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「販売奨励金」と「押し紙」パラダイス鎖国を支えるメディアの裏金

 政治にかかわらず、金と権力が集中した世界は必ず腐敗する。メディアもまた同様である。

販売奨励金」とは

携帯電話業界で携帯電話会社から新規契約者を獲得した販売店に提供される奨励金。

販売店ではその奨励金を携帯電話端末値下げの原資に当てることが多い。携帯電話会社は端末の代金を値引きしても、その後の通話料で稼ぐことができるという。この制度は、電話会社がレンタルしていた電話機を消費者が買い取る「売り切り制度」が1994年の通信分野における規制緩和の一環として導入されたことを機に、契約者を獲得するために一気に広がった。

携帯電話利用者の買い替え周期は約2年といわれており1台あたりの販売奨励金を24か月で割ると、携帯電話各社は毎月の電話料金に1500円程度を上乗せして回収している計算になるといわれる。

つまり、端末を安く買っても、正価との差額は分割されて基本料や通話料などの通信料金に上乗せされている格好なのである。逆にいえば販売奨励金をやめて3万〜4万円の正価で端末を販売すれば、基本料や通信料は安くなるはずだ。販売奨励金制度の下では、2年未満で端末を買い替える利用者が得をし、同じ端末を長く使う利用者は他人の奨励金を負担し続けていることになる。総務省では携帯電話各社に販売奨励金制度の停止を求めている。(YAHOO辞書

「販売奨励金」は、いわゆる1円ケータイを作り出す。ケータイをただ同然で配って、シェア拡大を目指す。ユーザーは買った以上は、利用する。すると、固定電話以上に高い通話料に悩まされる。しかも、毎年のように新しいアプリのついたケータイが販売され、そのたびにユーザーは買い換える。メーカーは絶えず、新製品の開発をしなければならず、競合相手と同じような新製品を生み出さなければならない。こうして膨大な廃棄物を増やし、ユーザーはケータイ依存症となる。

押し紙」とは

新聞社は再販制度の保護下にありながら慢性的な過当競争状態にあり、しばしば「世界一の発行部数」「目標数○○万部」などと、契約上の優越的地位を利用して過大なノルマを販売店に課すことがある。

販売店は新聞社に対して従属的な立場にあるために、ノルマを受け入れざるをえず、販売店には大量の売れ残りが発生する。販売店は売れるあてのない新聞の代金も新聞社に一方的に支払い続けなければならないが、これを拒めば販売店契約の解除を暗にほのめかされるなどするため、販売店は経済的に常時「生かさず殺さず」の状況に追い込まれる。

これを「押し紙」(違法行為を意味するこの呼称を避けるため、実際には各社様々な名称を用いる。例として「アジャスタブル目標」(朝日新聞社の場合)など)と言う。

これは実売部数と公称部数との乖離を招き、水増し発行部数分の広告料が新聞社によって事実上詐取されていることを意味するだけでなく、独占禁止法第19条に違反する不公正な取引であるが、全国紙を始め多くの新聞社で横行しているのが現実であり、全国の日刊紙で発行部数の2割程度、約1000万部が「押し紙」として日々廃棄されているという。月刊誌財界にっぽんによると元販売店と新聞社との民事訴訟では、実売2000部に対し、“押し紙”が3000部だったことが発覚した。(新聞販売店wikipedia)

 この説明だと、新聞販売店が純粋な被害者だと誤解を招くが、「押し紙」は本来、予備紙のことだったという。雨などで欠損した新聞を補充する目的である。新聞販売店の収入は、新聞購読料の一部と折込みチラシである。「押し紙」などで部数が増えれば、その分折込みチラシの収入が増える。このシステムでは、売れ残った新聞でも新聞販売店には大きな収入になるのである。だから、「販売店は売れるあてのない新聞の代金も新聞社に一方的に支払い続け」ることができるのである。

 この「販売奨励金」と「押し紙」の共通点は、どちらもユーザーを欺き、膨大なゴミを作り出す。現在では、「販売奨励金」は堂々と知れ渡っているが、「1円ケータイ」になれてしまったユーザーにはケータイは安くなければ売れないのが当たり前だ。いまさら、公正な取引は何のメリットも無く、メーカーは自転車操業を続けているに過ぎない。ある程度、いきわたってしまったケータイをより健全な販売モデルにしなければ、世界に輸出することすらできないのである。
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