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追悼・2015年を目前に亡くなったスティーブ・ジョブズ氏(ホームサーバの戦い・第99章)

2015年はアップルをデジタル時代の覇者にする年

スティーブ・ジョブズ氏が亡くなった。
Apple共同創業者で会長のSteve Jobs氏が死去したことが米国時間10月5日のAppleの発表から明らかになった。56歳。

Appleが掲載するJobs氏の経歴によると、Appleの会長であるSteve Jobsは1976年にAppleを共同設立した。同氏はまた、Pixar Animation Studiosも共同設立し、CEOを務めた。Pixarは2006年にThe Walt Disney Companyに買収されたが、Jobs氏はDisneyの取締役会役員を務めていた。同氏は、後にシリコンバレーとなる杏の果樹園に囲まれた中で育ち、家族とともにそこに住んでいたという。

Jobs氏は、1980年代半ばから1990年代半ばまで、企業のリーダーシップの在り方をめぐって取締役会と衝突し、Appleから離れていた。1997年にAppleに戻って以来、Steve Wozniak氏と共同設立した同社を再建し、倒産寸前の状態から世界でも最も影響力のある消費者向けエレクトロニクス企業に変貌させたデスクトップおよびノートブックの「Mac」ファミリにとどまらず、Jobs氏は「iTunes」および「iPod」でエンターテインメント事業へ参入する道を開き、「iPhone」では携帯電話市場をリードするまでに至った。Appleは2010年、タッチスクリーンの「iPad」をリリースし、これによって第3の携帯端末カテゴリが創出され、最近ではAppleの競合企業がこぞって類似の製品を作ろうとするほどになるまでの成功を収めた。(アップル会長S・ジョブズ氏、死去)

僕は、2015年にアップルがデジタル時代の覇者を目指していたと考えている。それは、こんな記事からだった。
日本通信の福田尚久氏との話(特に、楽屋に戻ってからの非公開の話)が興味深かった。
福田氏は、スティーブ・ジョブズAppleに戻り、Microsoftからの資金調達、iPodのリリース、アップル直営店の展開、という今のAppleの成功の基盤となる「奇跡の復活」を遂げた時期にジョブズの側近として活躍した人。

彼に言わせると、今のAppleのビジネス戦略は、倒産寸前だった97年当時に作った「30年ロードマップ」に書かれた通りのシナリオを描いているという。

もちろん、具体的な内容は企業秘密でもあるので直接聞き出すことはできなかったが、ここ12年の間にアップルが出して来たもの(iPod, iTunes, iPhone, Apple TV, Safari, OS-X, iLife, Final Cut) と、彼の話を繋げれば、そのロードマップの姿は自ずと見えて来る。


ひとくちで言えば、「映像・画像・音楽・書籍・ゲームなどのあらゆるコンテンツがデジタル化され、同時に通信コストが急激に下がる中、その手のコンテンツを制作・流通・消費するシーンで使われるデバイスやツールは、従来のアナログなものとは全く異なるソフトウェア技術を駆使したデジタルなものになる。アップルはそこに必要なIP・ソフトウェア・デバイス・サービス・ソリューションを提供するデジタル時代の覇者となる」である。
(アップルの30年ロードマップ)( アップルのホームサーバ計画(ホームサーバの戦い・第43章))

この文章からは単純に計算すると1997+30=2027となるが、それが2015年になったのは次の記事からだ。
アップルは必死になって新しいエコシステムを育てようとしている。26年を経た Macintosh 環境に取って代わるものを、きっかり5年の間に成熟させようとしている。クラウドコンピューティング革命が PC 産業を押し潰すまでに残された時間をそう捉えているのだ。2015 年までの間に自らを全く異なるタイプの企業に変えることが出来なければ、アップルの命運は他の PC 産業と同じく、取り残された存在[irrelevance]と化してしまう。ぎりぎりの予算で取るに足らない利益を追求する、コモディティー部品を組み立てるだけの、どれをとっても変わらないサプライヤーのひとつに堕してしまうのだ。(Steve Jobs が Flash を嫌う本当の理由)(Steve Jobsの2015年のiPad考(ホームサーバの戦い・第59章))
もちろん、これらの記事は、スティーブ・ジョブズ氏の直接の言葉ではないが、ジョブズ氏の方向は2015年に到達点を目指していたのは明確だ。時間を早めたのは、自分の体調から死期を自覚し始めたのではないだろうか。ジョブズ氏は、2015年のアップルを見届けることができなくて無念だったに違いない。
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