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アップルがソニーを買収という噂(ホームサーバの戦い・第76章)

アップルがソニーを買収

モーニングスターがこんな記事を載せた。
ソニーが後場上昇、米アップルが買収検討との報道 2010/10/26 14:52

ソニーが後場上昇。米コンピューター大手アップルがソニーを買収するとの報道が一部メディアに流れたことで買い物を集めている。

米投資情報誌バロンズに掲載されたもので、アップルのバランスシートにある510億ドル(4兆1000億円)の使途をアナリストに聞かれた同社CEOスティーブ・ジョブズ氏がほのめかしたというもの。ジョブス氏は「将来、戦略的な機会が訪れると感じる」と発言、企業買収の可能性を示唆したとされ、同誌はソニー以外にゲーム大手EAやソフト大手アドビシステムズ、ウォルト・ディズニーすらも候補に挙がっているとする。

買収対象に巨大企業名がずらりと並ぶこの報道、どこまで現実的なものかは疑問だ。ただ仮に検討が事実なら、もはやソニーをライバル会社という位置付けではなく、一コンテンツ企業としてしか評価していないのかもしれない。

もちろん、これが事実になるとは思えないが、この機会に過去の買収の噂を並べてみた。

ソニーがアップルを買収

これは、出井伸之会長時代の話。「迷いと決断」(新潮新書)に書かれた文章。
92、93年頃のあるリサーチで、ソニーが好きな人とアップルが好きな人はかなり重なっている、という結果が出たことがあります。さっそくアップル社の企業価値を株価評価に基づき算出してみたら、およそ4760億円と出ました。
  アップル買収。その可能性を、VAIO開発前の私はかなり真剣に考えた時期があります。アップルを買収して、コンピュータや携帯電話といったソニーの情報機器すべてを「アップル」というブランドにしよう、と考えたのです。
それだけではありません。構想はさらに膨らみました。ディズニーとソニーの映画部門を合併させて、映画をはじめとするエンタテインメント部門に全部、「ディズニー」のブランドをつけられたら……。ミッキーマウスはじめ多くのキャラクターを持ち、ディズニーランドを世界各国に作り、家族そろって安心して楽しめる、というディズニーのブランドイメージは実に魅力的ではありませんか。
  AV機器はソニーブランドのままで、情報機器はアップル、エンタテイメントはディズニー——このように3つのブランドをソニーグループに持つことができたら、最強のブランド・カンパニーになります。そして、それぞれのブランドの上に商品やサービスが乗っていけば、大変わかりやすく、訴求力は何倍にも強くなるはずです。(出井伸之著「迷いと決断」新潮新書)(ジョブズとソニー)

ホリエモンがソニー買収

IT proの沈黙を破ったホリエモン,ITを語るから
捕まる直前まで進めていたのは,ソニー買収計画です。「やることがなくなった」と話していた村上(世彰=解散した通称「村上ファンド」のファンドマネージャー)さんに話したら「面白いな」ということで。その時に僕が構想していたのが,今で言うところの「iPhone」を軸にした会社に変革させることです。
野球もテレビも結果的にはうまくいかなったわけですが,消費者をネットの世界に連れ込むために必要だった知名度の向上は果たせました。そこで次にチャレンジしようと考えていたのが,ソニーのブランドと技術力を活用して,いかにネット時代の流れに則した企業に変革させるかだったわけです。
ソニーが魅力的だったのは,音楽と映像のコンテンツを保有していること。それにオーディオ機器やモバイル,有機ELなどの技術。金融商品もあり,FeliCaの技術もある。逆にいらないと思っていたのは,大型テレビなどの家電製品で,中国の家電メーカーに売却するつもりでした。ゲーム機事業もいい時はいいが悪い時のリスクが大きいので,マイクロソフトに売却してしまえばいいと考えていました。
そうして経営資源の選択と集中をして,iPhoneのような事業を展開できれば,コンテンツ力はAppleより強いわけですし,それがソニーの原動力になると信じていました。(“iPhoneをやるため”にソニーを買収したかった)( ホリエモンのソニー買収計画)

マイクロソフト任天堂を買収

マイクロソフトの蹉跌—プロジェクトXboxの真実」(ディーン タカハシ著/元麻布 春男監修/永井 喜久子訳/ソフトバンク)に
トンプソンのオフィスは、同じくレドモンドにある任天堂アメリカの本拠地からわずか2、300メートルほどしか離れていない。トンプソンは、元任天堂マーケティング担当で現在はXboxにかかわっているドン・コイナーとともに、任天堂アメリカ社長の荒川實を訪ねることにした。トンプソンは荒川に、任天堂マイクロソフトと共同でXboxを売り出す、あるいはマイクロソフト任天堂を買収するのはどうか、と尋ねた。荒川はひどく驚いた様子だった。
「びっくりさせられたよ」と荒川はのちに語った。「我々は金に困っているわけでもなかった。冗談だと思ったね」
荒川はトンプソンに、その提案については日本の本社に伝える必要があるという。二つの会社は機密保持契約を結んでいて、互いの計画について伝え合う義務があったからだ。トンプソンは京都にある任天堂の本社を訪れた。マイクロソフト任天堂を買収できれば幸いだと考えていた。任天堂時価総額は250億ドル。その気になれば、マイクロソフトに払えない額ではない。任天堂と組めば、Xboxビジネスはすみやかに黒字に転換できるだろう。任天堂はソフトの50%以上を自社で開発しているので、毎年7億ドルかそれ以上の利益を上げている。これとは対照的に、エド・フリーズの計画によれば、マイクロソフトが自分で用意するXbox用のソフトは全体の17%しかない。
任天堂の幹部の中には興味を持つ者もいて、その冬の間に、両社の話し合いは全部で6回か7回行われた。マイクロソフト任天堂ゲームキューブの発売をとりやめてXboxの後押しをすることを望んだが、任天堂の老練な山内溥社長はその考えが気に入らなかった。こうして結局、この話は2000年の1月に立ち消えになった。(ディーン タカハシ著/元麻布 春男監修/永井 喜久子訳「マイクロソフトの蹉跌—プロジェクトXboxの真実」ソフトバンク)(Xbox vs PS2(ホームサーバの戦い・第8章)
「アップル、ソニーを買収」というのは、単なる噂に過ぎないが、ここに並べたのは、関係者の発言によるものであり、かなりの真実味がある。果たして、ジョブズ氏はどう出るだろうか。
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