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素人だから言えることもある

なぜ、エコロジーが偽装を生むのか。

相次ぐ古紙配合偽装の報道は、ほとんどの製紙メーカーが偽装していることが明らかになりつつある。朝日新聞(1/19)によると、
再生紙偽装、背景に古紙争奪戦 中国に「買い負け」

再生紙の古紙配合率をめぐる偽装が製紙業界で常態化していた背景には、中国との「古紙争奪戦」がある。紙の需要が伸びている中国向けの古紙輸出が増え、古紙価格が急上昇している。製紙各社は、古紙の調達コスト高の前に、無謀な営業がきっかけとなった偽装を改めることに二の足を踏んだ可能性が高い。
再生紙の品質と配合率の両立は、そもそも難しい。現場が営業を優先させたのだろう」
確かに、40%古紙配合という割には、普通紙と白さは変わらなかった。消費者は、それは製紙技術が優れているからと勝手に誤解して、「環境に優しい」からと買っていく。なぜ、消費者は、それに疑問を持たなかったか。それは、「環境に優しい」ということに知識がなかったからである。

製紙メーカーはよりたくさん売れることが目的である。しかし、本当に「環境に優しい」ことを狙うのであれば、紙の生産自体を削減したほうが良いはずである。「環境に優しい」商品を大量に販売することは結局「環境に優しくない」からである。

ところが、「環境に優しい」「40%古紙配合」というキャッチフレーズが付いてることでますます紙の消費が進む。そうなると、このキャッチフレーズがないと、あの製紙メーカーはエコロジーに努力していないと思われて、風評被害を受けるのである。真実をうたっていても、うそをうたっているメーカーの前では、売り上げの差が歴然とする。そうしてすべてのメーカーが偽装をしていく。

一斉に製紙メーカーが謝罪するまでは、製紙メーカーもその紙を買った消費者も、それが本当に「環境に優しい」のか誰も気にしていなかった。つまり、それまでは「環境に優しい」ことは何の意味もないレッテルだったのである。

もし、「環境に優しい」商品を本気で売りたければ、どの商品のどこが「環境に優しい」のか、学ぶことを消費者に奨励するだろう。それを学んだ消費者は、その商品が「環境に優しい」かどうかを調べた上で、必要最小限だけを買っていくからである。
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