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素人だから言えることもある

NGPはPS3の携帯版だった(ホームサーバの戦い・第83章)

ネクストジェネレーションポータブル

1月27日、発表されたPSP2は、今までの常識を超えていた携帯ゲーム機だった。
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は27日、「PlayStation Meeting 2011」において、次世代携帯型エンタテインメントシステム、「Next Generation Portable」(NGP、コードネーム)を発表した。年末から順次、各国・地域で発売する予定。

最大の特徴は3Gの通信機能を搭載し、屋外でも通信機能を使ったゲームやサービスが受けられること。IEEE 802.11b/g/nの無線LANも内蔵しており、Bluetooth 2.1+EDR(A2DP/AVRCP/HSP)に準拠する。

5型/960×544ドットの有機ELディスプレイを搭載し、マルチタッチ対応の静電容量式タッチパネル仕様となっている。さらに本体背面にもタッチパネル(バックタッチパッド)を搭載し、裏側の指の動きもゲームなどで活用する。カメラも前面と背面に搭載するほか、ステレオスピーカー、マイクも内蔵。さらに、GPSや、3軸ジャイロ/3軸加速度の6軸検出システム、3軸電子コンパスなどのセンサーも装備している。(SCE、次世代携帯ゲーム機「NGP」発表。年末発売 −3G/5型有機EL/背面タッチパネル。「手のひらの上の革命」)

なぜ、これほどの技術をつぎ込むのか。例えばPSPの4倍の有機ELの画質、 そういえば、ソニーは、12インチくらい?で有機ELテレビを発売したことがある。何でも、大きな画面にするのに苦労していると聞いた覚えがある。カメラを搭載することで、iPhoneに対抗するのか。PS3やトルネが、Apple TVだとすれば、「NGP」はiPhoneになる。画面が大きいからPS3はiPadかもしれない。PS3は、ハイビジョン画質だ。そのまま、PSPに持ってくると、あまりにも画質が落ちてしまう。むしろ、PS3画質のまま、PSPに持ってこれる画質であれば、ということで有機ELを導入したのかもしれない。

ゲームもセカンドセッションの時代

コナミの小島監督は、
PS3の「メタルギアソリッド4MGS4)」のモデルデータと環境をそのまま機械的にNGPに移植し、リアルタイムに再生した実機映像を披露した。「若干処理落ちしているがそのままのデータで、最適化すればPS3クオリティのものがそのまま作れる」とまずNGPのパワーを紹介した。

しかし「次世代の携帯ゲーム機はPS3と同じだと。あるいはそういった携帯機で「MGS4」を移植するという話が言いたいわけではない」という。昨年PSP用に「メタルギアソリッド ピースウォーカー(MGS PW)」が発売されたが、このタイトルは「近い将来クラウドコンピューティングの世界になり、ゲームは家でも外出先でも移動しても、あらゆる状況で継続してゲームができる時代が来る。そういう時代が来るのを見越して、携帯したりその続きを遊んだりした場合どうなるのか、という実験をしたのが『MGS PW』」という。「カンのいい方はおわかりになるかと思いますが、NGPの誕生で、擬似クラウド的な新しいゲーム世界が可能になるだろうということに注目しております」と話を続けた。

「ゲームユーザーの夢とはなんでしょうか。よりリアルな世界に没入することでしょうか。あるいは、ゲームを携帯していつでもどこでも遊ぶことでしょうか。もしくはオンラインでつないで世界中の人たちとコミュニケーションすることでしょうか。カメラと位置情報を使って、現実とゲームを融合することでしょうか。たくさんのゲームユーザーの夢を今までハードメーカーさんと我々で1つづつ実現していったわけですけれども、まだ1つ僕の中で実現されていない夢がありまして、今回それを実現したいと思っています。それは据え置き型用にで開発された最先端のソフトを、携帯機でも持ち運べて、プラットフォームを越えて同じゲームを行き来して遊ぶといったものをNGPで実現したいと思っています。できればE3ぐらいでそれをご紹介できれば」と今後の構想を語ってくれた。(SCEJ、「PlayStation Meeting 2011」開催 PSPの後継機「NGP」の機能を実際にデモンストレーション)

なるほど、今までは、据え置き機と携帯機は全く別物だった。しかし、これからは、続きを自宅や外で遊ぶことができるという時代が来ることであり、クリエイターも2種類のゲーム開発をしなくてもよいということになる。携帯でも据え置き機でも楽しめるというのは、「セカンドセッション」の発想だった。Apple TVがiPhoneiPadにダウンロードできるというのもセカンドセッションに近い。

僕は、「Digital Copy (PSP&PS3 only)の謎(ホームサーバの戦い・第49章)」で、セカンドセッションの話をしている。

これは、簡単にいえば、PCやポータブルデバイス向けの映像ファイルをDVD/BDソフトと一緒に販売する、というものだ。中には、映像と同じディスクに、PCなどでのみ読める別セッション(第2のセッション)として保存されていることから、これらを総称して「セカンドセッション」と呼ぶことが多い。(西田宗千佳の— RandomTracking —映像ソフトからポータブルデバイスへ「転送」 新潮流「デジタルコピー」の可能性を探る)
僕は、この話を受けて、
つまり、試しにPS3にダウンロードした映画が面白いと思ったら、PSPに転送して電車の中でPSPで視聴することも可能なら、友人宅に出かけてその友人のテレビで(PSPの映像出力により)見ることも可能というわけだ。ただ、同じアカウントではないので、友人のPS3にコピーすることはできない。(11月よりPS3に映画配信の時代来る(ホームサーバの戦い・第37章)
このときは、映画の話だったが、NGPはゲームでも可能だということだ。どうやら、NGPでは映像出力がないようなので、ソフトを持っていかなくてはならない。アーカイブのダウンロードでは、PS3とPSPの2つのダウンロードが可能だ。NGPが年末に発売されるころには、その問題も解決されるかもしれない。

PlayStation Suiteでソーシャルゲームに参入

ゲーム評論家の平林久和氏は、
そこで、まず発表されたのはPlayStation Suite(プレイステーション・スイート)でした。まさに多端末化が勢いを増す時代に、携帯電話、スマートフォンタブレットPCに「プレイステーションのクオリティを保ったソフトをクロスプラットフォームで提供していく」との発表です。

これは何を意味しているのか。「カジュアルにゲームを楽しむユーザーの皆様が加速度的に増加しています」の発言から推定するに、ソーシャル・ゲームの台頭にプレイステーションが楔(くさび)を打ち込むことを狙っているのでしょうそして、「アンドロイド端末向けに」としたことは、アップル社を完全なる敵と位置づけた宣戦布告とも受け取れます。(PlayStation 、獅子は笑顔で目覚めた・・・平林久和「ゲームの未来を語る」第10回)

これから、アンドロイドの携帯にプレイステーションのゲームが乗り込むことで、プラットフォームに縛られないゲームビジネスがこれから始まるというわけだ。

国内のQriocity発進

前日の1月26日に始まったのがブラビアのQriocityだった。
ソニーは、Qriocity(キュリオシティ)によるプレミアム映像配信サービス 「Video On Demand powered by Qriocity (“キュリオシティ” ビデオオンデマンド)」を2011年1月26日より日本市場においてネットワーク対応の液晶テレビ<ブラビア>※1向けに、開始いたします。(Qriocityサービスのサイト: http://www.qriocity.com)(“Qriocity”によるプレミアム映像配信サービス“キュリオシティ”ビデオオンデマンドを日本市場に向け開始)
200タイトルで、割高だが、アクトビラが使いにくいので、ソニー独自のサービスとしては注目に値する。時期が、プレイステーションと1日違いというのは、いよいよホームサーバの戦いが、遅れぎみな日本でも佳境に入ってきたということか。僕は、同時にプレイステーションでもQriocityの発表があるかと思ったが、それはなかった。もっとも、Playstation Storeとダブってしまうので、混乱してしまうかもしれない。

PSフォンも、ソニー・エリクソンから出るという話も聞く。これもアンドロイド携帯だから、SCE、ソニー本体ともApple対抗で「ホームサーバの戦い」はますます激しくなりそうだ。
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