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素人だから言えることもある

日本文化、衰退の危機

ITproのコラムに「日本のソフトウエア産業、衰退の真因」というのが載っていた。

 日本のソフトウエア開発の産業構造には、決定的な欠陥がある。ソフトウエア技術者の派遣ビジネスである。

 大規模な開発プロジェクトの場合、ソフトウエア開発の仕事は、ほぼ例外なく複数の会社に分割発注される。ところがソフトウエアシステムをサブシステムに分割して請け負わせるケースは少なく、多くの場合、「一カ月いくら」で契約する派遣プログラマーを雇い、プロジェクトチームに組み込む。派遣会社の間で技術者を貸し借りするので、技術者が多層化する。いわゆる多重下請け構造である。発注者でさえ、実際の階層数や末端の会社名を知らない。

 これは、テレビ業界も同じであり、ひいてはすべての業界にも言えることだ。もちろん、今まで会社が担っていた求人のリスクを派遣会社に丸投げすることで責任を回避する。派遣会社ができたことで、求職する人間はかつてより、働きやすくなったことは否定できない。だが、本来、社員教育でスキルを育て、会社にとってなくてはならない人材を育てることを自ら放棄していては、会社の独自性やオリジナリティーは育たない。いつも隣に座る人間が、どこから来てどこに行くのか、名前は誰なのかという根本的な人間関係を築けないのに、会社が求める社員など生まれるはずもない。ましてや会社に対する忠誠心など皆無であろう。これでは、今まで作り上げてきた日本文化というシステムが音を立てて崩れつつあるという危機感さえ覚える。
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