夢幻∞大のドリーミングメディア

素人だから言えることもある

事実を積み重ねて初めて真実が見えてくる

僕のエントリーはすべてそうだが、新しい情報と過去のエントリーとの比較で成り立っている。これは「アイデアの作り方」にもかなっている。

アイデアとは既存の要素の新しい組合せ以外の何ものでもないということである。(ジェームス・W・ヤング著/今井茂雄訳「アイデアのつくり方」阪急コミュニケーションズ)( あらゆる知識・アイデアはクロス・カップリングである)
全く突然、頭の中からアイデアが湧いてくるわけではない。資料をたくさん読み、その資料の組み合わせの中から生まれてくるものだからだ。

たとえば、僕は、大伴昌司と金城哲夫を書こうと思った時、どうすればこの2人の人生をクロスさせることができるかと考えた。それぞれの伝記は何冊かあるが、ほとんどクロスさせたものはない。円谷プロ側から見れば、大伴昌司は怪獣で飯を食っているという思いが強い。大伴昌司側から見れば、怪獣ものは彼の幅広い活動のほんの一部である。僕としては、同時代に生き、ほぼ同時期に死んだ2人の人生はあまりにも不思議で、これこそがエントリーにふさわしいと感じていた。

引用する文献として、僕は3冊を選んだ。金城哲夫玉川学園同窓生、山田輝子氏の「ウルトラマン昇天―M78星雲は沖縄の彼方」(朝日新聞社)であり、円谷プロで同じ文芸部に所属していた上原正三氏の「金城哲夫―ウルトラマン島唄」(筑摩書房)、そして沢山の関係者に取材した竹内博氏の労作「証言構成 OHの肖像―大伴昌司とその時代」(飛鳥新社)である。

山田輝子氏の本からは、沖縄→玉川学園→円谷プロのつながりが明確に見えてくる。僕は、年表にそれを書き加えた。また、上原正三氏の本からは、大伴昌司と金城哲夫の怪獣論争を引用できて、両者の怪獣に対する考え方の違いが見えて興味深い。どうしても話が分散してしまいがちの伝記をこの3冊の引用で大伴昌司と金城哲夫の話に絞ってエントリーが書けたと思う。

一つの本で判断するより、複数の本を読んでこそ様々な面が見えてくる。それが僕のエントリーの特徴である。
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