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素人だから言えることもある

ハリー・ポッターがWiiとPS3で配信された日(ホームサーバの戦い・第40章)

みんなのシアターWii

 2009年の12月2日は、シリーズ6作目の「ハリー・ポッターと謎のプリンス」のDVDとブルーレイが発売された。そして、この日は、Wiiの「みんなのシアターWii」とPS3の「PlayStation Store」で「ハリー・ポッター」シリーズが初めて配信された日でもある。「任天堂自らが、映像配信に力を入れてきた(ホームサーバの戦い・第38章)」でも述べたように、Wiiには富士ソフトが運営する「みんなのシアターWii」と任天堂が運営する「シアターの間」がある。「シアターの間」は、11月21日から始まったばかりである。そのうち「みんなのシアターWii」が、「ハリー・ポッター」シリーズを配信することになった。ホームページにこういう説明があった。
1作目「ハリー・ポッターと賢者の石TM」、
2作目「ハリー・ポッターと秘密の部屋TM 」がともに驚異的な観客動員記録を打ち立てたハリー・ポッターシリーズの1〜3作目までがみんシアに登場!12月2日からDVD発売の最新作「ハリー・ポッターと謎のプリンスTM 」の配信は来年1月8日より開始!
これまでハリー・ポッターシリーズは6作品が映画化されており、『みんシア』では「ハリー・ポッターと賢者の石TM」と「ハリー・ポッターと秘密の部屋TM」の2本セットを300円(300Wiiポイント)でご覧になることができます。その他作品は各300円(300Wiiポイント)でご覧になれます。
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人TM
ハリー・ポッターと謎のプリンスTM (来年1月8日より配信)(全世界に魔法をかけた!)
 少しわかりにくい文章だが、簡単にまとめると、「ハリー・ポッター」シリーズは、現在6作発売されている。「謎のプリンス」は6作目で最新作だ。しかし、この「謎のプリンス」は1月8日まで配信されない。この12月2日に登場したのは、1作目から3作目であり、1作目の「賢者の石」と2作目の「秘密の部屋」をセットで300円で配信できて、3作目の「アズカバンの囚人」は単独で300円で配信する。つまり、この文章の中には、4作目と5作目が登場していない。おそらく、1月8日に6作目が配信される前に、配信されることになるだろう。この300円が安いかどうかは、後に判断するが、この「みんなのシアターWii」のソフトをインストールにするのに、500円かかることも考える必要がある

PlayStation Store

 「11月よりPS3に映画配信の時代来る(ホームサーバの戦い・第37章)」では、11月よりとしたが、結局、12月2日まで延びた。
 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は、PlayStation Network(PSN)上の「PlayStation Store」のビデオカテゴリにおいて、「映画」、「ドラマ」コンテンツの配信を12月2日より開始した。
 2日にBlu-ray DiscとDVDビデオが発売になる「ハリー・ポッターと謎のプリンス」をはじめ、「ターミネーター4」、「天使と悪魔」、「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」、「GOEMON」、「ダークナイト」などの映画やドラマを配信開始した。各コンテンツは字幕のON/OFFも可能となっている。(SCE、PlayStation Storeで「映画」「ドラマ」配信開始 −セルは1,200〜3,500円。PSP/PS3でも再生)
 映画配信の第一段階にきっちりソニー・ピクチャー・エンタテイメントの「天使と悪魔」を入れてきたのを見ると、ソニーがPSNを中心とした映像配信を本格的に展開する意気込みを感じられる。なお、それについても後で述べる。ともかく、Wiiとの比較のために「ハリー・ポッター」シリーズに枠を絞ろう。このページの下の表に金額を加えてみる。

ハリー・ポッターと謎のプリンス    SD セル(3000円)(2010/1/13〜2010/5/7レンタル予定)
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 SD セル(1200円)/レンタル(2009/12/2〜2009/12/31 350円)
ハリー・ポッターと炎のゴブレット   SD セル(1200円)(レンタル期間未定)
ハリー・ポッターと賢者の石      SD セル(1200円)/レンタル(2009/12/2〜2010/1/31 350円)
ハリー・ポッターと秘密の部屋     SD セル(1200円)/レンタル(2009/12/2〜2010/1/31 350円)
ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団  SD セル(1200円)(レンタル期間未定)

 一応、HDのソフトも一部にあったが、「ハリー・ポッター」はすべてSDである。また、レンタルは、いずれも350円で、Wiiに比べると割高に見える。しかし、それには画質や条件を比較しなくてはならない

WiiとPS3どちらが得か

画質 まずWii
解像度:VGA(640×480)程度 ビットレート:1.3M - 2Mbps程度 (みんなのシアターWii-Wikipedia)
 次に PS3
SDの解像度は720×480ドットで、ビットレートは平均2Mbps(最大9Mbps)。(SCE、PlayStation Storeで「映画」「ドラマ」配信開始 −セルは1,200〜3,500円。PSP/PS3でも再生)
レンタル期間 まずWii
「ゴールドコース」 300Wiiポイント
通常のコンテンツとは別に洋画を中心としたコンテンツに対応したチケットとなっております。
ゴールドコンテンツの視聴には専用のゴールドチケットが必要となります。
1本のコンテンツを2日間視聴できるコースとなっております。(よくある質問: みんなのシアターWii)
 次に PS3
購入から30日以内、初回再生時から48時間以内の視聴が可能な「レンタル」(SCE、PlayStation Storeで「映画」「ドラマ」配信開始 −セルは1,200〜3,500円。PSP/PS3でも再生)
 見始めてから48時間以内は、いずれも共通だが、PS3の方は、見始めるまでに30日の猶予がある。これは、予定した日に見られないときには便利である。さて、実は、PS3には大きなメリットがある。

携帯機へのムーブ(転送)

 PS3でダウンロードしたコンテンツ(SD)は、同じアカウントで機器認証したPSPでも再生可能。ただし、HDコンテンツはPSPに転送できない。PSPからPS3に転送した映像をPS3で楽しむこともできる。(SCE、PlayStation Storeで「映画」「ドラマ」配信開始 −セルは1,200〜3,500円。PSP/PS3でも再生)
 これについては、僕はこんなメリットがあると思っている。
試しにPS3にダウンロードした映画が面白いと思ったら、PSPに転送して電車の中でPSPで視聴することも可能なら、友人宅に出かけてその友人のテレビで(PSPの映像出力により)見ることも可能というわけだ。ただ、同じアカウントではないので、友人のPS3にコピーすることはできない。(11月よりPS3に映画配信の時代来る(ホームサーバの戦い・第37章)
 もっと話を続けるなら、自宅に帰って再びPS3に転送して自宅のテレビで見ることも可能である。「みんなのシアターWii」では、これが出来ない。11月21日に始まった、「シアターの間」にはDSiに転送できることも可能になったと聞いた。それを検証したのが、AV Watchの「DSiにも転送できるWii動画配信「シアターの間」を試す−渋めのラインナップ。転送コンテンツの拡充に期待」である。結論から言えば、
 転送方法はシンプルで迷うことはなかったが、問題は転送できる作品の数と種類。配信数に対して圧倒的に少ないほか、ドラマや映画などはどれも転送できず、転送できるのは、わざわざ持ち運ぶまでもない短い作品がほとんどだ。NHK「みんなのうた」の名曲「コンピューターおばあちゃん」が配信作品にあったのは個人的に魅かれたが、これも転送不可だった。また、レンタル作品は、視聴期間が3日など、短いものが多いことも残念。(DSiにも転送できるWii動画配信「シアターの間」を試す−渋めのラインナップ。転送コンテンツの拡充に期待)
 なぜ、こんな残念な結果になったのだろうか。

アカウント管理が配信の使い勝手を分けた

 調べていくと、PS3とPSPの関係と、WiiとDSiの関係が全く違っていることがわかった。All Aboutの「DSiウェアがDSiLLに引継できない訳」という記事だ。
例えば、新型PS3を買った人が、今まで持っていたPS3でダウンロードしたゲームを移動したいと思えば、それは可能です。どういうやり方をするかというと、再ダウンロードという方法を使います。PS3やPSPで利用できるオンラインショップのPlayStation Network(以下PSN)には、PlayStation Networkアカウント(以下PSNアカウント)というものがありまして、必ず最初にこのPSNアカウントを設定しなければPSNのサービスを利用することが出来ない仕組みになっています

ダウンロードされたゲームは、このアカウントで管理されているので、新しくハードを購入した際は、ゲームを購入した際に利用したPSNアカウントで接続することで、再ダウンロードが可能になります。

ポイントは、アカウントで管理されている、というところです。PSNアカウントで本人の確認を行っているので、別のハードに乗り換えても、IDとパスワードを入力すれば再ダウンロードをすることができます。ちなみに、PSNのサインインIDはメールアドレスを登録するので、他の人とIDが被ることがないようになっています。(DSiウェアがDSiLLに引継できない訳)

 ところが、WiiやDSiはIDを持っていないという。
DSiショップにはユーザー登録という仕組みがありません。ユーザー登録が無いので、ダウンロードしたゲームやアプリを他のハードに移動しようと思っても、本人確認をするシステムがないんです。本人確認をするシステムがないのに、どうやって管理をしているのかというと、ユーザーではなく、ハードの方を確認していると思われます

DSiショップに接続した本体を個別に認識しているんですね。例えば、ニンテンドーポイントプリペイドカードDSiポイントを登録したら、登録した時に接続しているDSiを覚えていて、その本体で接続する限りは登録したDSiポイントを使うことができます。しかし、他のDSiで自分が登録したDSiポイントを利用することはでない、という具合です。

同じように、ダウンロードしたゲームも、ユーザーを確認する仕組みはありませんが、ダウンロードした本体と関連付けされて管理されているということです。よって、新しくDSiLLを購入しても、移動することはできません。DSi同士でも駄目です。ちなみに、同じ本体であれば再ダウンロードは可能です。もちろん、移動の手段としては利用できませんが。(DSiウェアがDSiLLに引継できない訳)

 そして作者は、DSiは間口が広く、誰でも取り込めるが、PSNのアカウント登録は面倒という。それが、任天堂のゲーム機が良く売れた理由でもある。しかし、これから映像配信も手がけようとする任天堂にとって困ったことにはならないだろうか。

 ソニーは、ソニーオンラインサービス構想を2010年から開始するという。

 ソニーの平井一夫執行役EVP兼ソニー・コンピュータエンタテインメント社長は20日、ロイターなどとのグループインタビューで、ネットワークを通じて映画やゲームなどを販売するサービスを2010年から開始する意向を示した。

 ソニーは19日の経営説明会でネットワークを通じてソフトを販売するサービスを拡充する方針を表明した。現在はゲーム機だけが対応しているが、テレビ、パソコン、携帯端末もネットワーク対応機器に拡大し、映画やゲーム、音楽、書籍などを提供する「ソニーオンラインサービス(仮称)」を立ち上げる計画。2012年度末までにネットワーク対応機器は3億5000万台への拡大を目指す。2012年度までにネットワークサービス全体の売り上げ規模を年間3000億円にする目標だ。

 平井EVPは、オンラインサービスについて「できるだけ早く立ち上げたい。(テレビ、パソコン、携帯端末など)対応機器がサービス開始のときにすべて揃うわけではないかもしれないが、来年中にサービスを開始したい」と語った。(ソニー、映画・音楽などオンラインサービス開始へ=平井EVP)

 想像だが、テレビや家電、携帯機器にもネットワークをつけてPSNにつなげ、PSNのアカウント一つで、すべてのサービスが出来るようにしようという構想なのだろう。

 今回のエントリーは、マイクロソフトの話題に踏み込めなかった。マイクロソフトは、昨年の暮れ、「Xbox 360で映画やアニメなどの動画が見られる! 2009年よりビデオマーケットプレースのサービス開始が明らかに」という記事があってもう一年。この話はいったいどこへ消えてしまったのか。


追記 Wiiのレンタルも期間限定

■『ハリー・ポッターと賢者の石』配信日:2009年12月2日〜2010年1月31日まで

■『ハリー・ポッターと秘密の部屋』配信日:2009年12月2日〜2010年1月31日まで

■『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』配信日:2009年12月2日〜2009年12月31日まで

■『ハリー・ポッターと謎のプリンス
配信日:2010年1月8日〜2010年5月7日まで
(Wiiで『ハリー・ポッター』シリーズが見られる! みんなのシアターWii』でシリーズ4作品が期間限定配信)


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