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素人だから言えることもある

ジャック・バウアー的家族論

このエントリーは、2010年10月に書いたジャック・バウアー的アメリカ正義論の2本目。2年ぶりに書いたのは、11月23日にWOWOWで「24 -TWENTY FOUR-」の第3シーズンの一挙連続放送が行われたからだ。連続して見ると、一つの特徴が見えてくる。ジャック・バウアーが危機に陥ってルールを破るときはいつも家族が誘拐されたときだ。テロリストに妻が殺され、娘が誘拐される。味方の裏切りも、自分の家族を守るためであり、敵を攻撃するときの最終手段は、敵の家族を誘拐する。「24 -TWENTY FOUR-」では毎回、それが繰り返される。

おそらく、中東では、それが日常のことになっているだろう。いつ、友人や味方が、いや家族さえも裏切るかもしれないのだ。そのような「戦場社会」では、自分の子供は、自分を守るための兵隊となる。少年兵が中東で多いのは、そういう意味がある。そして、女性たちが外に出るのを嫌うのも、兵隊になれないから、彼女たちは守るものとされ、独立した存在と認められなくなる。そして、女性たちは結局、誘拐されやすい自分たち家族の弱みとなってしまう。つまり、「24 -TWENTY FOUR-」で家族は、弱点の立場を超えることはできない。

24 -TWENTY FOUR-」で、家族を弱点として描いたのに対して、主人公のキーファー・サザーランドが次に選んだ「TOUCH/タッチ」では、家族を弱点として描くのではなく、家族のつながりを世界に広げようという全く逆方向のベクトルだ。

“少年は知っている。世界がつながる、たったひとつの方法を…。”
2大海外ドラマを大ヒットさせた、「24 -TWENTY FOUR-」主演のキーファー・サザーランドと「HEROES/ヒーローズ」製作総指揮のティム・クリングがタッグを組み、今年3月から「24 -TWENTY FOUR-」と同じ全米FOXネットワークで放送し、第2シーズンへの継続が早くも決まった最新ドラマ。サザーランド演じる主人公マーティンは、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件で妻を失った上、幼い息子ジェイクが無言症で、自分や他人と交流できないことに悩むが、ジェイクが落書きのように綴る数字に特別な意味があると気づく。ジェイクは過去・現在・未来と時代を超えた、世界各地の人々のつながりを知覚し、それを数字で表現していたのだ。その数字をヒントに、マーティンは奇跡を信じ、世界中の人々を救おうと奔走する。予測できないスピーディーな展開の中、マーティンとジェイクがつむぐ感動の父子関係に加え、世界をつなぐ“見えない糸”を描いた、壮大なスケールの話題作だ。(INTRODUCTION)
そして、主人公のキーファー・サザーランドは、
「TOUCH/タッチ」にプロデューサーとしても関わっている立場から、この番組の見どころを教えてほしいというリクエストに対しては、「見どころは、視聴者の方々に判断してもらうのが一番」と回答。「『TOUCH/タッチ』は父と子の絆を描いた作品。その息子は無言症で、言葉を発することができないばかりか、体に触れられるのも嫌う。僕自身も二人の子を持つ親なので、ついマーティンに自分を重ねてしまったんだ。“もし子どもと会話することができなかったら?”、“通学の送迎の時、手を握ることさえ許されなかったら?”ってね。主人公のマーティンの心情を思うと心が砕けたけれど、ぜひこの役を演じてみたいと思うきっかけになったんだ。必死で息子を理解しようとするマーティンという父親の姿に共感してもらえたら嬉しいよ」と、物語の中で描かれる父と子の親子愛が番組出演の決め手の一つだったことを明かしてくれました。(来日レポート)
24 -TWENTY FOUR-」で描ききれなかった家族の力をそこに見直そうという視点がそこにある。
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