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素人だから言えることもある

アップルもグーグルもソニーも向かう方向は同じ(ホームサーバの戦い・第44章)

自動車で起こっていることが家電でも起こっている

 自動車産業が、今までのシェアを中国に奪われ、しかも電気自動車が台頭するにつれ、今までの自動車産業では考えられなかった産業が続々参入している。これはトヨタが再び敗れる日(改題) で、
自動車にしてもビデオカメラにしても、日本独自の高いメカ技術は、大変高い参入障壁になっていたのである。ところが、ビデオカメラでは、メモリーカードによって、メカレスになり、自動車では、電池になることで今までの巨大工場が不要になってしまった。
と書いたように、日本のお家芸といわれる産業が革命的に変換を迫られているのだ。そして、IT業界も同様である。「アップルのホームサーバ計画(ホームサーバの戦い・第43章)」で中島聡氏のブログを引用した。
映像・画像・音楽・書籍・ゲームなどのあらゆるコンテンツがデジタル化され、同時に通信コストが急激に下がる中、その手のコンテンツを 制作・流通・消費するシーンで使われるデバイスやツールは、従来のアナログなものとは全く異なるソフトウェア技術を駆使したデジタルなものになる。アップルはそこに必要なIP・ソフトウェア・デバイス・サービス・ソリューションを提供するデジタル時代の覇者となる」(アップルの30年ロードマップ)
 アップルの噂されているタブレットとは、この電子書籍のブックリーダーといわれている。さらには、映像やフォトを映す情報端末になるとも言われている。アップルのiTunesを活用していくだろう。自動車がメカレスになって生産過程が変わったように、今までお店で買っていたコンテンツが電子コンテンツに変わると、今度はショップが必要なくなる。つまり、産業革命であり、流通革命なのだ。問題なのは、今までそれで商売されてきた人たちの仕事が影響されていくことになるのだが。一方、ユーザーにとっては、一つの情報端末にいろんなコンテンツが流れ込むことで、より便利になるので願ってもないことである。

 そして今度は、グーグルがアンドロイドケータイを販売したそうである。これは一見するとiPhoneをまねしているように見える。今まで、ケータイOSのみを提供していたのではらちがあかないと思ったのか、iPhoneにこのままシェアを奪われてはなるものかと思ったのか。

 しかし、グーグルはこのままでは終わらないだろう。アマゾンのキンドルのように、電子ブックリーダーに参入するのではないだろうか。今まで、大学の図書館で書籍をスキャンしてきたのは単なる検索のためだけとは思えない。しかし、ひょっとしたら噂どおり、アマゾンを買収して、グーグルゾンとなったりして。ソニーも同様だ。昨年の11月の経営説明会で、

 ソニーは19日の経営説明会でネットワークを通じてソフトを販売するサービスを拡充する方針を表明した。現在はゲーム機だけが対応しているが、テレビ、 パソコン、携帯端末もネットワーク対応機器に拡大し、映画やゲーム、音楽、書籍などを提供する「ソニーオンラインサービス(仮称)」を立ち上げる計画。 2012年度末までにネットワーク対応機器は3億5000万台への拡大を目指す。2012年度までにネットワークサービス全体の売り上げ規模を年間 3000億円にする目標だ。

(中略)

 またソニーは、電子書籍端末「リーダー」の展開を加速し、2012年度に世界シェア40%を目指している。今年度の電子書籍端末の世界市場が前年度比6倍以上の300—400万台になると予測している電子書籍端末では、米アマゾン・ドット・コムの「キンドル」が日本など世界各国で販売して先行しているが、ソニーは「リーダー」によって追撃する構え。

 ソニーはこれまでに米国、カナダ、欧州などで電子書籍端末を販売している。一方、日本では2004年に発売したが普及が進まず2007年に撤退した経験 がある。ただ、平井EVPは日本での取り扱いについて「いつ発売するかは言えないが真剣に考えている」と述べて「リーダー」のブランドで再開する意向を示した。(ソニー、映画・音楽などオンラインサービス開始へ=平井EVP)

 ただ、ソニーやアップルは、ハード戦争を長年続けてきたが、グーグルには検索の分野ではベテランでも、ハードを売った実績がない。果たして、どこまで伸びていくだろうか。もし、うまくいかなければ、やはり、アマゾンの買収をするかもしれない。


追記 αブロガーの佐々木俊尚氏がこのエントリーについてtwitterで触れてくれました。