消費する力を失った。新興国はかつてのように「安かろう悪かろう」の技術ではなく、「安くてよいもの」を作り始めた。


 これは、「トヨタが再び敗れる日」と同じである。



自動車にしてもビデオカメラにしても、日本独自の高いメカ技術は、大変高い参入障壁になっていたのである。ところが、ビデオカメラでは、メモリーカードによって、メカレスになり、自動車では、電池になることで今までの巨大工場が不要になってしまった。(トヨタが再び敗れる日)


テレビにしても、プロセッサーとソフトウェアを手に入れれば、パナソニック製の生産機械が作ってくれるという。大量生産による低コスト化が日本の首を締めている。日本人しかできない技術なんてものはもうないのである。


ブログパーツ