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素人だから言えることもある

これからはトランスファリングが主流になる?(ホームサーバの戦い・第92章)

コナミが発表したトランスファリング

6月7日から始まるE3を前にして、今日の段階でエントリーするのは、ちょっと気が早すぎるが、わかってしまったら話題にならないかもしれないので、とりあえず。ゲームメーカーのコナミがこんな提案をしている。
KONAMIは、プラットフォームの垣根を越えて同一のタイトルを続けてプレーすることができる「トランスファリング」機能を搭載したゲームを発売します。第1弾は、『METAL GEAR SOLID PEACE WALKER (以下、MGS PW)HD EDITION』(PlayStation®3)で、今後も「トランスファリング」に対応するタイトルラインアップを順次拡大予定です。

「トランスファリング」は、セーブデータを共有することで、一つのゲームを据え置き型ゲーム機携帯型ゲーム機の両方で、継続してプレーすることができる機能です。これにより、電車などの移動中には携帯型ゲーム機でストーリーを進め、ご家庭では据え置き型ゲーム機を接続したテレビの大画面でクライマックスを堪能するといった、好きなときに好きな場所で、最適な環境を選択してゲームを楽しむことが可能となります。

『MGS PW HD EDITION』は、2010年にPSP®PlayStation®Portable)向けに発売し、好評を博した『MGS PW』のHD化タイトルです。エミュレーター※を使用せず、フルHDの画面サイズに合わせて、グラフィックや文字などのインターフェースの描き直しを行うことで美しいグラフィックを実現しているほか、サウンドの再調整によって音質も向上しているため、ゲームの臨場感を一層高めています。また、据え置き型ゲーム機のコントローラーの機能も生かしており、操作性を向上させる右アナログスティックへの対応やゲーム内の演出を体感できる振動機能にも対応しています。

さらに、今回PS3®版『MGS PW HD EDITION』には、「トランスファリング」機能を使った、新たなプレースタイルをすぐに楽しんでいただけるように、PSP®版『MGS PW』の無料ダウンロードコードが付属しています。

将来的には、新作タイトルの発売と同時に、「トランスファリング」を通じて、据え置き型ゲーム機でも携帯型ゲーム機でも、一つのゲームを継続して遊べるようにし、新しいゲームのプレースタイルを拡大していきます。(プラットフォームの垣根を越えた遊びを提案「トランスファリング」で広がるゲームの新しいプレースタイル第1弾は「METAL GEAR」シリーズで実現)

勘違いしてはいけないのは、「プラットフォームの垣根を越えて」とは、PS3とXbox360の垣根ではないことだ。あくまでもPS3とPSPの垣根である。据え置き機と携帯ゲーム機との間で同じゲームを連携するのは新鮮に映る。1月に、プレイステーションミーティングが行われ、新型PSPNGPが発表された。その席上で、同じコナミの小島監督がこんな発言をしている。
PS3の「メタルギアソリッド4MGS4)」のモデルデータと環境をそのまま機械的にNGPに移植し、リアルタイムに再生した実機映像を披露した。「若干処理落ちしているがそのままのデータで、最適化すればPS3クオリティのものがそのまま作れる」とまずNGPのパワーを紹介した。

しかし「次世代の携帯ゲーム機はPS3と同じだと。あるいはそういった携帯機で「MGS4」を移植するという話が言いたいわけではない」という。昨年PSP用に「メタルギアソリッド ピースウォーカー(MGS PW)」が発売されたが、このタイトルは「近い将来クラウドコンピューティングの世界になり、ゲームは家でも外出先でも移動しても、あらゆる状況で継続してゲームができる時代が来る。そういう時代が来るのを見越して、携帯したりその続きを遊んだりした場合どうなるのか、という実験をしたのが『MGS PW』」という。「カンのいい方はおわかりになるかと思いますが、NGPの誕生で、擬似クラウド的な新しいゲーム世界が可能になるだろうということに注目しております」と話を続けた。

「ゲームユーザーの夢とはなんでしょうか。よりリアルな世界に没入することでしょうか。あるいは、ゲームを携帯していつでもどこでも遊ぶことでしょうか。もしくはオンラインでつないで世界中の人たちとコミュニケーションすることでしょうか。カメラと位置情報を使って、現実とゲームを融合することでしょうか。たくさんのゲームユーザーの夢を今までハードメーカーさんと我々で1つづつ実現していったわけですけれども、まだ1つ僕の中で実現されていない夢がありまして、今回それを実現したいと思っています。それは据え置き型用にで開発された最先端のソフトを、携帯機でも持ち運べて、プラットフォームを越えて同じゲームを行き来して遊ぶといったものをNGPで実現したいと思っています。できればE3ぐらいでそれをご紹介できれば」と今後の構想を語ってくれた。(SCEJ、「PlayStation Meeting 2011」開催 PSPの後継機「NGP」の機能を実際にデモンストレーション)( NGPはPS3の携帯版だった(ホームサーバの戦い・第83章) )

したがって、今回のコナミの「トランスファリング」機能は、1月の発言を受けて実現したものだろう。NGPがまだ発売されていない現在、PSPはグラフィックが向上されていないので、とりあえずPSP®版『MGS PW』の無料ダウンロードコードを付けることで、1本でPS3もPSPも楽しめるシステムにしたわけだ。年末に発売が予想されるNGPによって本格的に「トランスファリング」機能が始動されるはずである。

ところで、このような据え置き機と携帯機の連携は、アメリカではセカンドセッションと呼ばれる。これは、映画のソフトを自宅でも携帯でも楽しめる機能として、デジタルコピーがついていることを指す。「Digital Copy (PSP&PS3 only)の謎(ホームサーバの戦い・第49章)」で、西田宗千佳氏の言葉を引用した。

コンテンツホルダーは、ビジネス拡大のために様々な場所で映像を利用してもらいたい一方、違法コピーを推奨するわけにはいかない。また、多くの一般人にとっては、技術的に習熟を要するテクニックが必要となるため、面倒で使いづらい。なにより、「自分が買った」ディスクの映像を見るのに、違法コピーまがいのテクニックを使って映像を取り出さねばならないというのは、正直なにか間違っている。

このような問題を解決するために、今年に入ってから米国で採用が始まっているのが「デジタルコピー」「セカンドセッション」と呼ばれる技術だ。

これは、簡単にいえば、PCやポータブルデバイス向けの映像ファイルをDVD/BDソフトと一緒に販売する、というものだ。中には、映像と同じディスクに、PCなどでのみ読める別セッション(第2のセッション)として保存されていることから、これらを総称して「セカンドセッション」と呼ぶことが多い。(西田宗千佳の— RandomTracking —映像ソフトからポータブルデバイスへ「転送」 新潮流「デジタルコピー」の可能性を探る

今までは、PSPとPS3の画質が極端に違うために、拡大して見ると、かなり見づらかった。NGPにより、画質が向上していくことで、両者の行き来がより見るに堪えるようになってきた。

Wiiの後継機は、PS3+PSP?

ところで、マイクロソフトは、携帯ゲーム機がないので(Windows phoneが有望?)、「トランスファリング」機能がつかえない。一方、任天堂には、DSという携帯ゲーム機と、Wiiという据え置き機がある。この2つでコナミの「トランスファリング」機能は使えるか。

僕は、「ハリー・ポッターがWiiとPS3で配信された日(ホームサーバの戦い・第40章) 」で、ゲームライターの田下広夢氏の記事を引用した。

DSiショップにはユーザー登録という仕組みがありません。ユーザー登録が無いので、ダウンロードしたゲームやアプリを他のハードに移動しようと思っても、本人確認をするシステムがないんです。本人確認をするシステムがないのに、どうやって管理をしているのかというと、ユーザーではなく、ハードの方を確認していると思われます

DSiショップに接続した本体を個別に認識しているんですね。例えば、ニンテンドーポイントプリペイドカードDSiポイントを登録したら、登録した時に接続しているDSiを覚えていて、その本体で接続する限りは登録したDSiポイントを使うことができます。しかし、他のDSiで自分が登録したDSiポイントを利用することはでない、という具合です。

同じように、ダウンロードしたゲームも、ユーザーを確認する仕組みはありませんが、ダウンロードした本体と関連付けされて管理されているということです。よって、新しくDSiLLを購入しても、移動することはできません。DSi同士でも駄目です。ちなみに、同じ本体であれば再ダウンロードは可能です。もちろん、移動の手段としては利用できませんが。(DSiウェアがDSiLLに引継できない訳)

PS3とPSPはアカウントが共通なので、同じセーブデータを使うことは可能だが、DSとWiiはアカウントが違うので、セーブデータを引き継げないということになる。僕は、今回のWiiの後継機で一発逆転を狙っているのではないかと思っている。今回、後継機のうわさされるものは、こんな機能を備えているという。
任天堂は2012年半ばにも発売する据え置き型ゲーム機の「Wii」後継機で、タッチパネルを搭載した新型コントローラーを採用する。タブレット端末のような操作でゲームを楽しめるほか、携帯型ゲーム機としても遊べるようにする。06年に発売したWiiはブームが一巡。利便性を高めた後継機の投入で巻き返しを図る。

新型コントローラーは、画面サイズが約6インチのタッチパネルを搭載。コントローラーには2次電池も内蔵しており、テレビが使えない状況では、コントローラーを携帯型ゲーム機のように利用することができる。据え置き型として使う場合は、例えば画面を指先でなぞってテレビ画面上のキャラクターを動かすようにする。

コントローラーにはカメラ機能も搭載。撮影した人物の特徴を反映した分身をゲーム内に登場させるなどの遊び方も盛り込むとみられる。

現行のWiiの累計販売台数は世界で8600万台に達したが、足元では苦戦が続く。人気ソフト不足と、低価格で気軽に遊べる交流サイト(SNS)や、スマートフォン(高機能携帯電話)、タブレット端末などを通じたゲーム市場の拡大が背景。

Wiiの10年度の世界販売は前年度比27%減の1508万台にとどまった。任天堂は新型Wiiを携帯型としても利用できるゲーム機にして、ユーザー層を広げる。(「Wii」後継機、コントローラーが携帯ゲーム機に 任天堂、タッチパネルを搭載 カメラ機能も日経新聞6月4日)

正直言って、コントローラーに6インチの液晶は大きすぎるだろうと思った。しかし、ソニーに対抗するには、同一アカウントにする必要がある。それなら一体型しかない。しかも、HD化もされている。いわば、PS3とPSPの一体型ではないのか。これができるなら、コナミの「トランスファリング」機能も可能になるのだ。6月8日の発表が楽しみである。
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